アメリア 2-2
「そ、そろそろ行かないと! 行きましょうアメリアさん!」
宣言して離れようとしたが。
「だめ、離さない。いいえ違うわ。
もっともっと近づきましょうか……」
失敗。彼女の碧眼は完全に燃え上がっていた。
その炎は昨晩に見た、あの。
「んっ♡」
──────────っ!
昨晩のことを思い浮かべたその瞬間、その答え合わせをするように。
アメリアさんの唇が吸い付いてくる。
だがそれは間違いだ。昨日と決定的に違うこと。
唇を徹底的に求めあったキスとは違う。
つい半開きとなった口から侵入した舌が、触手のように口内を撫で回す!
「れろっ♡ ちゅっ ……じゅぶっ♡ にゅぷっ♡
……んっ♡ ちゅっちゅ♡ ちゅっ、れろっ♡
はぁ……んんんっ♡」
「んっ…ふぁっ……♡ あ、あぁぁ……、
──────、────────────」
嬌声すら逃さないと、唇が密着する。
呼吸を忘れさせるほどの暴力的な快楽が。
普通のキスだって、あんなにすごかったのに……!
「んっ…ぷはぁっ! はぁっはぁっ……!」
一体何分、キスして……いや、息を止めていたのか。
汗だくになりながら混乱する思考を整えようと。
だけど。それでもアメリアさんにはまだ余裕があって。
いつのまに留具を外したのか、この一瞬の間で装束を脱いだ。
「えっ? う、うわ……」
昨晩の風呂あがりの裸も美しかった。けれど。
陽光を浴びて、肌のツヤ、汗の光沢がとてもキレイで。
でもそれが間近すぎませんかねと、飛び去ろうとするもやっぱり駄目で。
「や、アメリアさん! まっ、んっ♡」
彼女は薄目を開け、深いキスを繰り返しながらも先へ、先へと誘ってくる。
手を取られ、それを乳房に引き寄せられた。
……やわらかい。
抱き合った時の感触よりもなお柔く、指が乳房に吸い付くよう。
自身の意思で触っているのか、
アメリアさんの身体がそうさせているのか、もうわからない。
わからないまま。
「ふーっ……ミコトくん」
「……アメリア、さん。……!!?」
「もう駄目よ。もう絶対逃さないから。離さないから。ふふっ」
するりと。衣服を剥がされる。
えっ。
「……さっきの。……魔物の子に、脱がされかかっていたの。
……もう見てられない。もう待ってられない。
私が。ミコトくんを……!」
「アメリアさん、あ、危ないっ!」
密着した状態からなお押し込んでくるアメリアさんを止めようとするも叶わず、背中から地面に倒される。
せめて彼女に怪我のないように。