ウタのリクエスト

「ししし、やっと帰ってきたな！」

「ああ……迷惑かけたな。ルフィ、ナミさん、チョッパーにブルック、それから……ウタちゃ……」

「サンジーーっ！！！」ﾄﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

「あっ」

「え？」

ﾄﾞｶｰﾝ‼︎

「ぶほっ」

「おいウタ何やってんだ！サンジ耐えろ！気をしっかり持て！」

「サンジ！！サンジだーっ！！！」ｷﾞｭｳｳｳ

「う、ウタちゃん……！！そんなに押し付けられると……！！」

「ちょ、ちょっとウタ！一旦サンジ君から離れて！サンジ君死んじゃうから！」

「嫌だ！！」

「！」

「嫌って……」

「だって……やっとサンジとちゃんと会えたのに……

サンジが一味で最後だから、ずっとこうしてやりたかったんだもん……！！」

「ウタちゃん……」

「えへへ……サンジもちゃんとあったかいや……」ｼﾞﾜ

「……そうか、おれが最後だったか……

悪かったなウタちゃん、おれに会えなくて寂しかったか？」

「うん、寂しかったし悲しかったし……あんな酷いこと言うサンジなんかサンジじゃないよ！もうどこにも行かないでよ！」

「ハハ……そりゃ悪かった。みんなにもちゃんと謝らねェとな」

「サンジがおかしくなってねェ……女(ウタ)に抱き付かれてるってのに……」

「流石のサンジくんも……ねぇ？あの子、サンジくんにすっごく会いたがってたもの」

「ヨホホホホ、念願が叶って何よりです。

サンジさんが耐えられた要因はそれだけではないかもしれませんが……」

「どういうこと？」

「サンジさんは女性に対しては年齢に関係なく紳士的に振る舞いますが……

ナミさんのような麗しき女性と、幼き少女に対する態度は少し違うように思います。

今のウタさんに対する態度は、どちらかと言えば幼子に向けるそれ……

サンジさんは、ウタさんの複雑に入り組んだ内面を見抜いているのかもしれませんね」

「そっか……確かにあの子、歳だけで言えばあたしより上だけど……あんな環境でまともに感性が育つとも思えないわよね。

でも身体はしっかり大人だから……」

「なぁ、そろそろ引っ剥がした方がいいんじゃねェか？平静装ってはいるけどサンジ多分そろそろヤバいぞ」

「……ヨホホ、いえ。今は気の済むまでやらせてあげましょう。それがお互いの……」

「よし！」

「！」

「ウタちゃん、何か食いてェもんはあるか？何でも作るぜ！」

「え？えーっと……

何でもかぁ……何でも……

……ごめん、分かんないや」

「分からない？」

「私って何が好きだったっけ……

あ、そうだ！サンジ！」

「何だ？」

「サンジが作ってよ！サンジが私に食べさせたいと思うもの！」

「……ハハッ、そう来たか！よし来た、クソ美味ェの作ってやっからな！！」