ゆり拓ゆい番外編
ゆりさんが再び眠った後、あたしは拓海とリビングでお茶をしながら、これからのことを話し合っていた。
「じゃあゆい、これ以上お菓子のレシピを変えても無駄ってことか?」
「無駄ってわけじゃないと思うけれど、でももっと他の方法もあるんじゃないかなって」
「例えば?」
「わかんない!」
「お前なぁ…」
「えへへ…でも、他の方法ってのはあたしが考えるから、拓海は気にしないで。……ていうかさ、あんまり無理しないで欲しいな」
「無理?」
「うん….拓海、あたしやゆりさんのためにいつも一生懸命だからさ。昨日…とか…」
「あれは……すまん、俺が不甲斐なかったんだ。あんな無様なところ見せちまって悪かった」
「悪いなんて言わないでよ。良いんだよ、泣いてもさ。その…あたしなんかでよかったら…また…慰めてあげる……から……」
昨晩のことを思い出して、顔が思わず赤くなった。多分、拓海も同じ顔してるんじゃないかな。
拓海が何も言わずに向かいの席を立って、あたしの隣に座った。
うぁ、なんかドキドキが止まらなくなってきちゃって、拓海の顔がまともに見れないや。
「…ゆい」
耳元で拓海が囁く。
あたし、声出せなくて、ちょっぴりだけ頷くのが精一杯だった。
あたしの頬に拓海の手が触れて、そのまま顔を向けられた。
目頭が熱くなって瞼をギュッと閉じたとき、唇に優しくて柔らかい温もりが触れた。
初めは軽く触れて、すぐに離れてしまう。あたしは無意識に唇を少し開けて、彼の感触を追い求めるみたいに顎を上げた。
それを待ってきたかのように、もう一度唇が重なった。今度は深く、拓海の舌が口の中まで入ってくる。
あたしも自分の舌を絡ませながら、夢中で拓海に抱きついた。
拓海の両腕があたしの背中に回されて、唇を重ねたまま席から引き立たされる。
あたしたちは舌を絡ませながら、リビングに隣接する夫婦の寝室へと移動した。
そのままベッドの上に押し倒され、拓海はようやくあたしから唇を離した。
「ゆい」
「拓海……ちょっと待ってタンマ!」
「なんで!?」
「あたし、まだお風呂入ってない!」
「そんなのあとでいいだろ!今はもう我慢できないっ!!」
「いやだってば!!汗かいてるもん!!」
「大丈夫だよ、俺は全然気にならない!」
「ダメダメ!絶対ヤダ!お願い拓海ぃ~!!」
ダメって言ってるのに拓海はあたしを無理やり押さえつけて首筋に顔を埋めた。
「や……ダメ…嗅いじゃやだぁ…」
恥ずかしくて泣きそうになりながらも必死に抵抗するけど、拓海の腕力には敵わない。
結局されるがままに、拓海の愛撫を受け入れるしかなかった。
「ああっ、やだぁ拓海、ダメぇ」
胸元を解かれ、ブラジャーをたくし上げられる。
外気に晒された乳首を指先で摘まれ、あたしはビクンっと身体を震わせた。
「ひゃうぅ……だめ、そこぉ……」
敏感になった先端をクリクリと弄られ、腰の奥がきゅんとなる。ショーツの中の割れ目が潤んでくるのが自分でも分かった。
あたしは抵抗する力が抜けて、拓海にしがみつくしか出来なくなっていた。
拓海があたしのスカートの中に手を入れて、下着に指を這わした。
すでにぐしょ濡れになっている秘裂をなぞるように触れられて、あたしは堪えきれずに甘い吐息を漏らしてしまう。
「ふぁぁ……あんっ、そこはぁ…ん」
挙げかけた嬌声がキスで塞がれる。舌先を絡め合わせている間にも、拓海はあたしの弱いところを責め続けた。
腰が蕩けそうに気持ちよくて、拓海の指に合わせて勝手に跳ね動く。その度に頭の中に電気が走ったみたいに火花が飛んで、あたしの理性を快楽で焦がしていく。
やがて、ゆっくりと拓海の手が離れていった。
快楽の海から解放されたあたしは、ぼんやりとした意識の中で拓海を見つめていた。
拓海が着ていたTシャツを脱ぎ捨てて、鍛え上げられた肉体が露になる。
細身だけど筋肉質な体つきを見て、あたしはドキッとなった。
拓海があたしのスカートに手を掛けようとして、あたしはそれを手で押さえた。
「じ、自分で脱ぐから……」
恥ずかしさを押し殺して震える声で告げると、拓海は黙って手を離してくれた。
ホッとすると同時に緊張が増してきて、心臓が爆発しそうなくらい激しく脈打つ。
あたしは深呼吸をして心を落ち着けてから、恐る恐る自分の服に手を掛けた。
拓海がじっと見てくるのを感じながら、まずブラウスを肩から落とした。
続いてキャミソールも脱いで、ブラを外す。
裸を見せるのは初めてじゃないのに、何回やっても凄くドキドキしてる。
視線を意識しないようにしながらショーツを下ろしたとき、あたしの脚の間がヌルついているのに気付いた。
拓海とえっちするとき、いつもより感じちゃうんだよね……。
恥ずかしくなって急いで隠そうとしたとき、拓海の手が伸びてきた。
拓海がそっとあたしの股間に触れて、溢れ出た蜜を掬い取る。そしてそれをあたしに見せつけるように、目の前にかざした。
あたしの顔が真っ赤に染まる。
拓海は指先に付いた透明な液体をぺろりと舐めてみせた。
その仕草を見ただけで、あたしの子宮がきゅんきゅんとうずく。
拓海の指先があたしの太腿の内側を撫で上げ、そのまま膝裏まで滑っていく。
そのまま両脚を持ち上げられて、あたしはM字開脚の姿勢を取らされた。
あたしは両手を自分の口に当てて、漏れそうになる声を必死にこらえた。
こんな格好させられて、恥ずかしくて死にそうだよ……
でも拓海は構わず、あたしの秘部に顔を近づけていく。
あ……ダメ……そんなところ見ないで……
あたしの願いも空しく、拓海の舌があたしの一番敏感な部分を包むようにして触れた。
瞬間、あたしはビクッと身体を仰け反らせた。
生温かい感触に包まれて、それだけで軽く達してしまいそうだった。
そのままねっとりと舌を動かされ、あたしはあっという間に昇り詰めてしまう。
舌先が秘部の一番敏感な部分を突くたびにあたしは子犬みたいな鳴き声をあげた。こんな声、自分でもどうやって出してるのかわかんない。
あたしは両手で必死に自分の口を塞いで声を抑える。
なのに拓海があたしの弱点を知り尽くしているみたいに、的確にあたしを攻め立ててくる。
あたしは押し寄せる快感の波に耐えられず、何度も身を捩りながら背中を逸らした。
ダメっ……息ができない…っ!?
止まらない、苦しいのに、やめて欲しいのに、あたしは両太ももで拓海の頭をきつく挟み込んで居た。
拓海の舌が亀裂をなぞって深いところに入り込む。そのまま音を立てて吸われて、その感触と淫靡な音に、あたしの意識が飛んだ。
視界が真っ白で、頭の中がふわふわする。
全身の感覚が宙に浮いたみたいになったけど、それはゆっくりと降りてきた。
仰向けになって四肢を投げ出している自分をようやく自覚した頃、拓海はあたしの両脚を解放した。
そのままぐったりとして横たわるあたしの前で、拓海がベルトを外してズボンを脱いだ。
ボクサーパンツの中から現れたモノは既に大きく膨らんでいて、先端が濡れて染みが出来ている。
拓海が隣に横になってあたしを抱きしめる。あたしたちは互いの背中に腕を回し、強く抱き合った。
それからどちらともなく唇を重ねる。
お互いの体温を全身で感じ合いながら、あたしと拓海は愛を確かめ合う行為に没頭していった。