イサムとトコナ、決戦後

イサムとトコナ、決戦後

冒険家

1

【イサムはトコナに勝利した…】

勝った…

「なぜ、この私が…神の僕たるこの私が…こんな男ごときにぃーー!!うああーーっ!」


【トコナはイサムの方に突っ込み、押し倒して馬乗りになった】


トコナ…

「黙れ屑!死ね!死ね!死ね!死ねぇぇーっ!」

【トコナはイサムを殴りつける】


トコナ…止めろ…

「うるさい!」

【構わずトコナは殴りつけるが、段々と息が上がり殴る気力がなくなってしまった】


2

…気はすんだかよ。いってーなマジで

お前にこんな殴られるなんて…昔は思ってもみなかったな

「黙れ…馴れ馴れしい口をきくな…ッ

私はアルセウス様の僕…あなたなんかなんの関わりもない…」


んなわけねーだろ…

【イサムは上半身を起こす。トコナは怯えたようにのけぞる】

「…ッ、何なのですかあなたは!」


…俺はイサム。夢は冒険家。そんでもって…お前の友達だ

「……!」


3

トコナ…思い出してくれ。昔の…お前の心を。俺と友達だった頃を

「ち…違う。私は…神の、アルセウス様のーーー」


何度でも言ってやる…!

トコナ、お前は俺の友達だ!俺の夢を認めてくれた大切な友達なんだ!神の僕なんかじゃないんだ!

【イサムがトコナの両手を掴む】


「私はーーーそうだ、前にも、こんな風に手を掴まれたんだ。あの時、私は信じるって言って、それで喜んでくれた、イサムがーーーイサム?」


…そうだ。お前が俺の夢を信じてくれて、俺は嬉しかった…!

「イサム…イサム、イサム!」

【トコナはイサムに抱きついて涙を流す。イサムはそれを受け止めた】


…やっとか。こいつめ


4

「わたし、わたし…ひどいことを…ひどいことをたくさんしてしまったの。村の人たちや、このヒスイの人達…あなたにも」


「そして…おとうさま…おとうさまを殺してしまった」

「わたし…わたし…」


…お前のせいじゃない。お前にそんなことをさせたのは…お前の親父と、それを認めてた村のみんなと…そして、俺だ。

俺があの時、お前を助け出せていたら…

だから、お前ばかりが罪を感じることはないんだ


「でも…つみを重ねたのはまぎれもない、わたし自身なの…」

…お前は優しいから、自分を許せないだろな

だから…その罪悪感を俺も背負ってやる

お前の罪は…俺の罪でも、あるから


「…そんなことない」

お前がそんなこと言っても…おれは背負っちゃうもんね

「…勝手なんだから」

それが俺だから、な

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