ウィッチクラフトマスターのマスター

「お疲れ様です。マスター」
「うむうむ」
魔法都市エンディミオンでの仕事を終え自室に戻ってきた雇い主である少女、ウィッチクラフト・マスターヴェールの羽織る余所行き用のローブを受け取り畏まって頭を下げる男は数ヶ月前に魔女たちが営む魔法工房の町に迷い込んだ放浪者であった。
当初こそ身元不明の異性という事もあって魔女、ウィッチクラフトの面々からは一部を除いて警戒されたが、このヴェールの気まぐれのおかげで召使いとしてこき使われながらもなんとか生活が出来ていた。
魔法も使えずなんら力を持たない男をいつまでも警戒するほど彼女たちも心が狭いわけでもなく、今ではずいぶん打ち解けられたような気がする。
ローブを男に預けて身軽になったヴェールは音もなく空中から降りてきたガラス球の中に敷かれた布団にダイブする。
「あー、つっかれたぁ」
ゴロゴロと猫のように寝転がり、惰眠を貪ろうとするヴェールに男は山のような書類を指差して言う。
「ハイネさんたちから急かされてる書類が溜まってるのでそれ済ませてから休んでくださいよ」
ぱたぱた動かしていた愛らしい脚をピタリと止め、ジトリと男を見たかと思えば悪げ無しにヴェールはニッコリ笑って「やっといて」なんて口走る。
ヴェールとの付き合いも重ねてくると彼女のいいところ、悪いところが見えてくる。
ヴェールはやれば出来る子なのだが自分じゃなくても出来る事はとにかく人にやらせる傾向にある。
書類を確認し、依頼内容と仕上がった商品の効能に違いは無いか、掛かった原価の金額は許容範囲であるか、確かに誰でも時間をかければ出来る内容だが、それを最高責任者がやるからこそ意味があるのだ。
「頑張ってくださいよ、マスターなんですから」
「むー」
不貞腐れた声を上げるヴェール。エンディミオンでの仕事がよっぽど面倒だったのだろう。
しばし考えた末、「あっ」とイタズラっ子が悪だくみを思いついたような声をあげる。
「じゃあさ、またおっぱいしゃぶらせてあげるから、やっといてよ」
「うっ」
それを言われると男も強く意見が出来なくなる。
ここに来たばかりの頃は今後の不安、放浪中の過酷な環境から精神が安定しておらず、怯える子どものような有様だった事がある。
そんな男によしよしと甘やかしてくれたのがヴェールだ。
勢いで搾乳プレイまでしてしまったがそれ以来精神は落ち着きを取り戻している。
「ほらほら〜♡ママのおっぱい吸いたいでちゅか〜?」
グイ、と胸元を引っ張り、控えめに膨らむ胸元をチラ見せしてくる。
男は視線を逸らすがついチラッと目線を向けてしまう。
「スケベ♡」
バッチリヴェールと目が合ってしまった。
男はため息を吐くと、まるでやる気のないヴェールの代わりにペンを取り書類の山に向かった。
深夜、ようやくひと段落ついた男は背筋を伸ばす。
こんな事もあろうかと念の為事前に目を通しておいたおかげでこの時間で済んだ。もしそうしていなければ間違いなく朝日を拝む事になっていただろう。
「くそ、気持ち良さそうに眠りやがって」
途中までからかってきていたヴェールはいつしか寝落ちし、口の端からヨダレを垂らしてだらしなく眠っている。
こうしてみればあどけない少女であり、とても凄腕の魔女には見えない。
「やったら、しゃぶっていいって言ったよな」
寝息を立てるヴェールにムラムラしてきた男は服を脱ぎ、ヴェールの隣に寝そべる。
服をずらし、可愛らしい白いブラを捲ればそこにはピンク色の愛らしい乳首が顔を出した。
ピンと立つヴェールに似た生意気な乳首を軽く摘み、引っ張る。
小さくもしっかりとある胸が伸び、その柔らかさに生唾を飲む。
以前は幼児退行に近い状態でただ無心にしゃぶっていたが今日は違う。
「この生意気乳首にオシオキしてやる」
男はヴェールの服を起こさないよう丁寧に剥いでいく。
服の下から現れた無垢な肌は眩しく、凹凸は控えめながらもしっかりと女の身体である。
「やっぱり生えてないんだな」
足を広げて未だ純潔の秘部を軽くなぞる。毛の一本もないつるつるの肌に思わず舐めそうになるがヴェールから言質を取っているのはあくまで乳首だ。
生意気だと思いつつもヴェールをしっかり尊重する男はゆっくりと胸を揉みしだき、マシュマロの如き柔らかさときめ細かな肌を手のひらで堪能する。
全く起きる気配のないヴェールを見て男はヴェールの胸に顔を埋め、深呼吸をする。
イイ匂いだ。男はヴェールの香りに思わず息を荒げる。
どうせ目を覚ましたら乳首をしゃぶっていいなんて言ってないと誤魔化すに違いない。
いまのうちに楽しまなければ。
男はゆっくりと唾を垂らしヴェールの乳首に舌を這わせた。
とても気持ちのいい夢を見ている。
まどろみの中、ヴェールはそんな感想を抱く。
胸元が温かく、ポカポカとした感覚が全身に伝わり、ゆったりとお風呂に浸かっているような心地良さ。
ヴェールはゆっくりと目を開ける。いつの間にか眠っていたようで彼にはちょっと悪い気がした。
「んん?」
しかし、ヴェールがハッキリと目を覚ますと、そこには自分の身体、乳首にしゃぶりつく男の姿が映った。
「ちょ、なにしてんの!?」
起きあがろうとするが男が邪魔で身体を起こせず、顔だけ向けて叫ぶ。
「あ、起きちゃったか」
ちゅぱ、と口を離し男が呟く。乳首の周りは唾でベトベトになっており、その臭いがヴェールにまで届く。
「あんたね、何勝手にー」
「マスターが書類を片付けたらしゃぶっていいって仰ってくださったんじゃないですよ」
まるで怯まない男にう、とヴェールは言い淀む。
確かに寝る前に口にした言葉だが、本気でさせるつもりはなかったのだ。
「それに、マスターも悦んでくれてるじゃないですか」
「ナニ言ってー? んひっ!?」
男の指がヴェールの小さな乳首をこねる。
ビクンと身体が反応し、ヴェールは思わず声を上げる。
「な、な、なに?」
「あ、やっぱり気持ちいいんですね」
男がゆっくりと秘部に触れる。ぬちょりという水音がヴェールにも聞こえ、触れたところがビリビリする。
「見てください、こんなに濡らしているんですよ」
男がどき、ヴェールの身体を起こす。
「ぅ、ぁあ」
ヴェールが見たのはまるでオネショしたかのようなシーツの濡れた跡。そして絶え間なく溢れる愛液だ。
自分でシてもここまで濡れた事などない。
男は身体の異常に戸惑うヴェールの乳首を優しくこねる、それだけでヴェールは身体をくねらせる。
「んんっ!?ふぅっ!んあぁっ!!」
くりくりくりと優しい愛撫にヴェールはパチパチと視界がハジける。
「あ、あんたいつからイジって、くぅひぃ!」
両方の乳首を同時につねられ、腰が浮く。
愛液ではない汁がぷしゅっ、と漏れる。
それを悟られぬよう股を閉じるヴェールの耳に男の返答が届く。
「んー1時間くらいですかね?」
絶対嘘だ。ヴェールは男のとぼけた声に苛立つも乳首を撫でられただけで思考にノイズが入り、身体をくの字に折り強すぎる快感から逃れようとする。
しかし魔法が使えなければその肉体の力は◯歳レベル。がっちりと男に抑えられれば逃れる術はない。
「じゃあマスターも起きちゃった事だしラストスパートと行きますね」
「ま、まだやる気?んお"っ♡ぎぃっぁあ"っ♡ぁ"ん"っ♡あ"っ♡いぐっ!ちぐびでいぐぅっ♡」
片方の乳首をしゃぶりもう片方の乳首は男の指によって徹底的に凌辱される。
もはや隠しようもないぐらいにヴェールの秘部からは本気汁と共に潮を吹き、シーツはぐっしょりと濡れる。
「ははっ、すごいイッてますね。おしっこ漏らしちゃダメですよ」
「こにょぉ、バカにしてぇっ、え"っ♡んひぃっ♡」
もはやそこからヴェールが逆転する事はなく、ただひたすら乳首責めに耐え、朝が来るのを祈るしかない。
「んぉ……」
じょろ、じょぼぼぼぼぼ♡
ついには水を吸いきれなくなったシーツの上でお漏らしをし、黄金水の水たまりが出来上がる音を聞きながらヴェールはぐったりと男に寄りかかる。
ようやく息を落ち着かせ、ヴェールは男に文句を言おうと睨みつける、しかし
「アンタよくもーーきゃひっ!?」
ヴェールが口を開いくたびにツンツンとボタンを押すように乳首を押し込まれ、ヴェールは膝から崩れ落ちる。
「すっかり乳首開発が出来ちゃいましたね」
「なにが開発よーんほぉっ♡」
「ほら、ちょっと触られただけでイク立派なマゾ乳首だよヴェール」
男の呼び捨てに見下されていると悟ったヴェール。
しかし反論する度に乳首をこねられ、その度に嬌声を上げてしまう。
「このままじゃ正気に戻った時が怖いから徹底的に躾けておこうかな、ヴェールも乳首イジめられて嬉しいでしょ?」
「ヒッ」
大人しく引き下がれば一夜の過ちで済んだ筈がムキになって反論しようとした事で男のスイッチを入れてしまったヴェール。
部屋に引きこもってサボるのが当たり前の彼女が数日ほど顔を見せなくても、他のウィッチクラフトたちが気にしなかったのはヴェールの自業自得であった。
「もう、ヴェールさんったら」
「ごめんごめん」
黒い衣服を着たウィッチクラフトの一人、ハイネがウィッチクラフトマスターの執務室にて、いつものようにサボろうと席を立つヴェールを引き止める。
そこに眼鏡をかけたウィッチクラフトの一人、ジェニーが召使いの男を連れてやってきた。
それを見て微細な変化がヴェールの身に起こるがハイネたちは気づかない。
「ほらキミからも言ってやってくださいよ」
「まったくマスター、みなさんを困らせてはいけませんよ」
召使いの男がヴェールを嗜める。ハイネたちからすればいつしか当たり前になった光景だ。
そこからさらに一悶着するのもいつも通りの日常である。
「もー、わかったわかった」
しかし、あっさりとヴェールが仕事に手をつけようとした事でハイネたちは目を丸くする。
「あらー?やけに素直ですねぇ」
「べっつにー?」
邪推するジェニーをしっしと追い払い、ハイネ共々執務室から退室させるヴェール。
「……っ」
ガチャリと男が鍵が掛かる音と共に、ヴェールは席を立つ。
そして床に額をつけて深々と頭を下げた。
「お手数をおかけしてしまい、申し訳ございません」
「全く、しょうがない人ですね」
男はヴェールに代わってウィッチクラフトマスターが座る椅子に腰掛け、ペンを手に取る。
ヴェールは一枚一枚丁寧に服を脱いでその無垢な身体を晒す。
ただ一点、乳首だけが淫らなメスにふさわしい大きさに育っている。
あれから数ヶ月、ヴェールは事あるごとに男に乳首を弄ばれた。一度は追い出そうとも考えたが乳首が擦れる度にその気持ち良さを思い出し、そのまま側に侍らせた。
そしてある日を境に、二人の関係は一変した。
裸になったヴェールは椅子に座る男の元まで四つん這いで歩み寄ると丁寧にその靴を脱がせる。
はむ、と口で足袋を咥えるとゆっくりと引っ張って素足を晒させる。
「んっ♡んちゅ、じゅる♡」
その小さく短い舌で男の足を綺麗に舐める。汗臭さなど気にせず、ベトベトになるまで綺麗に舐めると机の下に寝そべる。
「準備できました、マスター♡」
仰向けになってハッハッハッ、と発情した犬のように息を荒げるとマスターであるヴェールは自分のマスターに報告する。
男は書類を進めながら、素足になった足の指でヴェールの乳首を踏みつける。
「ふにゃっ♡」
それだけで、ヴェールは甘イキしてしまう。
無造作に、しかししっかりとヴェールの感じるところを足で責める男に対し、ヴェールは声が邪魔にならないよう脱がせた男の足袋を咥えて悶える。
足を広げて、くちゅくちゅと両手で処女膜を破らないよう秘部を愛撫し、絨毯に愛液の染みを作っていく。
ある日を境に、ヴェールと男は二人きりの時だけマスターの立場を入れ替えているのだ。
ただ本当ならヴェールはマスターの立場を放棄し、メス犬になりたかった。
男に処女を捧げ、子種を貰って孕みたかった。
想像つく範囲であらゆる淫行を男とシたかった。
男を誘惑するためならどんな下品な下着もはいたし引かれるような淫語を口にして男を求めた。
しかしそれを男は許さなかった。
男は自分を救ってくれたヴェールを、ウィッチクラフトのみんなを愛している。
この魔法工房が成り立つ根底にはヴェールの存在は欠かせない。彼女を失えば、近くエンディミオンやラメイソンからの圧が強まる。
そうなれば平和な日常が失われるかもしれない。
男はグッと堪えてヴェールの誘惑を断った。メスに目覚めさせたが堕ちて欲しいわけではないのだ。
乳首だけでこの有様なら、セックスなんてしたらもう皆の前でマスターとして振る舞う事も難しいのは容易に想像ついた。
それまでは、この二人だけの時に限った乳首責めによる主従逆転プレイがヴェールがマスターである自覚を持ち続ける事が出来る限界点だ。
ヴェールが真にメス堕ちし、孕むのはきっと、マスター代理が生まれる日になるだろう。
いつかくるその日を夢見るヴェールは今日も乳首責めで無様に潮を噴きながら、机の裏に染みを作るのだった。
ハッピーエンド