なんとなく
ルビーが、アイとアクアの爛れた関係を盗み見てしまった。
隙間からこっそりと。
「アクア!アクアぁ!」
ベッドのきしむ音。恍惚の表情で兄に跨り腰をふる母。
おぞましい。
汚らわしい。
生物の本当として、幼いさりなの魂として、心が騒ぐ。
だと言うのに、ルビーの心が叫んでいる。
(どうして私じゃないの?)
(どうしてあそこにいるのが私じゃなくてママなの?)
視線を外すことができない。
だから、瞬間気づいた。
アイと視線が合ったことに。
「ッ!」
息を呑むが、アイは動かない。
むしろより大きく腰を動かしていく。
それはまるで、見せつけるかのようだった。