アン、海賊流の軽いセクハラ
「はあっ……!」
いきなり見てしまった二人目の身内の裸。たゆたうピンクの先っぽや髪と同じ橙色の原っぱを目に焼き付けてしまったマシュは、顔を真っ赤にして口をあんぐりと開け、放心してしまう。
「はえ…?」
立香も同じく、いきなり服が消え、入って間もない組織の人間に肌を晒すという仕打ちに思考が停止してしまっていた。
思考がショートしてスローモーションになった視界の中でしばらく。奇異の目に晒されている事に気づいた立香は、隠れる場所もない空中で必死の思いで局部を隠した。
「───ッッ!?!なんで!?なんでなんでなんでぇ!!?なんで私の服無くなっちゃったの〜!?」
あまりの羞恥に目元へ涙を貯め、イヤイヤと身をよじる立香。
しかしその動作はかえって豊かな身体を強調し、チラリズムで見える乳頭や草原が欲求に火を付ける煽りを思わせた。
そこにふと、波の音を思わせる葉擦れの音が黒煙の雲の中から聞こえた。
「──うぇ…?」
「あっ、え…?先輩の頭上から、桜…?」
その正体は先程吹き飛んでいった桜の花びらだった。無数の花びらは蜂の群れのように固まって立香の元へと集まると、立香の肌に纏わりつき、先程の袴衣装をジワジワと形作っていく。
「ま、まさか…。先輩のこの服は花びらで構成されてるのでしょうか…?」
「えええ!?こんな服いやぁ!元に戻してぇえぇ!!」
何でこんなふざけたものが召喚されるのか。立香はあまりの座への怒りから泣き喚くも、その声は虚しく空に消えていった。
そして立香はハッと気づく。先程かけられたアンにかけられた言葉の意味を。
──んもうっ、そんなハレンチな格好をしてるから、触ってほしいのかと勘違いしちゃいましたわ──
「待てよ?まさかハレンチって…!! ひいっ!?」
あの言葉の意味を悟り、わなわなと羞恥に震える立香。しかしその羞恥は不意に突っ込んできた何者かに遮られ、下半身を支点に仰け反ってしまう。
衝撃を受けた立香が真後ろを、──尻のあたりを見下ろすと、そこではアンが尻の谷間に埋まっていた。
袴を構成していた花びらは吹き散らされるように飛び散り、丸見えになったお尻とあそこにアンに密着しているのが丸見えになってしまっている。
(やっぱこれ──、払われたら服の意味ないじゃん!)
埃を払う程度の動作で自分の秘所が顕わになる。こんな儚い服で外を出歩ける訳が無い。
「な、何してるの!?」
「何って、どこかへ飛んでいきそうでしたから、私が捕まえてるんですのよ?」
「いやっ、あの風で吹き飛ばなかったし大丈夫だって…ッ!!」
敏感になった立香の身体は、高速で開閉するまつ毛が尻をこそばい、笑顔の表情による動きすら敏感に捉えてしまう。
「それにしても…、ん〜♡柔らかスベスベもちもち〜!これこそ本当のスキンヒップですわ〜♡」
「ひっ!?」
そこに更に頬ずり。そのたびに立香の尻たぶが上下する。アンの長いまつげや錦糸のような金髪、負けず劣らず柔らかい頬がなぞり上げる感触に臀部が小刻みに震える。
「やあっ…!♡そこ…、汚いっ…!からぁ!」
「ん〜っ、そんな事ありませんわっ!お日様と蒸したお芋の匂い…。私は好みでしてよ♡スゥ〜……」
「ひぁああああっ!?♡♡!!♡」
(ウ、嘘…!お尻の匂い、嗅がれて…!だめ、ダメ…!お腹…!どんどんアツくなって──!!)
お尻に顔を埋めたまま匂いすら楽しむアン。
少女としての尊厳を踏みにじる変態行為に、みるみる膨れ上がる下腹部の熱が意識を朦朧とさせる。
「フーっ♡フーっ♡フーっ…!!♡」
初めて与えられる愛撫に抵抗できず、股を抑えてブルブルと震える立香。
浮遊しているために踏ん張って耐える事もできず、爆発寸前の快感がそのまま体の中だけを暴れまわっている。
少し視点を下げると、頭まで浮き上がった股の間から、雫がまぶされた長い糸がコンクリートの地面までツウッ…、と一本線になって垂れていた。
(私ならメアリーに見せつけながら弄ってしまうほどの興奮ぶり…。もしやこの娘、大人の遊びを知らない…? フフフ、遊び甲斐のある獲物を見つけちゃいましたわ♡)
ハリのある尻の谷間の奥で、舌なめずりをして雌豹の目つきになるアン。そんな相方の獣性を知り尽くしているメアリーは、首輪をつけるように諌めた。
「もうそこまでにしなよー?アーン」
「んもうっ、ここからでしたのに」
やっと離れた立香の尻とアンの唇の間に一糸の橋が掛けられていたが、メアリーは見ないフリをして、顔を真っ赤にして目を見開いているマシュに傅いた。
「改めまして。僕の名前はメアリー・リード。彼女の名はアンだ。どうやら僕たちは全盛期より少し前の、真っ盛りな年齢で召還されたようでね…。繋がりを見る感じ君がマスターみたいだし、これからよろしくね」