わたしを見て。

わたしを見て。

辻斬りリターンズ

「お邪魔…したかな……?」

「え…いや……みた?」

事の発端は、数分前のこと……





リツカを眠らせて既成事実を作ろうとしたわたしだけど、なんだかんだあって。結ばれました

…それで昨日のことを思い出してて…

「きのうはりつかと…ひ……ひひひひ…」

思わず顔が綻んでしまい、にやけ顔が止まらなくなってしまった

やっとわたしに振り向いてくれた

それがたまらなく嬉しかった。


でも、ちょっと恥ずかしくてこうして枕を抱きながらあしをバタバタさせていた


「アルトリア、ちょっといいか…な……」

「どうしようどうしよう…やりたいことしたいこといっぱいあるなー!今日はなにを……し………」

この醜態をよりにもよってリツカに晒してしまった。





で、今に至る

「みてないよ?」

「見たでしょ」

「見てないって」

「見たよね!?」

リツカはしらを切ってくる。正直わたしが同じ立場なら同じことをするのかもしれない

…いや、わかんないかも

「お邪魔しましたー!」

「待って!かえらないで!おねがい!!」

さすがに耐えられなかったのか、リツカが笑顔でドアを閉じようとするが大慌てで引き止めた

「どこにもいかないで…わたしのとこにいて…」

「………いいの?」

どうにかしてつなぎとめることが出来た。



とても恥ずかしい。穴があったら入りたい。

なんとか部屋に入れたのはいいけど、その後のこと、全く考えてなかった。

「うぅ、恥ずかしい……」

「あははは、大丈夫。オレもさっき同じことなったから」

「え?」

リツカから衝撃の言葉が飛び出た、しかも気遣いから出る嘘じゃなくて、本当に

「…わたしと付き合ったこと、うれしい?」

「…うん、とっても」

「~~~~~~!!!!」

心臓が飛び出るほど嬉しい、リツカの相手が他の誰でもないわたしだって事実がさらに己を高揚させる

「ねぇ、それじゃあ」

その流れでわたしは思わず、とんでもないことを口にしてしまった

「わたしをもっと必要としてくれる?リツカはわたしをずっと見てくれる?」

それは束縛に近い呪いのようなものだろう

わたしは酷い子だ、すっかりその気になっちゃって。

「オレは、アルトリアにずっといてほしい…と思ってるよ」

でもリツカはそれさえ受け入れてしまう

正直ずるい、こんなの好きにならないはずがない

わたしはリツカの手を取り、指と指が絡みつくように手を繋いだ

「…リツカ、だいすき」

「オレも大好きだよ。アルトリア」

わたし、これからもあなたのために頑張るね。


だいすきなあなたの為に…



















これはとある日のこと

「アルトリアー!!君が必要なんだー!!」

「いーーーやーーーーだーーー!!!」

「お願い!りんご1個分だけ周回手伝って!!」

「リツカのお願いでもそれだけはいやだーー!!!!」

「…じゃあ、終わったら。なんでもしていいから」

「ほんとう!?やるやるー!!!」





「周回ですか、何事も油断なく。そして大胆に、士気は保たねばなりません」


「故に!命の価値に区別なく!!」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


元はと言えば周回なら全部わたしが出るから!などといったのが悪いのだけれど、これはあんまりだ

「もう……やだ………」

甘い報酬につられてしまったけど、今日は何度も何度も自爆に巻き込まれる

リツカのばか、あとでたっぷり。仕返ししてやるんだから

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