イけ!バレンタイン・デー!

イけ!バレンタイン・デー!



※宿儺Pが小僧に甘い

※小僧が抜かれるだけ

※無様度低め、糖度高め

※即席クオリティ



「ん?」


寮の自室に帰って来た虎杖悠仁は、今朝部屋を出た時とは明らかに異なるその部屋の様子に足を止めた。

―――机の上に何かある。どうやらそれは箱のようだが全く身に覚えはない。自分で置いた記憶も勿論ない。恐る恐る近づいて箱を手に取ってみる。


「え…」


 "虎杖くんへ" と書かれたカードが添えられた、小さな可愛らしい包み。怪訝に思いながらも破かないよう包装紙を丁寧に剥がし、箱の蓋を開けてみると中には小ぶりのハート型のチョコレートが6つ並んでいた。


「…マジか…誰だろ…」


今日がバレンタインデーであることは知っていたものの別段気に留めずに過ごしていたこともあって、急なイベント感に内心ドキドキしながら考えるが全く心当たりはない。

この時点で部屋の外ならともかく中にそれが置いてあることの異様さを突き詰めるまともな思考は、『(おそらく)異性からの本命チョコレート(らしきもの)』を貰ったという甘美な感動でほぼ抜けており、なんとなくいい香りのする小花柄の包装紙と添えられたカードの綺麗な字体から勝手に大人しそうな可愛らしい女子を連想し、年頃の男子高校生らしく気持ちはすっかり浮ついていた。

しかしすぐに『一体誰が?』という疑問に立ち返り、ひとまず冷静になる。


(うーん………釘崎…はこんなことするタイプじゃねーよな…てかアイツからはもう伏黒と貰ったしな…チロルチョコ)


『義理だから』と冷めた顔で念を押され渡されたチロルチョコは貰ったあと早々に食べてしまったが、やはりどう考えても釘崎だとは考え難い。

顎に手をあて思考を巡らせる最中、視線の先から漂う甘い香りに誘われてひとまずチョコを一つ口に入れてみる。甘さの中にちょっとビターな苦み、洋酒の香りもほのかに感じるとても好みの味で、疲れていたこともあって手は止まらず気がついた頃にはあと1つを残すのみとなっていた。


「うわ、結構食べちゃったな…もったいね…」


あーあ、と肩を落とす虎杖の頬がぐぱっと裂け、目と口だけ現した宿儺が笑う。


「ケヒ、良かったなぁ小僧?美味かったか?」


「あ?なんだよ、お前に関係ねーだろ。ほっとけよ」


冷めた口ぶりでハァ、とため息をつき箱の蓋を閉じる虎杖に上機嫌の宿儺がさらりと告げる。


「オマエが今食った菓子は俺が置いたものだ」


「……は!?」


先ほどまでの甘い予感に弾んでいた気持ちが一瞬で砕け散る。


「オマエが朝方部屋を出た直後にな。…まぁ例によって覚えてはおらんだろうが」


「なっ…お前また勝手に…!」


「最近新しい呪術を習得してな。簡単なまじないみたいなモノだが試す価値はある。ただし、契闊中に俺がこの身体に無理矢理食わせても効果は発揮されん。あくまでオマエ自らが口にしなければその呪いは効果を発揮出来んのだ。それ故、オマエ自身が口に運ぶ機を待っておったのよ。ただ、一つ一つに相当な量の呪いを込めたソレを一気に半分以上食うとは……さすがの俺も予想外だったが」


「まじない…?一気に…って、どういうことだ…お前、今のチョコん中に何か…っ」


「なに、一寸した遊びだ。少しばかり身体が熱を帯び……強制的に発情させられるというだけの、な。オマエの身体にはもはや毒や薬の類は効かんし、習得するのには大分骨が折れたぞ?…くっくっ…それにしても置いてあるモノを疑いもなく口にするとは無防備過ぎる。つくづく阿呆だな、オマエは」


「なッ……!?」


"強制的に発情させる" ―――その言葉を耳にした瞬間にゾクリと背中にいやな汗が伝う。気の所為かもしれないが、こころなしか先ほどから身体が熱っぽく、呼吸も浅い気がする。


「……っはぁ………はぁ…っ…」


「なんだ、もう効いてきたのか?一気に食うからだ、阿呆め。自業自得だ。ケヒッ」


ニヤニヤと厭らしく笑う宿儺に嫌な予感が増していく。


(コイツ…まさか…『自分がチョコに呪いを込めた』ことを自分でバラすという縛りにより催淫効果を底上げしてんじゃ……?)


頓痴気な発想を斜めに自己解釈しながら既に興奮に支配されつつある頭を必死に動かす。自分でも最早何がどうなっているのかさっぱりわからない。ただわかっているのは

自分は置いてあったチョコを食べて―――そしてそれには呪いが―――


「なっ…はぁ…♡はっ…はぁっ…♡…ウソだろ♡な、……なんだ…コレ…♡」


「ケヒ…♡身体が熱いか?小僧…♡ほら、邪魔なものはさっさと脱いで仕舞え♡」


頬から愉しそうに指示する宿儺の言葉がやたらと甘ったるく頭に響く。


「……脱ぐ…?あぁ……♡そっか…♡おれ…♡脱がなきゃ……♡」


「あぁそうだ♡全て脱げ…ケヒッ♡……おぉ、もう魔羅が半勃ちではないか♡ほれ、さっさと握れ♡少し手伝ってやる♡」


言われるがままに全裸になり、己の竿を握った虎杖の右手の手のひらにぐぱぁっと宿儺の口が開く。そのまま側面の筋をつぅとなぞるように舐められ、身体がビクンと跳ねた。


「っっ〜〜!!♡♡♡♡」


「ケヒ…♡悦いか小僧♡」


そのまま緩く手で扱くとじゅるじゅると竿の側面を舌が這い回る。時折軽く歯を立てられる度にその甘い痛みと恐怖に身体が跳ね、裏スジのあたりをちろちろとねちっこく舌先で弄られれば強烈な射精感がこみ上げてくる。


「ほぉ…っ♡♡す…っ♡すく、な…っ♡♡♡っも、無理…ぃ♡♡イグ♡♡♡イっぢゃう゛っ…!♡♡♡」


「こら、まだ駄目だ♡小僧…♡勝手にイくなよ?♡我慢しろ♡…まだだ♡まだまだ…♡」


半泣きの虎杖をあやすように嗜めながら、頬から伸びる舌が流れ落ちてくる涙を舐めとる。

 今度は空いていた左手にぐぱりと口を出現させ、油断しきっていた虎杖の首元へ噛みついた。


「っい…!♡♡♡」


「ケヒ♡油断したな小僧…♡気を抜くなよ…♡まだイくな…♡俺をもっと愉しませろ♡」


虎杖の意思に反して動かされてゆく手は首元から鎖骨までゆっくりと舌を這わせながら降りていき、胸元まで辿りつく。そのまま不意に乳首を舐られ、虎杖の口から情けない声が飛び出す。


「ひゅっ…!?♡♡ぉほっ♡♡ま、まっへ…♡♡やば……いまちくびだめっ♡♡」


「おい…小僧♡悦がるのは構わんが魔羅を扱く手が止まっているぞ?♡休むな♡王の命令だ♡休まず扱け♡」


「っっ…♡♡ふーっ♡♡ふーっ♡♡ぅうっ♡♡う゛〜〜っ♡♡♡」


愉悦の中に重い圧を感じる声に慌てて止めていた右手を動かし始めるが、相変わらず左手の舌は乳首を執拗に虐めてくる。最近雌のように主張し始めてきたピンク色のその突起を、宿儺は時折意地悪く甘咬みしたかと思えば、次には優しく舌全体で舐めあげてくる。乳輪をじっくり嬲るように舐めたあとにきつく乳頭を吸われ、昂った頂にまた歯を立てられ―――。強すぎる快感に頭の中が真っ白になって、次から次へと押し寄せてくる快楽の波に、虎杖はただ身を任せ、受け入れる事しか出来ないでいた。


「っふ♡ふーッ♡ふーッ♡…う゛ぅっぐ♡す、宿儺っ♡宿儺ぁ♡♡も…っ♡♡イきたいっ♡♡イかせて…っ♡♡おれ、も…っ…あたまっ♡♡ヘン、なるからぁ…っ♡♡おね、がい…っ♡♡♡すくなぁ…っ♡♡♡」


己の言葉に素直に従い、涙目に紅潮した頬で一生懸命に自身の魔羅を扱き、無様に懇願してくる器の姿に大層満足したのか、笑みを浮かべて眺めていた頬の宿儺が虎杖の目を見つめながらそっと囁いた。


「よし…♡いい子だ小僧♡…イけ♡」


その初めて聞くような優しく低い声色に、積み上げた快楽の堤防が一気に決壊し、虎杖の脳内に快楽物質がどばぁっと止め処なく放出される。

扱いていたちんぽからはびしゃびしゃと濃い白濁と潮が混ざったエロ汁がぶち撒けられ、だらしのないアヘ顔を晒し、瞳孔にはすっかりハートマークが浮かんでいた。


「くっくっ…♡また随分と下品なイキ様だなァ?小僧♡そんなに悦かったか?俺の声は…♡」


「っ…は♡♡♡…な…んらよ…♡♡♡しょれぇ…♡♡も…っ♡もとはと…言えば…♡♡♡お前がおれに…ヘンなもん…食わせて……♡♡」


本気イキ後の余韻でフワフワとした頭のままで、そもそもの事の発端を思い出す。


「あぁアレか、アレは嘘だ」


「…へ♡♡……………は?」


「オマエが食ったアレはただの菓子だ、相手を発情させる呪術などあるわけないだろうが。阿呆め」


ケヒケヒと目を細めて笑う宿儺に、困惑と怒りで段々と余韻が抜けてきた。


「……へ?じゃあ、なんで俺こんなんなったん…?おかしくね…?」


「それはただオマエの身体が俺の教育を受け "そういう" ふうに成ってきているだけだろう。俺の努力の賜物といったところだな」


「は?……なんそれ……じゃあ身体が…熱くなったのとかは…」


「オマエの思い込みだな。やはりオマエは "素質アリ" だ。俺が見込んだだけのことはある…ケヒッ♡」




虎杖は全裸のまま自分の出したモノでびしょびしょになった床を拭きながら泣きじゃくった。

男としての喜び、尊厳―――そんなものをいっぺんに失ってしまったような気がして、涙が止まらなかった。

呪いの王はその無様なさまをオカズに生得領域で一人第2ラウンドシコを始めた。最低である。


こんな苦いバレンタインあるかよ。





おしまい




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