とある記録
「ああ・・・なんでだよ・・・なんでだよ!!」
かつて人であった肉塊の前で獣の姿の人間の少年が叫ぶ。
・・・そんな事をしたって現実は変わらないというのにな。
その時、俺の全身をゾワゾワと包む嫌な気配がした。
「・・・は?」
目の前に映るのは人間をゴチャゴチャに組み合わせたみたいな冒涜的な化け物。
いやそんな細かい事はどうだっていい
あぁ・・・俺の魂が、本能が告げる。
この化け物は目の前で殺された彼女だ。
「はは・・・なんでだよ・・・ふざけるなよ・・・」
それを見て・・・俺は・・・俺は・・・
耐えられなかった
彼女が化け物に成り果てる事が
彼女が化け物としてここにいる事が
「あ・・・あ・・・アアアアアアアアアア!!!!」
俺は彼女に飛びかかり無我夢中で爪で切り裂く
切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く
気づいたら俺にかかっていた血のような液体も切り裂いいた肉体も何もかもなくなっていた。
「はは・・・ははは・・・」
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははななな
「・・・あの時の夢か」
夢を見るのはありがたい、あの時の呪いを忘れずに済む。
俺は今彼女が何故狙われたのかを探る為とある小さな廃村も同然の集落に潜入していた。
なんでも彼女はこの村の神社の巫女の一族でありそこから逃げて来たらしい・・・前に彼女はそう言っていた。
もしかしたら彼女が狙われた理由と関係しているかもしれない。そう思って俺はここの資料を漁っていた。
そして見つけた。
銀髪、紅玉のような瞳の赤子の記録
あの時に周辺で目撃証言があった少年も銀髪、紅玉のような瞳だったらしい。
いや、俺の本能がこう告げた。
彼女を殺したのはこいつだ。
「はははは・・・ようやく・・・ようやく見つけた!」
そして俺はそれだけを見ると興奮のあまりに屋敷を飛び出していった。
・・・この時、俺は重大な資料を読んでなかったんだ・・・
○月×日
片方は普通
しかしもう片方は猫の姿をした双子が生まれた。
しかも射干玉の髪と青玉の瞳を持った赤子の2年後にだ
呪いをもたらす危険が高い為二人とも秘密裏に処分するとする。