はるかかなたに想いを…
モテパニ作者4月の10日、この日春野はるかが誕生日を迎えた。
七瀬ゆい「はるかちゃん、誕生日おめでとう」
はるか「ありがと〜ゆいちゃん!」
みなみ「誕生日おめでとうはるか」
はるか「みなみさん!来てくれてありがとうございます!」
みなみ「はるかのためだもの、ちゃんと予定を空けるわ」
ダークドリーム「おめでとうはるか」
はるか「ありがとうございます!」
七瀬ゆい「えっ、あの…誰ですか?」
そしてよく見るとはるかとゆいの知らない人物がいた。
ダークドリーム「私はダークドリーム。みなみの姉よ」
はるか「みなみさん、わたるさん以外にもきょうだいがいたんですね!」
みなみ「本当に姉ってわけじゃなくて、今お世話になってる家の人なの。歳が近いから妹みたいに可愛がってもらってるのよ(兄さんはともかくダークドリームは近く無かったみたいだけど)それよりはるか、少し付き合ってくれるかしら?」
はるか「どうかしたんですか?」
みなみ「会わせたい人がいるの」
〜〜〜
はるか「会わせたい人って誰だろう?」
はるかはみなみに連れ出され件の人物を待つ。
その場所はなにやら人気の少ない森の中。
なぜこんな場所に?と思いながらもみなみを信じて待つ。
みなみもはるかをその場所へ連れてきたらどこかへ行ってしまった。
程なくしてその人物は現れる。
その人物は…
はるか「カナタ!?」
カナタ「久しぶりだね。誕生日おめでとうはるか」
ここにいると思わなかった人物の登場に驚くはるか。
はるか「どうしてここに?」
カナタ「この前ホープキングダムを訪れたみなみから誘いを受けてね」
はるか「みなみさん、どうやってホープキングダムに?」
カナタ「ダークドリームとは会ったかな?なんでも彼女には世界を移動できる力があるらしい。その力でみなみは訪れ、僕も誕生日の事を知ったんだ」
はるか「そうだったんだ」
二人は見つめ合う。
そして…
はるか「カナタは、今どうしてるの?」
カナタ「うん。今は立派な王子を目指してるよ」
はるか「カナタはもう立派だよ」
カナタ「ありがとう。はるかにそう言ってもらえると嬉しいね。けど今よりも、だ。グランプリンセスになったはるかに並びたっても恥ずかしくない王子が今の僕の夢だ。はるかは?」
はるか「わたしもカナタと同じ。もっとも〜っと頑張ってすごいプリンセスになるために頑張ってる!」
カナタ「もっとか…なら僕もなおさら頑張らないとね」
はるか「うん!頑張ろうね、二人で!」
今は別々の世界に別たれていても二人の心はいつもともにある。
だから二人はともに進んで行くのだ。
夢に向かって…
〜〜〜
ことは「はー!はるかのお祝いに来たらすごいとこ見ちゃった!」
そんなやりとりの裏では以前はるかと冒険を共にしたウイングチームの面々がそれを覗いていた。
エル「やっぱりプリンセスとそのパートナーの誓いって素敵。ねっツバサ。…ツバサ?」
ツバサ「こひゅー、こひゅー」
エル「ツバサー!ねえさあや!ツバサどうしちゃったの!?」
さあや「きっとあまりの尊さに息を忘れて窒息状態になっちゃってるんだね。エルちゃん、人工呼吸してあげて」
エル「わかった!やり方教えて!」
さあや「まずは…」
ことは「はー!こっちもわくわくもんだー!」
この後なんとかツバサくんはレクチャーの最中目覚めて人工呼吸は防いだという。
『おまけ』
ロック「そういえば知ってる?今日はキュアフローラの誕生日らしいんだね」
シャット「ほう…そうなのか」
同日離れた場所にてシャットはロックを経由してはるかの誕生日を知る。
シャット「まあ知らぬ仲でもなし。祝ってやるのみ!」
〜〜〜
ロック「いなかったね」
シャット「おのれ、このワタシに無駄足を踏ませるとは」
シャットははるかの住んでいる寮へ赴きはるかを呼んでくれるように告げたが、残念ながらはるかは不在であった。
仕方ないのでそのまま帰宅しようとするが…
その道中シャットはなにか目印のような痕跡を見つける。
シャットはそれがなにか知らなかったが、これはシャットより早く訪れたウイングチームがはーちゃんの魔法ではるかを探した際にできた痕跡であった。
手持ち無沙汰になったシャットはなんとなくそれを追っていると、シャットは急に茂みへ引き込まれてしまう。
シャット「!?なにも…」
トワ「今そっちへ行ってはいけませんシャット」
シャット「ト、トトトトト!!!」
シャットを引き込んだのはトワ。
カナタとともにはるかを祝うためにみなみとダークドリームがはるかを連れ出したのに合わせて事前に打ち合わせしてここへ来ていたのだが、まずは兄とはるかを二人でと思いこうして隠れていたのだ。
ロック「やあプリンセス・トワ、なんでここにいるのさ?」
トワ「はるかの誕生日ですもの、お祝いに決まっています」
ロック「ふーん、暇なんだねホープキングダム」
トワ「…そんな風になっても相変わらずですわね」
ロック「変わらないさ、ボクは簡単にはね。…まあ、そこで泡食ってるやつはそうでもなさそうだけどね」
急な再開に未だバグっているシャット。そんなシャットをトワが軽く叩く。
トワ「落ち着きなさいシャット」
シャット「おおおとお!落ち着くのみ!…ふう」
なんとか無理矢理にも平常心に戻るシャット。
そしてシャットはとりあえず腰を据えてトワと話すことにした。
トワ「シャット、そちらの生活はどうですか?」
シャット「…特に困ることは、ありません。プリンセス・トワ」
トワの質問に対して固い態度で返答するシャット。
その態度も少しぎこちない。
トワ「話づらいなら恭しく接しなくともいいのですよ。わたくしとあなたにもう上下関係など無いのですから」
かつてはディスダークのプリンセストワイライトとしてシャットに忠誠を誓われていたトワ。
しかし今のトワは祖国が復活してその国のプリンセスに返り咲き、シャットはそこの国民では無い。
やんごとなき立場にあってもトワをシャットが無理に敬う必要は無いといえた。
トワ「まずはそこから変わっていきませんか?わたくしたち」
シャット「………ああ」
変わらない夢があれば変わっていく生き方もある。
どんな道でもただ進むのみだ…