アニマルセラピーと論外のひと

アニマルセラピーと論外のひと


マシュ「あの!………すみません。ちょっとよろしいでしょうか?」

プリヨダナに抱えられているラフティー「(最初の少し大きな声でびくってした。)………なんだ?」

フォウを抱えるマシュ「ガルダさんも大分大きくなりましたし、フォウさんに触れてみませんか・・・?」

マシュの腕の中で右前足を挙げるフォウ(特別意訳)「フォーウ。(はじめまして)」

プリヨダナ「レイシフトに付いてくることとかあるみたいだものね。確かに慣れておいた方が良いかしら。」

マシュ「近づいても宜しいでしょうか」

ラフティー「う、うむ。」

プリヨダナ「セイバーの光の神子の相方より少し小さいかしら……?」

腕を伸ばしてフォウを差し出すマシュ「ラフティーさん、どうぞ。」

じっとラフティーを見つめて首を傾げるフォウ(特別意訳)「フォウ。(撫でていいよ)」

おずおず腕を伸ばすラフティー「…………。」

撫でやすいようにするためかペソっと耳を倒してイカミミにするフォウ「…………。」

ピタッと直前で手が止まるラフティー「…………。」

心の中で声援を送るマシュ(後少し……。後少しです、ラフティーさん!)

そっとフォウの頭の上に手を乗せるラフティー「……………。」

小声で鳴くフォウ(特別意訳)「フォーウ。(もっと強く撫でても大丈夫だよ)」

成り行きを静かに見てるプリヨダナ(ビースト候補だったってのが不思議なくらい人馴れしてるわね。)

フォウの毛並みをゆっくり撫でるラフティー「……。がるだもそうだったが、ゆびどおりが、よいのだな」

心なしか自慢気な顔をしているように見える小声のフォウ(特別意訳)「フォウ、フォーウ。(そうでしょう、そうでしょう。)」

ドヤ顔のマシュ「勿論です。フォウさんの毛並みは私が丹念に梳いておりますので。」

こてっと首を傾げるラフティー「すく………?」

マシュ「現代には沢山の動物用の櫛があるんですよ。鳥用として扱える物もありますし、ガルダさんも毛並みを整えられたら喜ばれるのでは無いでしょうか?」

目線が揺らぎ、手をフォウの頭から離すラフティー「………だ、が……。もって、いても・・・・。」

首を傾げる小声のフォウ(特別意訳)「フォーウ……?(もう撫でなくていいの?)」

伸ばしていた手を戻してフォウを抱え直し、めげずに声をかけるマシュ「良いものは結構お値段が高いですし、サンタさんのプレゼントとして要望してみたらどうてしょうか?」

プリヨダナの顔を見上げるラフティー「………。さんたさん…………?」

プリヨダナ「…………(情報を確認している)。東ローマ帝国で実際に子供に何かをあげた人が居たみたい。今では【子供にプレゼンを送る人の概念】みたいなものとして広まっているみたいね。実際、現代にはサンタになるための学校や試験があるらしいわ。」

マシュ「はい。世界中の良い子たちにプレゼントを配ることの出来る、凄い方です。」

フォウ(特別意訳)「フォウ、ベーコン、フォーウ。(新所長が焼くベーコンが美味しいから、高級な美味しいお肉が欲しいなぁ……)」

ラフティー「…………。わしさま、よいこでは、ないぞ……?おとなでも、あるしなぁ……。」

叫びそうになるのを耐えたマシュ「!!?………か、カルデアでは年齢とか関係なく、誰であってもプレゼントを貰うことが出来ます。………それにカルナさんが楽しみにしているんです。」

きゅっと手を握りしめるラフティー「……………。かるなが………?」

プリヨダナ「そういえば、この前彼が『サンタにはローダワークが必須だ』とか『最適なプレゼントを施すために!』とか話して走っているのを遠くから見たけど、あれってそういうことだったの・・・?」

マシュ「カルナさんはセイバークラスのサンタで、ボクサーなんですよ。」

フォウ(特別意訳)「フォウ、キュ。(そして、現時点での唯一の男性サンタだよ)」

プリヨダナ「………(情報を確認している)。こぶしだからけんって事…………?私が言うのもなんだけど、彼、ズレているわよね。」

手からゆっくり力が抜けていくラフティー「…………。あいかわらずよなぁ………。かるならしいといえば、らしいのかも、しれんな。」

マシュ「………そうなんですね。………動物用の櫛が載っているカタログ、持ってきましょうか?私ので良ければ貸しますよ。」

ラフティー「………。うぅむ………。」

プリヨダナ「………。あの子(ハタヨーダナ)、ガルダ用で既に櫛を持っているかもしれないし、被らないように違う用途のやつを選んだ方がいいんじゃないかしら。」

フォウ(特別意訳)「フォーウ、キュー。(硬さが違うだけでも、気持ちよさがそれぞれで有るよ)」

マシュ「とてもいい考えてすね。本当に色々種類が有りますので、ハタヨーダナさんとガルダさんと一緒に選ぶのもいいと思いますよ。」

ラフティー「………。わしさまが、えらんでも、よいのだろうか……。」

プリヨダナ「あんなに無条件で撫でさせてくれたんですもの。寧ろ、凄く喜ぶんじゃないかしら。」

ラフティー「………。すこし、どうするか、かんがえて、みる。」

マシュ「ハタヨーダナさんなら、自室に居たと思いますよ。」

プリヨダナ「分かったわ。・・・・今日じゃなくても、考えが決まったら訪ねましょうね。」

ラフティー「うむ。・・・・きょうは、すまなかったな。また、さわらせてくれると、うれしい。」

マシュ「………勿論。大歓迎ですよ。」

プリヨダナ「色々ありがとう。それじゃあ私達は失礼させて貰うわ。」

フォウ(特別意訳)「フォウ、フォーウ。(またねー)」

 

数分後………

プリヨダナ達が退出したのとは別の入り口から息を切らしながら入ってくるボロボロのユディ(狂)「ここに、ラフティーヨダナが居ると聞いたのですが!?」

腕に抱え込まれてしまっているヴリコーダラ「ヴゥ〜~~……。(兄貴。プリヨダナにも避けられているんだから、いい加減にしろよ……)」

マシュ「確かに、先程まで居ましたけど………。ユディシュティラさんには先輩から彼らとは適切な距離を置くように、ちゃんと説明があったと思うのですが……。」

ヴリコーダラを両手で持ち上げてドヤ顔でマシュに見せるユディ(狂)「アニマセラピーをしてると聞いて、ウリコーダラを連れて来たんですよ。」

力なく顔を左右に振るヴリコーダラ「クーン………。(いや。中身は俺なんだから、駄目に決まってんだろ……。)」

フォウ(特別意訳)「フォーウ……。(うわぁ……)」

マシュ「…………ユディシュティラさん。他のパーンダヴァの方達を呼んでお説教です。」

ユディ(狂)「なぜ!?」

人間形態だったら、頭を抱えてそうなヴリコーダラ「わふぅー………。(そりゃそうなるだろ……)」

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