なんやかんやあって和解したあと

なんやかんやあって和解したあと

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【前世バレ 和解後 CP注意 会話文多めの駄文】


「ねぇアクア、午後からショッピングに付き合ってくれない?」

寝ぼけ眼でトーストを齧っていると妹であるルビーからそんな誘いを受けた。復讐を終え、互いの前世を知り、俺は役者兼タレント、ルビーはアイドルとして充実した日々を過ごしていた。

「俺は別に構わないけど良いのか?せっかく貴重な休みを俺なんかとショッピングに使っちゃって。」

「良いに決まってるじゃん!あれからバタバタして、落ち着いたと思ったら今度は仕事で中々休みが噛み合わなかったし…それに服とか選んでもらったり、一緒に遊ぶの昔からの夢だったから。」

 昔から…それはきっとさりなちゃんの時のことを指しているのだろう。病に蝕まれ、病室の中で生涯を終えた彼女にとってアイの娘に転生し、アイドルとして活躍し、また普通の生活を謳歌すること夢だった。

「そうだな。今日は仕事も入ってないし、俺も欲しいものあったから行こうか。」

「うん!」


最寄駅から徒歩3分、新しくオープンしたばかりの大型ショッピングモールへ向かっていた。

「そういえばルビーと2人で外で遊ぶ機会ってあんまりなかったな。」

「意外とそうかもねー。いつもミヤコさんが連れてってくれたし、アクアなにかとインドアだったからネット通販だけで済ませたり、そもそも放課後や休日はずっと監督の所に入り浸ってたし。」

「あの頃はまだ…色々あって。」

「別に怒ってないよ。ママや私達の為に色々してくれてたのは分かってるから。」

近くまで来ると、新装オープンしたこともありかなり人通りも増えてきた。

「ルビー、ちょっと手を借りる。」

手を取り、その手を離さないように握る。一瞬驚いた表情をした。

「はぐれると面倒だから。」

さぞ当たり前のように言ったのだがルビーは

「ふふふ、なんか初デートみたいだね!」

と笑いほんの少し恥ずかしくなった。









「ちょっと買いすぎちゃったかなー?ごめんねたくさん荷物持ってもらっちゃって。」

ルビーが買った服の袋片手に持ち、帰路を辿っていた。

「気にしなくていい。これくらいなら大したことないし。ありがとな、俺も今日は仕事の息抜きも出来たしリフレッシュできたから。」

「いやぁ途中でファンに見つかって追いかけられた時は焦ったねー。」

「SNSじゃ軽くトレンド入りしてるぞ。当たり前のことだけど芸能人だとこの辺が少し不便だな。」

「ははは、ママも苦労したんだろうな。」

「アイはそういう所割と気を付けてた方だったもんな。」

「そういえばアクアは今日何買ったの?」

「あぁ、ルビー今度ライブする時のペンライトが故障してたからそれを買いに。」

「その日は休暇もらって最前列のチケット取ってたもんね。」

「当たり前だろ。アイドルになったら推してやるって約束したからな。」

「うん…そうだもんね…。」

少し間の空いた返事が反芻する。

2人のスマホに通知が来る。

「ミヤえもんからグルチャにメッセ来てる。先方でトラブル発生したから今日は帰ってこれないって。」

「あぁ…わかった。あの人も大変だな。」






「ただいまマイホーム!ショッピングモールも良いけどやっぱり自宅が1番落ち着くね!」

「ただいま。」

ルビーの荷物を玄関に置き、一息つく。

分担された家事をこなし、入浴と食事を済ませてそれぞれの部屋でくつろいでた。

コンコンと、アクアの部屋にノックの音が響き渡る。

「どうぞー。」

ルビーが部屋に入ってきた。

「相変わらず整理整頓されてるねー。」

「逆にお前はもうちょい部屋を綺麗にしろよな。何か用か?」

「いやぁ…ちょっとアクアと昔話したいなって…。」

「そうか。お前が眠たくなるまで付き合ってやるよ。」

「ありがとう。それで聞きたいことあるんだけどさ…」

言葉に詰まりながら言葉を紡ぐ。


「アクアってゴロー先生の時の約束どれくらい覚えてる?」

「ルビーがアイドルになったら推してやることだろ。」

「…その先は?」

その先の約束、覚えている。余命幾許もない子にとって無慈悲な約束をしたことを忘れるはずがない。だが今のその約束に触れるべきかどうか悩んでいた。

「…。」

そっと目を逸らし、ルビーの問いに答えられずにいた。

「そんなあからさまに目を逸らしちゃ覚えてますって顔に書いてあるようなものだよ。」

「ルビー…。」

「わかってるよアクア、でも聞いて欲しい。私ね、昔は本当に体が動かなくて、いつも苦しくて、みんなが当たり前にできることだって辛かった。」

知っている。知っているよ。だって君の主治医だったのだから。

「両親はそんな私から目を背けて仕事に行っちゃって、涙が止まらなかった。そんな時ねアイのライブを見て強く憧れた。私もこんなアイドルになりたいなって。」

「それでいつもゴロー先生とオタトークしたり、相談乗ってくれたり、元気付けてくれてそれが心の支えで、先生と話している時、私すっごく幸せだった。」

「生まれ変わってから色んなこともあったね。アイドルのメンバー集めてくれたり、ライブでは全力でオタ芸したり…ママの秘密を暴露した時は絶対許さないって思ったけどそれもママの仇を取る為だったり、私はアクアに何度も救われたんだ。」

「先生…いやアクア…だぁいすきだよ!」

「わたしももうすぐ18歳で、結婚とかは法律的には出来ないけど真面目に考えてくれるんでしょ?アクア…答えを…聞かせて?」


刹那、俺はルビーを抱きしめていた。

震えた涙声で、言葉を紡ぐ。本当は言いたくなかった。こうなることが目に見えていたから。

「昔の時に、さりなちゃんの願いを軽くあしらった。口先だけでも希望を持たせてやればいいのにできなかった。転生して、アイが死んでからはアイを殺した犯人だけを怨み憎んでいた。そんな中アイドルとして活躍する夢を投げ出さずやり抜こうとしたルビーに何度も救われていたのは俺の方だりずっとルビーが心の支えだった。」

「ルビー、俺も好きだ。」



ルビーの唇軽く触れた。


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