すいへいせん

すいへいせん


ここはおむらいす島。ぱわるぅというとってもパワフルなきょうりゅうが住む平和な島です。

ある日ぱわるぅがおさんぽをしていると海辺にだれかがすわっていました。

ぱわるぅがずしんずしんと駆け寄るとそこにいたのはどれいくとほおきんぐの二人でした。

二人は海をみつめていました。ぱわるぅがどれいくの顔をみてみるとかなしそうな顔でした。

いったいどうしたのかときいてみるとどれいくはこたえました。

「なぜかはわからないけどもどらなきゃいけないきもちになるんだ。ここにくるまえのことはなにもおぼえていないのに。」

「もどらなきゃっておもうといてもたってもいられなくて海にきてしまうんだ。およげやしないのに。」

「でも海をみると、すこしだけさみしいきもちになる。もどらなきゃって。でもいまさらだってきもちにもなる。なぜかわからないけど」

そうやってまた海をみはじめました。すいへいせんをみつめるどれいくのめはさみしそうな、かなしそうなめでした。ほおきんぐはそんなどれいくをみるとうつむいてしまいました。

ぱわるぅはそんなふたりをみてむねがキュッとなりました。ぱわるぅはどれいくをなぐさめようとぎゅうっとだきしめました。そしていいました。

「だいじょうぶだよ。ここにはぱわるぅやねずみピヨさんやちいさきものたちがいるよ。みんなどれいくがだいすきだよ。」

「まえのことをおもいだせなくてもだいじょうぶ。いっぱいたべて、いっぱいねて、いっぱいあそぼう。そうしたらそのうちおもいだすかもしれないよ。あせらなくていいよ。」

もちろんほおきんぐも!というとほおきんぐはコクリ、コクリとうなずきました。

どれいくはぱわるぅたちとはじめてあったのはこの海辺でした。どれいくはここにくるまえのことをなにもおぼえておらず、なぜかうみに入ろうとしておぼれてしまいぱわるぅにたすけられました。

いらい、どれいくはこのおむらいす島でくらしています。ほおきんぐはいつのまにかどれいくのとなりにいて、よくいっしょにこうどうしています。

どれいくはおずおずとだきしめかえしました。どれいくはぱわるぅよりすこしだけかたい体をしていてぱわるぅがちからをこめてもちょっとだけへいきです。

ほおきんぐもだきしめようとしましたがよけられました。やさしいだきしめかたをもっとれんしゅうしようとぱわるぅはおもいました。

するとぎゅぅうるるるとおなかがなりました。ぱわるぅとどれいくはわらいだしました。

ぱわるぅはどれいくのてをにぎっていいました。

「きょうのごはんはおむらいすにしよう。いっしょに食べよう。おやつにフォーチュンクッキーをやこう。」

ほおきんぐはうれしそうにとびはねました。どれいくはすこしはずかしそうにして

「じつはたまごが苦手なんだ。チキンライスは好きだけど。たべてくれないか?」

ぱわるぅは

「いいよ。チキンライスひとくちわけてあげるね。」

そうしてふたりはてをつなぎながらあるいていきました。

ほおきんぐはいちどだけ海にふりかえりやがてふたりをおいかけてどれいくのせなかにとびのりました。

こうして三人はなかよくおうちにかえっていきました。

おしまい。


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