〇〇インク・後
ブクブクブク…バシャン!!
「……っぷはっ!水ってこんなに気持ちよかったんだね!!」
「ふふっ…そうね……」
インクリング達は"水に浸かる"事が出来るようになったのである。
そしてヒトの姿で泳ぐ事や温泉に浸かるという新たな体験が味わえるようになり、おかげでマヒマヒリゾートやクサヤ温泉は連日イカ達で大繁盛、という経済効果も出していた。
走れる、水を泳げる、インクが白いという特徴から軟体動物で無くなる、つまり骨が出来るという例えから誰が言い出したかこのインクは"ホネインク"と呼ばれ、イカ達に親しまれ、生活の一部に溶け込む様になった。
しかし、イカ達は知らなかった
(ボーイくんの事は気になってたから今も胸がドキドキしてる、だけどなんでだろう…)
(このインクで変身してると…)
(お腹の下が切ない…)
ーこのインクの正式な名前はホネインクではなく"ヒトインク"で、とある"ニンゲン"による人類再興計画の産物という事をー
そしてしばらく後……
"ホネインク"による“思わぬ弊害"の結果、インクリングやオクトリング達による未曾有のベビーブーム、それに伴う"人"口爆発、更には海面上昇の進行など大きな問題が発生し、そして"ニンゲン"と秩序達の利害の一致で"産まれた"橙、黒、白、それぞれ特徴的な色の
"混血"
のイカ達が産まれ、ますます混沌とした世界の秩序をなんとかする為のリーダーとして動き始めるのだが、それはまた別の話。