ほのぼの…?バカップルウタ 新たな家族編

ほのぼの…?バカップルウタ 新たな家族編


シャンクス「俺の宝物に傷をつけたそうじゃないか、どう落とし前をつける気なんだ“麦わら”」

ルフィ「ウタが望んでやったんだ、娘の気持ちを無視するってんならあいつに変わってぶっ飛ばすからな“赤髪”」

とある無人島。対峙する二人の四皇。

ウタ「ルフィ…シャンクス…」

“父親”と“彼氏”の決闘を、ウタは大きくなったお腹をさすり見届けることしかできなかった……。

現在ウタは妊娠している。いつ破水してもおかしくないという状況だった。ホンゴウとチョッパーが、いつ陣痛がきてもいいように構えていた。

ルフィ「それに、俺達は海賊だ。欲しいものは、力尽くで奪うもんだろ。お前の宝物、俺達が貰うぞ」

シャンクス「ほう、言うじゃないか。なら…俺に膝をつけさせてみろ」

ルフィ「望むところだ!」

風が止む。それが決闘開始の合図となった。

覇気を纏った拳と剣がぶつかり、天が割れる。お互いの攻撃を見聞色で避け、反撃に移る。拳が飛び、剣撃が舞う。無人島の地形が変わり始めたのは、決闘が始まってすぐだった。

ゾロ「おいおい派手にやってんなぁ…」

ベック「ルフィも頭も本気じゃねぇか…こりゃ俺も割って入れないな」

両海賊団のクルーが見守る中、二人の決闘は七日続いた。後にクルーは語る。「島が消えるかと思った」

――――――

決闘四日目。ウタに異変が起こる。

ウタ「ゔっ…産まれそう…」

ホンゴウ「遂にきたか…」

サンジ「おいおい二人共まだ戦ってんぞ!?」

チョッパー「あいつらはほっとこう!それよりも分娩台の準備を…!」

ヤソップ「頭はああなったら止まらねぇからな…」

ウソップ「それはルフィもおなじだ…というか一回くらいシロップ村に顔見せやがれバカ親父!」

ルウ「とりあえずぬるま湯用意するぞ!キッチンどこだ麦わらのコック!」

ウタの陣痛に慌て始める両クルー。サニー号医務室のベッドをベースに分娩台を作り、ウタを寝かせる。

ウタ「ゔゔ…お腹ぐるじい…」 ホンゴウ「落ち着けウタ!深呼吸してゆっくりお腹に力入れろ!」

チョッパー「大丈夫だぞウタ!みんないるからな!」

両海賊団から応援を受け、呼吸を整えるウタ。ここに新たな戦いの幕が上がった…!

――――――

同時刻、無人島

ルフィ「はぁ…はぁ…船が騒がしいな…」

シャンクス「はぁ…はぁ…俺達の戦いに熱が入ってるんだろ」

ルフィ「そうか…じゃあ早いとこ決着つけないとな…」

シャンクス「いくぞ、ルフィ」

ルフィ「あぁ!」

――――――

ウタ「ふーっ…ふーっ…」

ホンゴウ「!!破水だ!」

チョッパー「ウタ!ここからが本番だからな!」

ウタ「あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!」

股が割けそう。痛い。苦しい。そばにいてよ、ルフィ…シャンクス…

ホンゴウ「しっかりしろウタ!子供が出てこれねぇぞ!」

ロビン「そうよウタ、落ち着いて…」

ウタ「ひっ…ひっ…ふーっ…」

チョッパー「いいぞウタ!その調子だ!」

ホンゴウ「頭が見えてきた!」

ロビン「あら、赤と黒のキレイな髪ね」

ホンゴウ「ウタ!もうすこしだぞ!」

ウタ「ひっ…ひっ…ふーっ…」

「ほぎゃあ、ほぎゃあ…」

ホンゴウ「う…産まれたぞ!」 

チョッパー「女の子だぞ!へその緒処理するから少し待っててくれ!」

陣痛が始まってから6時間。ウタの戦いが終わった。決闘が5日目に入ったルフィとシャンクスが父親と祖父になったことを知るまで、あと2日……

――――――

ルフィ「はぁ…はぁ…これで、どうだ…!」

シャンクス「ぐっ…」

決闘の末、遂に膝を地につけるシャンクス。四皇の戦いが、ようやく終わった。

ウタ「もう、パパもおじいちゃんもお疲れ様!」

静寂に包まれるルフィとシャンクスに、子供を抱いたウタが近づく。山があったはずの島は、いつの間にか平らな島になっていた。

シャンクス「ウタ、お前は今日から麦わらの……ウタ?」

ルフィ「ウタ…俺、やったぞ…………ウタ?その子は…………」

ウタ「もう、パパったら冷たいでちゅね〜?」

ルフィ「う…産まれたのか…?」

シャンクス「……まさか決闘の最中に……?」

「「「……………………」」」

四皇共「「ええええええええ!?!?!?!?」」

ルフィ「やべぇどうしようシャンクス!名前考えてない…!」

シャンクス「おおおお落ち着けルフィ、俺も一緒に考えてやるから…!」

ウタ「ほら、宴の準備してるから早く船に戻ろう?パパ♡おじいちゃん♡」

ルフィ「あ…あぁ!ウタ…子供、抱いていいか?」

ウタ「ほら、潰さないようにねパパ?」

「すぅ…すぅ…」

ルフィ「は…はは…可愛いなァ」

シャンクス「俺にも抱かせてくれよ!」

「…ほぎゃあ、ほぎゃあ」

シャンクス「なんで泣かれるんだよ…」

このあと名前決めでまともな案が出ず困り果てる麦わらの一味と赤髪海賊団であった。

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