エッチなやつ
パンパンと肉と肉がぶつかる音、液体が擦れる音がスーパーの倉庫の一角、誰も来ないようなところから響いている。
肉棒を雌穴に挿入されているのは褐色の肌と彫刻のようなボディラインの美しい女性のゼノビア。
その美雌に自身の肉棒を挿入しているのは黒髪の少年、藤丸立香。
バイトの休憩時間であることをいい事に2人は肉欲を貪っていた。
このような関係を続けて久しく経つ。
早くに夫を失い、繁殖欲を持て余していたゼノビアと若く同年代と比べても性欲の強い藤丸が互いの体を求め合うのはなんら不思議ない事であった。
立ちバックで交尾に励む雄と雌はしかし、事態の認識に大きな隔たりがあった。
藤丸はいつもの性行為の一つに過ぎないと思っていた。
実際、今日の行為自体も普段から二人が行なっているものとなんら変わりはない。ただ少しゼノビアの体温が高いなくらいのことしか思っていなかった。
ゼノビアにとってはかねてより計画していたことを実行する日であった。
藤丸に伝えていないが、彼女は今、排卵日の真っ只中である。腹の奥、卵管には先程卵巣から排出されたゼノビアの遺伝子情報が詰まった卵子がふよふよと漂っていた。
ゼノビアは子供が欲しかった。
子作りを誓った矢先に夫を失い、行き場を無くした欲求が藤丸という理想の番と出会った事で激しく燃え盛っているのだ。
だが、藤丸はまだ高校生の身。しかもゼノビアとは一回りも年が離れている。
藤丸が大人になるまで待つ選択もあった。だが、待っている間に藤丸がより相応しい女性と出会う可能性を彼女は否定できなかった。
何より待っている間にゼノビア自身の妊娠適齢期が過ぎてしまう。
そういう個人的な理由が今日の狂行に繋がっていた。
藤丸のピストンが速くなる。射精の時が近いのだ。
それを感じ取ったゼノビアの膣が藤丸の肉棒を締め付ける。肉ヒダの一つ一つが「妊娠したい♡種付けして♡」と言わんばかりにうねり、射精を促す。
ゼノビアの獰猛な膣穴に負けないよう、藤丸がゼノビアの豊かな腰を掴み、今日1番の強いピストンを叩き込む。
1番奥で爆発した青年の種が子宮奥まで叩きつけられる。
射精の感覚にゼノビアの子宮が喜びの声を上げる。本人の汚い喘ぎ声と同期するかのように、子を求める乾いた子宮が肉棒に吸い付き、美味しそうに精子を飲み干す。
外から見れば夫婦の子作りに違いはなかった。
激しい交尾で使った水分を互いに求め合うように、熱いキスで唾液のブリッジがかかる。
女は自分の胎に新たな命が宿る感覚を感じ取り、多幸感に満ちていた。
男はいつもよりも惚けて雌の匂いの濃い女にドギマギを隠せなかった。
──3ヶ月後
ゼノビアは妊娠していた。
まだ腹の膨らみは目立たないが、確かに新たな命が彼女の子宮に根付いていた。
腹に手を当てれば微かな熱を感じ取れた。
ようやく授かることのできた自分の子供。その幸福は悪阻の辛ささえ無かったことにしてくれるような、彼女の幸福の全てだった。
まだ、藤丸に妊娠のことは伝えていない。
いまだ体を重ねているが、彼の感じる違和感は多少ゼノビアが熱っぽくなったということだけだ。
安全日だと偽って交わったあの日、ゼノビアの胎に自身の子供を作ってしまったことなど少年走る由がなかった。
──6ヶ月後
妊娠後期になり随分と腹の膨らみが目立つようになってきた。
幸いな事にバイト先の制服は緩いエプロンを前掛けにしているので腹が目立つことはなかった。
この後に及んでもまだ妊娠の事実を藤丸に伝えていない。
そこには恐怖があった。
知られたらなんて言われるか。騙して妊娠したことを彼が責めるかもしれない。この関係が終わってしまうかもしれない。
そう思うと彼に真実を伝えられなかった。
だからこうして以前のまま肉欲を貪る関係性のままでいる。
そうしていれば進展もしないが、関係が壊れることもないから。
──10ヶ月後
今日も二人は互いを貪っていた。
エプロンの内では妊娠して大きくなった乳房と腹が揺れている。
この後に及んでもゼノビアは妊娠の事実を伝えていなかった。
妊娠によって大きくなった、子を産み落とすための安産型の尻を藤丸は大層気に入っており、腰を掴む手に力が入る。
もちろん藤丸自身は自身の肉棒の先に自分の遺伝子によって出来た子がいることなど知る由もない。
浅くなった膣も毎日体を重ねていた事によりゆっくりと変わっていったことで気付かずにいた。
そろそろ伝えなければとゼノビアは考えていた。
もう予定日は数日後である。産まれれば隠しようがない。それに……
「藤丸君、君に言っておかなきゃ行けないことがあるんだ」
「しばらく、バイトを休む事になる。その間を頼む」
急に休むと言い出したゼノビアに藤丸は驚く。今までゼノビアがバイトを休むことがなかったが故に急な休暇の理由を知りたがった。
ゼノビアはどうしようもなく雌として藤丸に堕ちている。だから、藤丸の真剣に頼まれれば断ることができない。
エプロンを外し、"休まなければいけない理由"を曝け出す。
「私は今日から産休を取る」
たくしあげたシャツから飛び出してきたのは大きく膨らんだお腹とその上に乗る柔らかそうな乳。
勿論、いきなり上司が産休とか言い出した藤丸は理解する事ができない。
だが、ゼノビアに手を取られ、触れた彼女の腹から感じる胎動がそれが現実だと彼に教える。
「ふふふ、パパに触られて喜んでるな♪」
ゼノビアの顔は母のそれだった。
全身の血の気が引いて眩暈がしてくる。
いきなり自分が父親となった事実を突きつけられた少年にできる事はない。
ゼノビアの手によって彼女のボディラインをなぞる彼の手が乳房に触れる。
軽く揉むと乳首から白い乳がこぼれ出る。
母乳。
それは妊娠した女の証。子を育てる母の証
以前揉んだことがあるゼノビアの乳と今のそれは全く違っていた。
大きい、本当に大きかった。
彼の感想はあっていた。
ゼノビアの胸は妊娠により大きくなり元々96cmとかなり大きかったものが104cmと100の大台を超えていたのだ。
「なぁ、ここで産むんでもいいんだぞ?」
そう言ってゼノビアは藤丸の下腹部をまさぐる。
彼の肉棒は見たことのないようなサイズでそそり立っていた。
ゼノビアという絶世の美女の胎に自分の子が宿っている。ゼノビアの遺伝子を自分の遺伝子が屈服させたという事実が彼をかつてない興奮の渦中に落としていた。
断る理由もない。
ゼノビアを押し倒し、四つん這いにさせる。
そうして彼女が動く前に覆い被さり、肉棒を膣に挿入する。
一突きごとに力が入る。
破水しろ、産め、ここで出産しろ。
そんな想いを込めるように奥へ奥へと挿入する。
「あ゙、゙ダ゙メ゙…゙破゙水゙ずる゙…゙…゙破゙水゙じぢゃ゙ゔ!゙本゙当゙に゙赤゙ぢゃ゙ん゙産゙ん゙じ゙ゃ゙ゔ!゙!゙」
ゼノビアの嬌声がより藤丸を興奮させる。
肉と肉のぶつかる音が倉庫に響く。
夫婦の営みですらない、獣の一方的な陵辱だ。
弱い獣は強い獣に組み伏せられ、殺される。それは人間も同じ。
一際深く突き入れ、ゼノビアを殺すような射精がゼノビアの1番奥で爆発する。
「あ゙ぁ゙!゙イ゙グ!゙イ゙グゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙!゙赤゙ぢゃ゙ん゙出゙ぢゃ゙ゔ!゙赤゙ぢゃ゙ん゙産゙ま゙れ゙ぢゃ゙ゔよ゙ぉ゙!゙」
ゼノビアの断末魔が響く。誰もいないことだけが幸いだろう。
出し尽くされ、力をなくしたゼノビアは腹を庇うように器用に横になる。
その股の間からは大量の精子がこぼれ出ていた。
結局その日は産まれなかった。
3日後に産み落とした