みらいの名前について
「ねえ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」
「起きていたのか」
「うん
ねえ、『竜司』。わたしは『みらい』」
「人間としての名前だな」
「私の生前の名前は気にならないのか?」
「お前の名を知るものも呼ぶ者もいない。お前の最終兵器たる『雷の男』天界に住んでいた『天使達』どちらも知らなかったな」
オレが知っていることから察せよ、と言うのだ。この男は。興味があるの一言で喜ばせる気は無いのか。
そんな態度で喜んでしまうせいかもしれない。
「推察通り、名前が無かったんだ。同族がいなければ区別の必要はない。『天』とか『神』とかで十分だった」
「お前は名前を呼ぶのを好む。誰のことを呼ぶ時でもほんの少し喜色が滲むし、名前を誰かに簡単に教えるのを拒む。名前が欲しかったのか?好きに名乗ればよかったろうに」
そんな癖があったなんて知らなかった。喜色?お前以外の誰がそんなもの見抜けると言うんだ。パパもママも私だって知らない。いやそんなことでなく……
「名前は認識だ。人に認められて初めて存在できるモノ。力ずくで呼ばせることはできただろうけど自給自足じゃ偽名のラベリングと変わらない」
まあ、そんなことを気にする暇も心の余裕も無かったのだが。人間性とも言い換えられる。
「だから名前を付けて欲しい、と?」
「半分正解。この体では人間として生きて死ぬ。『みらい』としてね。その次は君のつけた名前が名乗りたいんだ」
「……ああ、いいだろう。もう寝ろ、考えておく。」
「うん、おやすみ」