じゅじゅさんぽ出張版(後編)
虎杖「あそこにいるのって……まさか」
漏瑚「ゼェ、ゼェ……まだ終わらんのか?」
真人「あと30本追加だって。とりあえず片っ端から焼いてったらどう?」
花御(ねいさ下でいなれ忘ものるけかをれだ油醤)
陀艮「ぶふぅー」
ポカ「待たせたなお前ら」
真人「あっ、テスカじゃんおかえり〜♡」
漏瑚「遅いわ貴様!何処に行っていた!」
花御(いさなり帰お)
陀艮「ぶふぅー」
虎杖「真人……!」
真人「はっ。虎杖悠仁、まさかこんな所で会うとはね」
虎杖「真人だけじゃない……交流会の時の特級……!五条先生に首持ってかれた爺ちゃんに声が似てるヤツ……!あとよく知らないタコまで……!」
漏瑚「この餓鬼、儂にそこまでして殺されたいのか……」ビキビキ
花御(そこ今をき続のい戦のあ……いい度調らなのう言とた来に処此ざわざわ)
真人「おっ、やる?いいよ。順平の時は不完全燃焼だったし、ここらで死んでもらおうかな」
陀艮「ぶふぅー!」
ポカ「おっとそこまで。オレとしては戦士は何時でも大歓迎だが、今日に限ってはいかなる戦闘行為も禁止と言った筈だ。誠に残念ながらそういう縛りなんでな」
真人「ちぇー。まあいいけど」
虎杖「ポカ……何であいつらまで此処に?」
ポカ「店番として雇ったんだよ、オレが。一人でやっていた頃もあったが斜向かいのイカ焼き屋に客を持っていかれたせいか期待以上の売上は見込めなかった。そこに通りがかったのが四人の戦士達だ。最初は趣向を変えてたこ焼き屋ってのも考えたが……」チラッ
陀艮「ぶふぅ?」
花御(……かうょしでのた見を方の艮陀瞬一今故何)
ポカ「試しにコイツの炎で焼いたトウモロコシを売りに出した結果、これが思いの外好評でな。『やみつきになる香ばしさ』『まるで肉みたいな食感』とまあ大盛況。折角だからということで四人揃って此処で働かせている訳だ。商品のクオリティに加えて特級が店を開いているってだけでも話題性は抜群だな。そら、お前らも受け取れ」
虎杖「……これ食べたら改造人間になったりしない?」
ポカ「心配するな、衛生面•安全面共に実証済みだ。まあ騙されたと思って食ってみろ」
虎杖「(断ったら面倒臭そうなことになりそうだよな……)それじゃ一口だけ……」パリッ
虎杖「!!!!!」
虎杖「う、美味っ……!!!外はパリパリなのに中はトウモロコシの旨味がホクホクに詰まってて……火傷しそうなくらい熱いけどその温度が逆に甘みとしょっぱみを交互に引き出してて……これ本当にただのトウモロコシ?」
釘崎「ふーん、味は悪くないわね(実際滅茶苦茶美味ぇけどわざわざ口に出すのはなんか腹立つから黙っとくか)」
伏黒「……」モグモグ
ポカ「お気に召したのなら何よりだ。疲れた戦士を喜ばせるのもオレの仕事の内だからな」
真人「ねえねえ、俺達そろそろ抜けて良い?ずっとこのままでいるの飽きたんだけど」
ポカ「ん?そうか。ご苦労だったなお前ら。もう行っていいぞ。謝礼は後で個別に送っておく」
真人「わーい、やった♪」
漏瑚「やれやれ、漸く解放されたか……訳の分からん作業と人間共に奉仕するなどという屈辱、金輪際二度と味わいたくないが……」
ポカ「ただし漏瑚お前は駄目だ」
漏瑚「何故だ!?」
ポカ「トウモロコシだけなら他所から幾らでも調達出来る。だがあの絶妙な焼き加減だけはお前の炎以外では再現出来ん。悪いがもう少し付き合ってもらうぞ」
漏瑚「なっ……」
真人「それじゃ漏瑚、お先に失礼ー」
花御(ねいさ下てっ張頑)
陀艮「ぶふぅー」
漏瑚「おい待て貴様ら!何処に行く!儂だけ置いて行くでない!」
伏黒「ん……彼処にいるのは真希先輩達じゃないか?」
虎杖「あ、本当だ!それじゃ俺達も行くね。トウモロコシ御馳走様、美味かったよ」
釘崎「潰れないといいな」
ポカ「ああ、またな。限りある休息だ、せいぜい楽しめ。……とは言っても、お前にはまだ付き合って貰うがな。そうだろ、漏瑚?」
漏瑚「……何故儂だけこのようなことを……」
ポカ「呪うならば己の優秀さを呪え。この店の行く末は最早お前にかかっていると言ってもいい。それにオレはお前に戦士として期待してるんだぜ。この程度の試練くらい乗り越えられなくてどうする。ほら、頑張れ頑張れ」
漏瑚「テスカトリポカ……貴様だけはいつかこの手で殺す」
ポカ「ほう、それは楽しみだ。ならばお前好みのステージを用意せんとな。なに、存分に暴れられる設計にしてやるから心待ちにしておけ」