その名前/本音をもう一度

その名前/本音をもう一度



「ワーテル!お前、どうしてこんなことを」

目の前の奴に掴みかかる

誰が見ても解る深い傷だ。

それでもなおおれはワーテルに掴みかかる。

「はぁ・・・知るかよ。」

口元から流れる血を拭いワーテルは不敵に笑う。

昔から変わらない笑顔だった。


暗い暗い部屋の中で開いた扉から現れた奴は

「お前には目的があるんだろ?おれを利用しろ。その代わりおれも利用する。」

なんていっておれの鎖を破壊して部屋から連れ出された。

その時のそいつをふと思い出した。

あれは嘘であり、真実でもあったのだ。


「おれが死んだら、あいつらはおれの力を狙ってくる。

不老手術なら、理論上だがそれを遅らすことができる。」

ワーテルはいつものように言う。

理論を言ってくるがちっともわからない。

ワーテルもわかっているのか程々に切り上げた。


「・・・お前のことは嫌いだがそれしかない。」

嘘だ。それだけはわかった。


「ジョイボーイ・・・いや、ニカ。

お前に不老手術を施す。永遠に縛るおれを許すな。・・・違うな。忘れたっていい。」

いやだ。忘れたくない。


「ニカ。」

ワーテルは真っ直ぐ見据える。

わかっている。これしかないのだと。


「おれは、・・・わたしはお前を、世界を裏切る。

あとは妹に任せてきた。

忌まわしい姉のことなんて忘れなさいと。」

ワーテルはおれの目を笑っていた。


「だから・・・、ごめんね。

大嫌いだよ、ニカ。」

ワーテルを止める間もなく、青い膜のような光が覆う。

「ーーー」


なぁワーテル、おれは


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