とある日の出来事
「そういえば、こんなことがあったよ」仕事終わり、ちょっとした後片付けの為に「ボク」は山の中に入っていた
見上げるほどの高い木々に気を取られているとおや大変、1歩先は崖だった。危ない危ないと崖から下を見下ろすと……人影。
まさか死体だろうかと飛び降りると、そこに居たのは一人の女性。だがもう時期死を迎えるだろう、その四肢は正しくない方向へ捻じ曲がっていた。
せめて弔ってやろうと思った「ボク」だ。彼女のそばにしゃがみ込むと何と、いきなり彼女は「ボク」の脚を掴んできた
おっかなびっくりしていると…
「娘を1人にしてしまう……!」
そう涙を流しながら「ボク」の顔を見上げ、一言だけ呟くと…今度こそ事切れてしまった
「そうかそうか……君には娘さんがいるんだね」
だから、哀れに思った「ボク」は彼女が着ている服と同じ服を用意し、姿かたちと声を記憶して彼女に成り代わり…件の娘さんに会いに行ったんだ。まだ小さな娘さんは自分のおうちで大人しく待っていた。
「ごめんね、お母さん……少し遠い所へ行くことになったの」