はしたない私は好きですか?

はしたない私は好きですか?



「はぁ、はぁ」

息を荒げ、苦痛を訴える胸を押さえ込む。

張相から受けた穿血。そこに混じった呪霊の血がもたらす毒は未だに裏梅の肉体を蝕んでいた。それだけではない。

「くそっ...!」

怒張の収まらない下半身。張り続ける逸物に裏梅は苛まれていた。

「まだ苦しいかい?」

「どの口が言う...!」

にたにたと笑みを浮かべながら労る羂索を裏梅は睨みつける。

聞けば、あの張相という男は羂索が作った存在とのこと。つまり裏梅が苦しんでいる原因でもある。お互いに憎み合っている訳でもないのに楽しそうに笑みを浮かべているのは、偏に羂索の性格が悪いからと言えよう。

「解毒出来るならしてあげたいんだけどね。残念ながらお互いの趣味じゃないと思ってさ」

「趣味だと?」

羂索の言葉に裏梅は眉を顰める。

「うん。ソレはただの毒ではなく呪物の血だ。ただの解毒剤では効果が薄くてね。一定以上の呪力を体液と混じえて摂取しなければならない。もしくは吸い取る者が耐えられるだけの耐性がないといけないんだ」

「それはつまり?」

「私が解毒しようと思ったら、君と私で性交しなければいけないってこと」

その言葉に裏梅の顔色が変わる。脳内で二人でセックスする象を描いた瞬間、あまりの悍ましさに喉元から吐き気を催しかけた。

「ふざ――けるなッ! 誰が貴様などとするものか!」

「だから言ったろう。互いに趣味じゃないって」

振るわれる拳を平手でいなしながら羂索はため息を吐く。

「まあ、失敗作とはいえ私の息子の仕業だ。その詫びとして責任は取ってあげよう」

羂索は懐から携帯電話を取り出し、素早くボタンを押すと何処かへと電話を掛け始めた。

「あーもしもし? 先日は世話になりましたね。え?なんで番号がわかったかって?私もそれなりに顔が広くてね。あなたの得意先にも知り合いがいるんですよ。あぁっと、勘違いしないでくださいね。私は貴女に害を為そうとしているわけじゃないので。不安なら貴女に都合のいい縛りを設けてもいい。要件は後でメールで送らせてもらいますよ。...うん、やはり話が早くて助かりますよ。それでは」

用件だけ伝え終えると、そのまま携帯を切る。

「……誰だ?」

「ある意味、ビジネスにおいては信頼できる相手だよ」

「正体を明かさないのはそういう『縛り』か?」

「ああ。彼女は用心深いからねえ。きみに正体を明かさないのも条件の一つのうちさ」

「...それで、私はどうすればいい」

「条件は今から向こうが指定してくる。あとは折り合いをつけられれば...おっと、早速返事だ」

羂索は携帯の画面を見せ、メールの内容を裏梅に知らせた。



某所・ラブホテル。

近郊から外れた場所にある施設ではあったが、外装も内装も汚くはなく、一見では高級ホテルにも見間違う程には絢爛豪華であった。

そこに足を踏み入れた裏梅はせわしなく辺りを見回している。

「落ち着かないかい?」

「...まあ、な」

裏梅は平安時代の術士であり、受肉先である『氷見汐梨』にしてもこういった経験は無かったらしい。故に、記憶にないホテルにはイヤでも緊張してしまうのだった。

「やぁ夏油くん」

突然の声に裏梅はサッと羂索の背に隠れ来訪者を伺う。

女だった。豊満な胸とそこそこに高い身長と、特徴的な髪型の美女だ。

「こんにちわ、冥さん。用件を聞いてくださって嬉しいですよ」

「きみからはたんまり先払いしてもらったからねえ。それで?そっちの子が例の呪毒にやられた子かい?」

羂索の袖に隠れる裏梅に冥冥は視線を向けた。

「ええ、裏梅と言います。私の親友でしてね」

「どの口で言う」

額に筋を浮かべながら羂索の臀部に膝を入れる裏梅に、冥冥はくすくすと笑みを零す。

「随分と愉快な子じゃないか。きみが身内に膝蹴りされるのを拝めるとは思わなかったよ」

「そうですねぇ。今までの彼らは私に対してかなり遠慮してましたから」

「それだけ慕われてたんだろう。それはそれでいい関係だと私は思うよ」

和やかな談笑を交わす二人に苛立ちが募り、裏梅は思わず口を挟む。

「おい。私の解毒をするのが本題だろう。早く準備に「姉様の邪魔をする気か?」

二人に口を挟んだ裏梅に割り込む声が一つ。憂憂。冥冥の弟の少年である。

「姉様は全てにおいて優先される。解毒される分際で姉様の邪魔をするんじゃあない。お前なんか早く毒がまわって死んでしまえばいいんだ。そうすれば姉様と交わることなんてーーー」

「こら憂憂。大事な客人なんだ。そんな強い言葉で威圧するものじゃないよ」

「あぁん、ごめんなさい姉様ぁ」

裏梅への態度から一転、猫撫で声で憂憂は冥冥に擦り寄る。

「まぁでも裏梅くんの言う通りだね。タイムイズマネー。時は金なり...何事も要件を果たしてから、だね。それじゃあ行こうか」

冥冥に差し出された掌を訝しげに見つめる裏梅。相手も術士だ。なにかしらの仕掛けをしているのでは。そんな疑念を抱かずにはいられない。

「大丈夫さ。今日から数日間、どこにいても私たちは互いに危害を加えることもマーキングを施すことも許されていない。そういう『縛り』を結んでおいた」

羂索の言葉にひとまずの安堵を抱き、おずおずとその手を握った。

「じゃあ行こうか」

「……ああ」

☆ 

エレベーターで最上階へ上がり、長い廊下を歩いた先に裏梅が案内された場所は一室のみ。他に従業員も客もいないようであった。

「ここだよ」

ドアノブを回すとドアは簡単に開き、中へと招く。そこに広がっていたのは豪華な装飾の施された一室だった。

「ッ...!」

部屋に入るなり、むわりとした濃厚な香りが裏梅の鼻腔をくすぐる。

「本能を刺激し、情欲をくすぐる香りだよ。気分はどうだい?」

「嫌いではない、が……」

香りを吸うたびに下半身に血が集まっていく感覚に襲われる。

「その様子だと効果はあるみたいだね」

「う……くッ」

火照る身体に堪らず蹲る裏梅の頬をそっと撫でる。

「ふぅっ!?」

「随分といい反応だね。ただの治療じゃあ味気ない。折角なら楽しんでいこうじゃないか」

艶やかな笑みを浮かべた冥冥は、そっと裏梅の唇を奪った。

ちゅく、ちゅく、ちゅく。「ん……ふぅ……」

静かな部屋にいやらしい音が響く。裏梅の舌が冥冥に絡め取られ、唾液が混じり合う。

「……っ」

唐突に口を離し、惚けた表情の裏梅に意地悪な笑みを浮かべた冥冥は尋ねる。

「恥ずかしいのかい?」

「……うるさい」

顔を背ける裏梅にくすくすと笑みを零す。

「かわいいねぇ。そういう反応も私は好きだけど」

さらり、と裏梅の髪を指で撫でる。

「さぁ、それじゃあ始めようか」

冥冥が裏梅の上半身を裸に剥く間にも、彼女の肌は敏感に反応し、微量な空気の流れすらも愛撫に変えてしまう程に感度が増しているようであった。

「気持ちいいかい?」

その胸に手を当てるとビクンッと身体を跳ねさせる。

「あッ……うぁ」

恥じらう様に声を漏らす裏梅だったが、その下半身は既に痛いほどに張り詰めており、我慢汁が下着を湿らせていた。

「裏梅くん、もっと気持ちよくなりたいかい?」

耳元に口を近づけてそう囁きかける。甘い吐息が耳朶を刺激し、ゾクゾクとした快感が背筋を駆け巡る。

「ん……ぅあ」

「素直になっていいんだよ?」

そのまま首筋に舌を這わせると、びくりと大きく反応する。まるで全身の感度が上がっているようだった。

「気持ちよく……なりたい」

ぽそりと呟いたその一言に冥冥は満足したように微笑む。

「わかった。それじゃあ横になって……」

ベッドへと寝転ぶ裏梅の衣服を優しく脱がせると、既に限界まで勃起した逸物が現れる。

「ふふ、こんなになるまで我慢してたんだねぇ」

指先で裏筋からカリまでをなぞると、それだけで先走りが噴き出す。そのまま上下に扱き始めると同時に片方の乳首も舌で刺激する。

「あ、ま、待て!」

快楽に流されそうになる思考を堪え、慌てて冥冥を止める。

「羂索が言うには、解毒は身体同士で繋がっていないといけないらしい。だからこのままでは、その...」

「なるほど。手で果てるのは無駄撃ちになってしまうと...」

冥冥は、己の顔を裏梅の股座にまで移動させていく。

「つまり、きみは、その顔に似合わないこのえげつないカリ高ちんぽを私に咥えてもらいたいと言うんだね?」

「ッ……!」

かぁぁっと顔を真っ赤に染め上げる裏梅。図星だった。この異様なまでの感度では、直接口淫されればひとたまりもないだろうことは明白。

「わかったよ」

そんな裏梅の思考を読んだのか、冥冥は躊躇うことなく彼の肉棒を口に含んだ。

「んぶぅっ!?」

初めて味わう感覚に裏梅の背が大きく反り返る。

ちゅぱっ、れろぉ……じゅるるる!ちゅぽっ!ぐっぽ!ぬぷっ、ぢゅぞぞっ!!

(な、なんだこれは!?)

柔らかく温かい肉壁が裏梅の肉棒を包み込む。彼女の舌が亀頭を舐め上げる度に腰が砕けてしまいそうな快感に襲われた。

「んぶぅぅっ!!??」

そして次の瞬間、裏梅はあっけなく果ててしまった。どくんどくんと精液が尿道を駆け抜け、冥冥の喉奥へと放たれる。その勢いと量に驚きつつも彼女はそれを受け入れた。こくっこくっと喉を鳴らしながら飲み下していく。

「ぷぁっ……ふふっ、いっぱい出たねぇ」

唇の端に垂れた精子を指で掬うと、そのまま口に含んだ。ちゅぽっと指を抜くと満足そうに微笑む。

「大丈夫かい?」

「あ、ああ」

肩で息をする裏梅は呼吸を整えながら己の体調を確認する。羂索の言った通りだ。自慰では治らなかった気だるさが、冥冥に口淫され終わった途端に和らいだ。

「極上のちんぽを舐めてたら私も気分が乗ってきたよ...舐めてくれるかい?」

冥冥は裏梅の眼前でくぱぁと股を開き、その中心部にある秘裂を指で開く。そこから放たれる、熟成された濃厚な雌の臭いと生え揃った濃いめの陰毛、それに使い込まれ黒ずんだヒダに誘われるまま、裏梅はそこに顔を寄せると舌先で舐め始めた。

「あっ、んんっ……上手だねぇ」

褒められ気を良くしたのか、今度はゆっくりと膣内に舌を挿入していく。中は火傷しそうな程に熱く蕩けていた。溢れ出る愛液をじゅるじゅると啜りながら肉壁を押し広げるようにして刺激する。その度に冥冥の腰がびくんと跳ねた。

(なんだこれは……)

今まで味わったことのない未知の感覚に裏梅は戸惑う。

(女陰とはこういうものなのか……)

もっと知りたいという衝動に駆られ、自然と舌の動きが激しくなる。その度に冥冥の口から甘い声が漏れ出た。

「ふぅっ♡いいねぇ、気持ちいいよ」

余裕のない表情で笑みを浮かべると、裏梅の腰をトントンと叩き、腰を持ち上げるように合図する。

裏梅が指示通りに腰を上げると、冥冥は裏梅の下半身に顔を埋め、冥冥が上のシックスナインの体勢になる。「私も気持ちよくさせてもらうよ♡」

ぷるぷると揺れる裏梅の睾丸を飴玉のように口の中で弄ぶと、今度は竿の裏側を舐め上げていく。カリ首に舌を這わされると思わず声が漏れ出てしまうほどの快感に襲われた。

「ふふっ……良い声で鳴くじゃないか」

亀頭に吸い付くようにキスすると、そのまま一気に喉奥まで呑み込む。じゅぽっ!ぐっぽ!ずろぉおおおっ!!激しい音を立てながら頭を前後に動かしていく。その度に冥冥の膣からは蜜が溢れ、その香りが裏梅の理性を侵蝕していく。

生え揃った濃いめの陰毛と使い込まれ黒ずんだヒダがかえってエロティックな魅力を醸し出し、裏梅の興奮を煽った。

気がつけば裏梅は舌を突き出し、冥冥の女陰を求めていた。

ぴちゃぴちゃぴちゃ。まるで犬のように冥冥の秘裂を舐め上げ、肉壁を抉じ開ける。その度に冥冥は嬉しそうに身体を震わせた。

「あぁッ♡いいよ、裏梅くん……もっと私を求めてくれ」

冥冥は口のみならず、その豊満な胸で肉棒を包み込み、顔を出す先端を舌先でいじくり回す。「んぐぅっ、ふぶぅうう!!」

その快楽に裏梅は腰を浮かせながら仰け反る。だが、それでも舌の動きを止めることは無かった。むしろより激しくなったかもしれない。まるで溶け合い一つになるかのように二人は貪り合う。

ひたすら淫靡な水音が響き渡り、室内に充満する雌の匂いに頭がクラクラする。

「んんぅっ、そろそろイキそうだ……一緒にイクかい?」

返事の代わりに裏梅はより一層強く吸い付く。その瞬間、冥冥の背筋がビクンッと跳ね、もう一度裏梅の肉棒を咥え込む。口の中では舌が竿に絡み付き、亀頭を吸い上げた。

「ぐぅうううっ!!?」

どぴゅるるるっ!びゅくっ!びゅるるっ!! 裏梅の精液が冥冥の喉奥へと叩きつけられる。そのあまりの量と勢いに思わず口を離してしまいそうになるも、なんとか堪えるとごくりごくりと喉を鳴らしながら飲み込んでいく。その間も舌の動きが止まることはなく、裏梅は射精しながらもさらなる快楽に襲われた。

(なんだこれは……頭が真っ白になる……)

未知の快感に酔いしれ、裏梅は冥冥の喉奥へ精液を流し込み続けた。長い射精が終わると、ようやく冥冥の口から肉棒が解放される。

「んぶっ……ぷはぁっ!あぁ、美味しかったよ」

べっと舌を出して微笑む彼女の唇は白く染まっており、頬や胸元を精液で汚していた。その姿があまりにも淫靡で、裏梅は再び昂りを覚えた。だがそれはすぐに収まることはなく、むしろ先ほどよりも硬く反り返っているように思えた。

「おやおや、まだまだ元気だね」

「......」

少し恥ずかしそうに目を逸らす裏梅にクスリと微笑むと、冥冥は立ち上がると下着を脱ぎ去り全裸になった。その股間からはダラダラと愛液が垂れており、シーツに大きな染みを作っていた。

「ふふ……」

妖艶な笑みを浮かべながらゆっくりと近づき、そのまま裏梅を押し倒す。そして覆いかぶさるようにして唇を奪った。

舌を絡ませ合い互いの唾液を交換し合うような激しい口づけを交わすと、冥冥はそっと唇を離す。二人の間に銀色の糸が伸び、やがて切れた。

「さて、それじゃあ本番を始めようか」

そう言って自身の秘所を裏梅の肉棒に押し当てる。するとそれだけでビクンッと脈打ち、さらに硬度が増していくのを感じた。

「ふふっ……期待しているのかな?」

挑発的な笑みを浮かべつつゆっくりと腰を落としていく冥冥。その様を裏梅は胸を高鳴らせ見つめる。ぬぷぷっ……ずぷぷっ、ぐぷん!ずぷんっ!!

「くっ……!」

亀頭が冥冥の膣を押し広げ、その奥へ侵入していく。中は熱く蕩けており、まるで別の生き物のように蠢き裏梅の男根を包み込む。気を抜けば一瞬で果ててしまいそうな程の快楽に必死に耐える。そんな裏梅の様子を楽しむように冥冥はゆっくりと挿入を深めていった。

(駄目だ……!このままでは……!)

そんな焦りとは裏腹に裏梅の腰は無意識に動き始める。彼の意思に反して肉棒は何度も冥冥の膣奥へと挿入を繰り返す。

「んんっ、ふふっ……可愛いねぇ」

優しく頭を撫でながら耳元で囁くと、それが引き金になったかのように裏梅の動きが激しくなる。パンパンッ!!ぐちゅっ!ぶちゅんっ!!パンッ!パァンッ!!肉同士がぶつかり合う乾いた音が響き渡ると同時に冥冥の口からも嬌声が漏れた。

「あぁん♡激しいぃい♡♡」

腰が砕けそうな程の快楽に思わず冥冥の顔がだらしなく蕩けてしまう。しかしそれでも腰の動きは止まらず、むしろさらに激しさを増していった。

「くっ……!」

裏梅の口からもまた甘い吐息が漏れる。膣奥のコリコリとした部分が亀頭に触れる度に強烈な快感に襲われ、思わず意識を持っていかれそうになる。

「気持ちいいかい?」

そんな裏梅の様子を見て楽しげに微笑むと冥冥はさらに深くまで肉棒を呑み込み、子宮口を押し潰すようにぐりぐりと押し付ける。

「くっ、あぁ……!!」

その瞬間、裏梅の目が大きく見開かれた。ビクビクと身体を痙攣させ、肉棒の先端からは大量の我慢汁が噴き出す。それでもなお腰の動きは止まらず、冥冥もそれに応えるようにして激しく腰を上下させた。その度に二人の結合部からは愛液が流れ落ちシーツに大きな染みを作った。

「んんっ♡どうだい?私のここは」

にゅるにゅると絡みつくような膣壁に裏梅の肉棒が締め上げられる。まるで生き物のように蠢くその感覚に裏梅は身悶える。

「くっ……!」

冥冥も余裕がなくなってきたのか、その顔には汗が浮かび始め、吐息にも熱が籠り始めた。それでもなお腰の動きを緩めず、むしろ激しさを増していく一方だ。そんな彼女の姿に興奮を覚えつつ裏梅は必死に堪えるがそれも限界を迎えようとしていた。

(駄目だ……!もう我慢出来ない!!)

裏梅の限界を察知したのか、冥冥はラストスパートをかけるかのように一気に腰の動きを加速させる。同時に裏梅も我慢の限界を迎え、欲望を解き放った。どぷっ!びゅくっ!どくんどくんっ!!

「あぁっ……すごいぃいい♡♡♡」

大量の精液が子宮へと注がれていく感覚に酔いしれるように冥冥は天を仰ぐ。その表情は完全に快楽に染まっていた。

やがて射精が終わるとゆっくりと腰を上げ、肉棒を解放する。すると栓を失った秘裂からどろりとした白濁液が溢れ出した。

「はぁ……はぁっ……」

裏梅が脱力してへたりこむと、冥冥はそんな彼の髪を優しく撫でる。

「お疲れ様。呪毒は消えたかい?」

身体に残されていた痛みや気だるさは消え去っており、それは呪毒が消えた証でもある。

「……あぁ、問題ない」

「そうかい。それは良かった...で、ここからはどうしたい?」

「どう、とは?」

裏梅が問い返すと冥冥は妖しく微笑む。その瞳には淫靡な光が宿っていた。

「まだ満足していないんだろう?だったら私を好きにしていいんだよ?」

そう言ってベッドの上に横になると両手を広げて誘うようなポーズを取る。その姿に再び劣情を催し、裏梅は再び勃起してしまっていた。そんな彼の様子を見て満足そうに微笑むと冥冥は寝転んだまま裏梅を引き込み、三度唇を貪る。「んっ……」

舌が絡み合う度に甘い吐息が漏れ、お互いの興奮が高まっていく。冥冥の乳房は豊満で柔らかく、胸板に押し付けられて形を変えている。その感触を味わいながら裏梅は彼女の下半身に手を伸ばすとそのまま秘裂を指でなぞった。そこは既に濡れそぼっており、物欲しそうにヒクついているのがわかった。

「ふふ……焦らなくても大丈夫だよ」冥冥の細い指が裏梅の男根に絡みつく。そのまま上下にしごくと、裏梅の口から熱い吐息が漏れた。

「可愛いねぇ」

裏梅の反応を楽しむように笑うと冥冥は空いている方の手を自分の胸に伸ばすと、その先端を指で摘まんで弄び始めた。

「んっ……♡どうだい?私のおっぱいも気持ちいいだろう?」

ぷっくりと勃起した乳首を見せつけるようにして挑発的な笑みを浮かべる冥冥。その姿に興奮を覚えつつ、裏梅はその乳首を口に含み舌先で転がした。

「あっ♡ふふっ、赤ちゃんみたいだねぇ」

優しく微笑むと冥冥は裏梅の肉棒を優しく秘所へと導く。

つぷり、と亀頭が入り口に触れると、そこからは大量の愛液が流れ出し、裏梅の男根を濡らしていく。

「ふぁああぁあっ♡♡♡きたぁっ♡♡♡」

一気に根元まで挿入すると冥冥は大きく身体を仰け反らせながら絶頂を迎えた。ビクンッビクンッと身体が痙攣し膣内が激しく収縮する。その快楽に耐えられず、裏梅はヘコヘコと腰を打ちつけ始める。

「あっ♡あぁっ♡す、すごいぃっ♡♡♡」

どちゅんっどちゅっと子宮口を突き上げられる度に冥冥の口からは甘い喘ぎ声が漏れる。肉壁が激しくうねり、肉棒を締め付ける。そのあまりの強さに思わず射精してしまいそうになるが、それを必死で堪え裏梅はさらに激しくピストンを繰り返した。

「あっ♡あぁんっ♡♡♡そこぉっ♡♡♡」

子宮口を突かれる度に冥冥は身体を大きく震わせて悶える。そんな彼女の姿に興奮を覚えつつ、裏梅は腰の動きをさらに加速させる。パンッ!パァンッ!という乾いた音とグチュッヌチャッとした水音が入り交じった淫靡な音が室内に響き渡る。その度に冥冥の口からは甘い声が漏れた。

冥冥の子宮が降りてきて亀頭と密着すると、裏梅はさらに腰を押し付けた。その瞬間に亀頭が潰れてしまいそうな程の強烈な締め付けを感じると同時に冥冥の口から絶叫にも似た嬌声が上がる。それと同時に膣壁が激しく痙攣し始め、肉棒を締め上げてきた。その快感に裏梅も限界を迎えそうになるが必死に堪えるとさらに強く腰を打ち付ける。もはや自分が何をしているのかさえ分からなくなりつつあったが、それでも裏梅は必死に腰を振る。

「くっ、ふぅぅ♡」

冥冥の限界が近いことを察し、裏梅も最後の力を振り絞って思い切り突き上げる。その瞬間、冥冥は背筋を大きく仰け反らせながら絶頂を迎えた。それと同時に肉棒を強く締め付ける膣壁によって裏梅もまた絶頂を迎えてしまうのだった。びゅくっ!どぴゅるるるっ!! 大量の精液が子宮へと注ぎ込まれていく感覚に冥冥は酔いしれるように身体を痙攣させる。

(あぁ……熱い……)

蕩けてしまいそうな程の幸福感に包まれながら冥冥は裏梅の肉棒を引き抜いた。栓を失った秘所からはどろりと濃厚な白濁液が流れ出しシーツに大きな染みを作った。



一通りの交わりを堪能した二人は、共に浴槽に浸かっていた。

「お疲れ様」

「...ん」

労うように頭を撫でる冥冥と、気恥ずかしそうに俯き視線を合わさない裏梅。

「ふふっ、気持ちよかったかい?」

「……」

顔を背けたまま頷く裏梅に冥冥はクスクスと笑う。まるで仔猫のような仕草に愛おしさを覚えつつ、冥冥は再び彼の頭を抱き寄せた。今度は抵抗せずされるがままになっているところを見ると満更でもないらしい。

そんな裏梅の反応を楽しみながら冥冥はゆっくりと口を開き始める。

「裏梅くん。夏油くんからなんとなく聞いているとは思うが私は呪詛師ではなく呪術士だ。もしかしたら、今度会う時は敵同士かもしれない」

「わかっている。元からそのつもりだ」

あくまでもこれはビジネスに過ぎない。金を対価とした治療。それ以上でも以下でもない。

戦場であい見えれば、裏梅は容赦なくこの女を凍てつかせるだろう。

「それならいいよ。...それで、もう少し時間があるんだけれど...少々名残惜しくなっちゃってね」

冥冥は背中越しに裏梅を抱きしめ囁く。

「もう少しだけ付き合ってくれないかい?」

冥冥と裏梅のいる部屋から一つ挟んで東の部屋。

そこに羂索と憂憂は待機していた。

「だ、だめですよ姉様...ああっ、そんな男女のをずっぽり咥え込んで...は、はしたない...でも、そんな姉様も...素敵ですぅぅぅ♡ウッ」

冥冥の解毒の一部始終を監視カメラで覗き見していた憂憂の周りにはイカ臭い大量のティッシュが丸めて転がされており。

「...現代の術士の性癖って怖いねえ」

そんな憂憂に、羂索は内心で引きながら眺めていた。


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