やろうと思った事は大概前途多難(ProjectU・序章)
「…ようやく一息つけるようになったねぇ…ミドリ…」
「そうだねぇ、お姉ちゃん…こうやってまたのんびりゲーム出来るの嬉しいや…」
「麦茶、美味しい…」
ここは呆れかえる程平和…でもない、というか最近色々あって麻薬成分のある砂糖騒動でキヴォトス中の学校を巻き込んだ大騒動が何とか落ち着いて来た頃のキヴォトス
…の中のミレニアム学園…のゲーム制作部の一室である。
今日も今日とて再び取り戻した平和な一日を享受しようとだらける三人。
「ダメですー!三人共起きてください!
そろそろ活動しないとまたゲーム制作部維持のクエストが困難になってしまいますー!」
「えー?そうは言っても…あ、そっか。今日はお願いを聞く日だったっけ。」
その後ろで頑張って三人を動かそうとするアリスの言葉にゆっくりと起き上がるモモイ。ミドリとユズの二人もゆっくり体を起き上がらせてお願いを聞く体勢に入った。
「今日はヒーラーとして頑張ったアリスのお願いを聞いてくれると聞いています!
どんなお願いをしようかアリスは今まで沢山考えてきました!」
「よっぽどの事じゃなければ私達に出来る範囲で手伝うって約束してたね。
さぁアリス、汝の願いを伝えなさい!」
「はい!それでは…」
今日、和やかで平和なひと時は彼女のある一言から終わりを迎える事となる。
「アリスはあの騒動を元にゲームを作りたいです!!」
アリスの願いを聞いたモモイは早速行動を起こした。
まずは予算を捥ぎ取…相談をしにユウカの元へ走った…。
「…何?モモイ、また予算をくれって?
いやこの大変な時期に…え?アリスちゃんの発案?
今回の騒動をゲームに…?
情報を拡散するにしてもモモトークや報道だけじゃ限界もあるわよね…
…よし、いいわ。それなら予算を上げてもいいけど、一つ条件があるわ。
ちょっと先生にも伝えて来てくれる?私は今からちょっとセミナーに行ってくるから…」
しかしよくも悪くも行動的なモモイの行動力と
ミレニアムの生徒達から可愛がられるアリス…前回の騒動では大活躍したというのもあって人気も急上昇している二人の影響は
モモイやゲーム制作部達が思った以上に大きかった。
「成程、確かに今回の件をゲーム媒体として発売してプレイしてもらう…
というのはいい試みかもしれませんね。教科書とかに載せるよりは飽きずに見てもらえるかもしれません。ユウカちゃん、ゲーム制作部の皆さんにこれぐらい予算を上げても良いかも…後は正確な証言が可能な人が要りますね。」
続々と集まるメンバー…
"ゲーム制作をやるって言ってたから手伝いに来たよ。それでまずは何をすれば…?"
「先生、よく来てくれたな。まずはこのスーパーコンピューターにデータを…」
増えていくハードル…大きくなるプロジェクト…
「…ねぇ、何か最初思ってたのと違う方向になってる気がするんだけど…
私の気のせいだよね?このシャーレに用意されたゲーム制作用の環境何…?」
「パンパカパーン!ゲーム制作部に沢山仲間が加わりました!
アリスは近々矯正局からアビドスの元幹部達も合流すると聞いています!」
「何それ初耳!?」
いつの間にかこのプロジェクトは学校の垣根を超え、
キヴォトス中を上げた一大プロジェクトへと舵を切る事になった…
『…演算完了、トゥルールートが現在の情報とした場合
分岐するバッドエンドルートは…』
「ちょっと待って!?バッドエンドルート多すぎない!?」
【そしてスーパーコンピューターが全体のシナリオの計測を行った事で
ゲーム制作部は助っ人も巻き込んだ修羅場へと突入していくのだが、
それはまた別のお話…】