《ぼく》と"お兄ちゃん"

《ぼく》と"お兄ちゃん"


気づいたら《ぼく》はお馬さんになっていた。

でも全然寂しくないよ?

だって僕のそばには"お兄ちゃん"がいるもの!


《お兄ちゃん!》

"ん、どうしたの?"


明るい茶色の…くりげ?だっけの"お兄ちゃん"。

"お兄ちゃん"はね、すごくカッコよくてすごくカッコいいんだ!

走るともっとかっこいいらしいけど……今はもう、いんたい?してるから駄目なんだって。


《えへへーなんでもないよ!》


《ぼく》は"お兄ちゃん"が大好きだからいつもくっついちゃうんだよねぇ~。


"そっか、じゃあ今日も一緒に寝るかい?"

《いいの?》

"あぁ"


そんな日々が続いていた。

朝起きて、"お兄ちゃん"に挨拶して、"お兄ちゃん"のそばにいて、夜になったら眠る。

だが、その日は違った。


《たすけ、たすけてぇ…おにぃ、ちゃ♡》


体が熱くなって仕方ない。

こんなの知らないと狼狽えつつ助けを求めるのはやはり"お兄ちゃん"で。


《お、おにぃ…ふぇ♡?》


お世話してくれる人に連れてこられた"お兄ちゃん"。

けれどその空気はいつもと違って。

荒い息で僕の体に乗りあがった"お兄ちゃん"は《ぼく》のお尻に固いモノを宛てがうと、一気に貫いたのだ。


《ひぎゃあああっ!?やめ、やめてぇ!!抜いてよぉ!!!》 


痛くて怖くて泣き叫ぶ《ぼく》を無視して腰を振る"お兄ちゃん"。

だがその痛みも少し経てば『気持ちいい』に変わり果て、《ぼく》の口からは変な声が出ていた。

そして、何度目かわからないバチバチを迎えた時だった。


《ああああああ!!!熱いぃいっ!中に入ってきてるぅううううっ♡♡》 


どぷりと注がれたのは何だろうか。

《ぼく》には分からない。

でも塗り込むように動かされていることだけは、たしかに。

それを理解できないまま、《ぼく》は、


《おにいちゃ、おにいちゃ…きもひ、ぃよぉ……♡♡》

"〜〜​─────ッッ!!"

《んぉお゛お゛お゛お゛っっ♡♡!?!?》



純粋無垢に慕ってくる《ぼく》に、気づけば俺は惚れていた。

"お兄ちゃん"と俺を慕う、ずっとずっと小さく、幼い牝馬。

他の牡馬とは一線を引いた目線。

それがとても心地よかった。

いつの間に俺は、この子に恋をしていたんだろう。

そして同時に、歪んでしまった。


《んほぉおおおっ♡またくる、まらイっちゃうよぉおおっ♡♡》

"いいよ、イけっ!"


ひぐひぐと啼きじゃくる体に無体をしく。

……あぁ、可愛そうに。



***


《ぼく》:

元ヒトミミ(ショタ)現牝馬。

"お兄ちゃん"のことを慕っているが、元々が無知なショタなので何をされているのか分からないままぴょいされた。実質幼妻。


"お兄ちゃん":

栗毛の牡馬。《ぼく》よりもずっと年上。

幼い《ぼく》に惚れている。

実は《ぼく》にバレぬように自分以外の馬を《ぼく》の視界から排除している。

優しいのは、《ぼく》の前だけである。

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