もしも歌の世界を望まれたら……
もしも最初から、全ての歌に能力を使っていたら……
囚われていた人たちを返し終えて、赤子を拾わなかったルート。
「みんな〜!!今日も歌の世界で楽しく暮らそうね!!」
ウタは今日も、歌の世界で生きたいという人たちだけを歌の世界に招いていた。
新政府の本部。
とても悲しい目をしたコビーは拳を強く握りしめて、ガラスから その先の部屋の様子を見ていた。
その部屋には、栄養を与えるための管が体中に刺さった女の姿があった。
その姿は救世主とは程遠い、人柱のような姿だった。
「……じゃあ、夜になったから今日はここまで!!また明日ね〜!!」
招かれた人が自由に出入りができるようになった歌の世界は、自由度が高くなり、ウタが寝なくても閉じれるようにもなった。
「……はぁ。おわったぁ……」
……彼女が考えた”新時代”は、現実で生きたい人は”ルフィの新時代”で、歌の世界で暮らしたい人は”ウタの新時代”で過ごすことだった。
「…………明日も頑張らなきゃ。」
チューブから流れる栄養を頼りにして、食事をすることなく彼女は一切動かずに眠りについた。