この煩悩を旧時代に捨てていく

この煩悩を旧時代に捨てていく

おそらくおれの性癖は半コテ化している いいのだ 性癖の地獄はこれでいいのだ(ご乱心コブラ王)

今年最後の日なので懺悔します







おれは不当な読者、くまでシコっていた


S-ベアから目覚めた口なんだが、ここ最近くまの過去が開示されていくとともにだんだんシコれなくなってな……

より正確に言えば、くまの過去で解放された新形態に劣情を抱く→劣情が掻き消えるレベルの壮絶な展開をお出しされる→新形態に劣情→壮絶展開で劣情リセット→……を繰り返した挙句、此度の聖夜ですっかり劣情がへし折られた、という形だ

「クマ耳巨乳」とか「男に乗られて四つん這いになった姿が公式でお披露目された」とか「なんで胸元のはだけてるくまってこんなにえっちなんだろうな」とか言ってる場合じゃなかった

何の落ち度もなく苦しみ、家族も故郷も愛する人も果てには自我すら失ってもなお、皆を愛し皆に愛され、度重なる苦境を耐え忍び自分の人生を駆け抜け続けた聖人に、おれは本当に、本当になんと罪深いことを

不当な読者の猛者たちよ、後は頼んだ













まァそれはそれとして、


カントボーイのくまってめちゃくちゃ滾りませんか???


先ほどあんなことをつらつら述べておいてすいません本当に

でもこれだけは吐き出させてくれ、この邪な気持ちを抱えたまま年を越すわけにはいかないんだ


これはただの言い訳なんですが、おれはカントボくまのことは神像とか宗教画みたいな「厳かで美しいもの」として捉えています 決して乱れたえっちな姿が見たい訳ではないんです むしろ汚れ知らず快楽知らずのまま、身体も精神も無垢なままで生きていてほしいぐらいなんです

その上でおれは、通りすがりのモブになってうっかりその裸体を目撃してしまいたいんだ 場所も夜の路地裏とかそんな治安の悪いところじゃなくて、木漏れ日の差す朝の森とかそういう性のにおいとは無縁な場所で

とりあえず深い森の中で、人目に隠れて水浴びしてる姿を目撃してしまいたい まだ空の白く空気の澄んだ早朝、冷たく清らかな泉にて、朝日に照らされながら一糸纏わぬ姿で水浴びしている一人の男 男は油断しているのか、あるはずのものがない身体を無防備に曝け出していた

それは青年期の純朴な姿だったかもしれないし、あるいは壮年期の精悍な姿だったかもしれない いずれにせよモブおれは、おれより何倍も大柄で逞しい肉体と、その肉体とは対照的な穏やかで自然に力の抜けた表情と、股座で柔らかな毛を僅かに伴い慎ましく閉じられた花びらを偶然にも見てしまうんだ

その瞬間おれの頭の、多分壊れちゃいけないところが、ほんの少しだけ「ぱき、」と音を立てた

巨躯を目前にしながらもそこに恐怖はなく、ただ荘厳な大聖堂の内部を呆然と眺めるような気持ちと、それだけでは説明のつかない奇妙な熱をおれは抱くんだ だからと言って「ヨッシャ襲いにいこ」という気持ちには一切なれないし、仮にもし同じものを見た共犯者がいたとして、そいつがそんなこと言い出したらおれが殺してでも止める

おれにできることといえば、彼に見られないよう物陰で指を組んでひざまづき、静かに祈りを捧げることだけだ

何に祈るというのか?それは分からない ただ、神でも目の前にいる彼でもないことは確かだ

どうして祈るのか?「厳かで美しいもの」を見てしまったから?本当にそうだろうか、それだけだろうか

そんなおれの奇行を彼の目に映すわけにはいかないから、おれはその場をひっそり立ち去って、この秘密をずっと胸に秘めたまま生きていくんだ

くま本人は水浴びの間、最後までモブおれの存在に気がつかないものとする 百歩譲っておれが立ち去った後に「…誰かいるのか?」とおれのいたところに振り向くぐらいはあるかもしれない でもこの瞬間だけは、おれ達は絶対に対面してはいけないんだ、そうでもないと多分おれが耐え切れなくなる

モブおれは元々くまと面識があってもいいし無くてもいい

面識があるなら、穏やかで優しい牧師のあんちゃん〜おじちゃんの人目に晒されてはならないところを見てしまったことで脳みそをぐちゃぐちゃに破壊されたい 勤勉に牧師さんやってる姿、じいちゃんばあちゃんの肩こりや疲労を取ってやってる姿、ジニーちゃんと仲睦まじくしてる姿、みんなの助けを借りて育児に勤しんでいる姿、そんな彼の本当にいつもと変わらない姿を見てるのにおれは「でもこの人の股座には、おれと違うものが、しっとりとやわらかい『女性』が」とか考えちゃって死にたくなるんだ

面識がない場合はどうか おれにとってあれが、バーソロミュー・くまを生で見た最初で最後の鮮烈な思い出になってもいい 後ほど改めて知り合い彼の人となりを知って、それでもあの姿がいつまでも焼きついて離れないのもいい

くまちーは優しいから、交流を続けていく内に取り繕ってるおれの煩悶を目ざとく見つけてしまうのかもしれない でもおれは絶対に言わねェ、言える訳がねェ

どれだけ怪しまれようと最後までずっと隠し通し続けるし、手を出すような真似も絶対にしない 彼を取り巻く他の人々みたいに、彼を支えて彼と笑って、力及ばず彼の人生を見届けるんだ






こんな煩悩を、独りよがりの劣情を抱えたまま年を越すわけにはいかなかったので、供養の意味も込めておれの邪念とこのテレグラフを旧時代に捨てていくこととする


嘘です ホンマは行き場の無くなったこの劣情を共有して誰かを道連れにしたかっただけです

煩悩の塊みてェな煮凝りに住まう皆様方、良いお年を

そして来年も共に性癖を煮詰めよう

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