アイ視点
ひと目見て自分と同類だと思った
ララライワークショップで演技のレッスンをしていると、上原さんから女を買わない?初回ならタダで良いと言われて俺は乗ることにした 愛が何なのか理解するためには一度経験してみるべきだと思っていたから
まさか自分に演技指導をしてくれていたヒカルちゃんが来るとは思わなかった
こんな可愛い子がなぜタダで良いのか、何故上原さんが仲介してるのか、少し考えれば簡単だった 弱みを握られて脅されている
「ちがうよ?私実は子供がいるの。だから育てるのにお金がいるんだ~」
闇がふかーい ヒカルちゃんって14歳だよね?子供って何歳のときの?誰との子?
「秘密だよ、それより楽しまないの?私自分で言うのも何だけどそれなりに自信あるんだけど?」
とっても良かった なんか全部ふわふわだった
…子供がいるっていう衝撃的な本当を伝えて壁を作った後は全部ウソって感じかな~
俺はカミキヒカルに興味が湧いた 演技指導してもらってる時もヒカルを買って抱いている時も観察に観察を重ねて一つ一つ化けの皮を剥がしていった 彼女の嘘は俺より旨くて本当をほんの少し混ぜるタイプで巧妙だったけど、同類なら見抜けるようなほんの少しの隙があった まるで嘘ついてるのを見抜ける自分と同類の仲間を探してるようだった
「あちゃー遂にバレちゃったね で、そこまで知ってどうしたいの?助けてくれるならなんでもするよ?」
…家族がほしいって言っても?
「子供が欲しいってこと?男ってみんなそうなの?…いいよ、でも上原を殺すまでは一緒には暮らせないけど良いかな?迷惑がかかっちゃうしね~」
俺も協力す「それは駄目、これは私の問題」
…
それからは忙しかった
感のいい鏑木Pに「こんな噂がある」と、本当にほんの少しだけ情報を流したり、
有名PやらDが来るたびに隠しカメラで証拠固めをし、上原からの指示も全て俺のスマホやDVDにデータを保全した
その上で座長の金田一にそれとなく噂という形で事態が発覚するように誘導した 誰が犯人かもそれとなく分かるように…
業界全体にここでの事はバレるかもしれないという噂が流れ、上原は仕事を取ってくることができなくなるとどこかへ飛んだ
もはや誰から見ても犯人が誰だか明らかだった そしてトドメにまるで上原夫妻が金に困り映像データーで遠回しに強請るような分かる人には分かる内容の怪文書を手紙で有名PやDに送りつけてやった その結果、信用ならない、もう関わりたくない、と姫川と上原は業界全体から少しずつ干されていった…ただ姫川夫妻がどこに逃げたのかは最後まで分からなかった
「アイ君って敵に回すと怖いんだね。普段はこんなに可愛いのに…あ、約束はちゃんと守るから安心して?」
…俺のほうが年上なんだけどなぁ 鏑木さんにデートコース教えてもらって、ちゃんと年上って分からせてあげないと…この子まだ俺が一目惚れしてるってわかってないかも…すごく大人に見える時もあれば凄い抜けてる所もあって…きゃわ~♡