アリスって何ですか?

アリスって何ですか?


「アリスはアルバイトします!」

偶にはユウカやウタハなどお世話になっている人達にお礼をしたいと思ったアリス。ユウカやウタハから人名使用料や慰謝料という形でお金が振り込まれていたのだが、使いすぎていたので足りない。そこでアリスはアルバイトをして稼ごうと街へと出た。密かにプレゼントを渡してみんなの好感度を上昇させましょう!


「フンフフフフーン♪何のアルバイトがいいですかね?」

何かいいバイト先がないか散策しながら歩いてたアリス。そこに銃弾が飛んでくる。見ると不良生徒が襲って来たようだ

「むっ!アリスに何か用ですか?」

「なっ!?無防備だからと思ったらコイツヘイロー持ちの『アリス』か!?」

「…あなたは妹達を狙う悪い人なんですね!ならば容赦しません!光よ!」

「うぎゃああああ!!」



とあるバイト先の店前


「全く!ミレニアムにもあんなのが出現するなんて他のところは大丈夫ですかね?

……あっ、すみません!このお店で臨時で働きたいです!」

「……んっ?嬢ちゃん『アリス』かい?」

「はいっ!アリスはアリスです!」

「悪いけどウチは『アリス』は雇ってないんだよ。他の所に行ってくれないか?」

「えっ?あ、ごめんなさい…」


別の場所

「悪いが帰ってくれ。ウチは『アリス』に職を奪われた人を雇うんだ」


「ごめんねぇ。新しい『アリス』を雇う余裕はなくて…」


「『アリス』が寄るな!」

………



とある店


「君がウチで働きたい『アリス』だね。歓迎するよ。ウチはキヴォトスからアリスを守る会と違って『アリス』を公平に見ているからね」

「! はいっ!」 ホッ

(少し遠出ですが何とか見つかってよかったです)

「じゃあ早速と言いたいけど、マスター証明書を見せてくれないかな?」

「………マスター証明書?」

「えっ、無いのかい?それは困るなぁ。『アリス』同士は識別出来るというけど私たちはわからないからね。君が誰に買われているのかちゃんと保証してくれてる物がないと。最近は悪い『アリス』もいるみたいだし」

「あっ、アリスは悪い子ではないですし、マスターもいません!」

「流石に野良を雇うのは…」

「違います!アリスはちゃんと生徒です!ほら!学生証です!」

「あれ?本当だね。量産型『アリス』を学園に通わせるなんて奇特なマスターだなぁ。…うん?ミレニアム学園?このゲーム開発部ってところが所有してるのかな?……ああ!それとも保護財団の子かな?だったらユウカ代表に確認を取れば…」

「!! いいです!別のところに行きます!」

「あっ!ちょっと!」



「……何でですか?アリスはアリスです。…マスターとかいません。…アリスは勇者で、モモイも、ミドリも、ユズも、みんな大事な仲間で…」

ふと思う。妹達が出来たのは嬉しかった。彼女達が道具としてボロボロにされた姿は悲しかった。それからみんなが『アリス』に人権を持たせようと努力していて……そういえばユウカは以前ほど会っていないな。会えば構ってくれるだろう。ただ、最近は保護財団や他の事で忙しい。それに保護財団にはユウカが買った妹達だけでなく居場所のない子達もいるのだ。そう時間はとれない。チビネル先輩も5号と一緒にいることが多い。少し胸が痛くなった


「アリスー!」

「!」

誰かが呼んでる。その声に振り返ると

「すみませんマスター!少し遅れましたが買い物を行うという任務を達成しました!」

「気にしなくていいの!じゃあ帰ろっか」

「はい!」


仲良く帰っていく2人を見る。あの人にとっての『アリス』とはあの子の事だろう

キヴォトスでは『アリス』が広まった。各家庭に『アリス』がいて、それなら…アリスは?

嫌な考えを振り払うように頭を振る。

先程の『アリス』を連れてた人を見たらわかる事だ。あの人にとって大事な、特別な『アリス』はあの子だ。アリスにもアリスの事を特別に見てくれる人達がいるのだ。そう思うと元気になる。そうして踏み出して

『ゲーム開発部ってところが所有しているのかな?』





アリスはゲーム開発部の『アリス』ですか?




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