こどもの日の決戦!

こどもの日の決戦!

モテパニ作者

ダークドリーム「屋根よーりたかーい鯉のぼり〜」

みなみ「大きいまごいはーおとうさーん〜」

のどか「小さいひごいーはー子供たーち〜」

『おもしろそーに泳いでーる〜♪』

今日はこどもの日。

この日品田家ではダークドリームがのどかたちを呼び賑やかせていた。

みなみ「今日こどもの日は端午の節句といって元々は病気や悪いものを遠ざける厄除けの日なの」

まなつ「へ〜。それがなんで男の子をお祝いする日になったの?」

みなみ「その行事で使われている菖蒲の花の形がお侍さんの刀に似ていたり言葉の響が勝負に繋がって男の人の縁起物になったのが理由とされているわ」

ダークドリーム「さすがみなみ。かしこい」

いつものように行事の由来を説明してくれるみなみ。

拓海「柏餅できたぞー」

『わー♪』

拓海「今日は円も同じ物持ってきてくれたから量多めだ」

亜久里「いつも貰いっぱなしでは悪いとお祖母様に持たされましたので」

のどか「そうだよね…いつも手ぶらなのはいけないし、わたしもなにか持ってきた方がいいよね」

まなつ「じゃあわたし今度トロピカルメロンパン持ってくるー!」

拓海「いいって。みんなが来る時は俺がなにか準備するし、お土産がなきゃなんてなったら気軽に来れないだろ?ダークドリームの相手してくれるお礼だと思ってくれ」

ダークドリーム「そうそう」

みなみ「(のどか達を妹と呼び始めてからダークドリームもいい意味で図太くなってるわ)」

シスター5なるものを結成して以降ダークドリームは自分の扱われ方に慣れてきた様子。

前までは子供扱いされると不満をちらつかせていたが、姉という上の立場に立ったからか流せるようになってきている。

これも成長の一つか…

そして柏餅を食べ始める。

ちなみにゆいの分は取り置きしてあるので問題無い。

食べ進めていくと。

ダークドリーム「あれ?もう一個?」

拓海「さすがに六人で分けるとな。俺はもういいから好きにしていいぞ」

のどか「わたしももういいかな…」

みなみ「私も、むしろ食べ過ぎてしまったかもしれないわ」

亜久里「ま、まあ。一流のレディとして食べ過ぎはよろしくありませんわね」

六人中四人が辞退、となれば…

ダークドリーム「私かまなつ、どっちかというわけね」

まなつ「勝負だね!」

残された二人が向かい合った。

拓海「じゃあてきとうにじゃんけんでも…」

まなつ「チッチッチ、それじゃあ面白く無いよ」

ダークドリーム「ええ、せっかくのこどもの日なんだからふさわしい対決でね」

二人が意味深に笑い。

まなつ「じゃあやろうか!」

ダークドリーム「ええ、あれで」

リムまな「「新聞紙チャンバラで!」」

〜〜〜

ルールを説明しよう!

これからお互い新聞紙で刀と兜を作り、それを身につけて刀で兜を落とした方が勝ちだ!

ぶっちゃけ今てきとうに考えたぞ!

のどか「ダークドリームちゃん作るの上手いね」

ダークドリーム「ワクワクモンダーで作ってたもの」

みなみ「それって今週?」

拓海「いや、けっこう前こどもの日関係ない日に」

亜久里「まなつも様になってますわね」

まなつ「うん!南乃島にいた頃年下の子達とよくチャンバラしてたからね!」

ダークドリーム「経験ありと。つまり私が不利、のぞむところよ!」

こうして刀と兜を作成して向かい合う。

とりあえず周りを片付けてまとまったスペースを作った。

亜久里が二人の間に立つ。審判を務めるからだ。

といってもやる事は開始を告げるだけだが。

亜久里「はじめ!」

ダークドリーム「やぁぁぁ!」

開始とともに先手を取るのはダークドリーム。

変身状態でなくても高い身体能力を持つダークドリームは素早く踏み込みまなつの頭の兜目掛けて打ち込みを入れる。

しかしその打ち込みは空を切った。

まなつが避けた訳では無い。

刀が、折れた!

過ぎたるは及ばざるが如し。

ダークドリームの身体能力に武器がついてこれなかったのだ。

まなつ「隙ありー!」

返しの突きでまなつはダークドリームの兜を突き飛ばした。

亜久里「勝負あり!勝者まなつ!」

のどか「ふわ〜まさか折れるなんて」

拓海「結局は即席の新聞紙製の刀だからな。思いっきり振り回せば脆いもんだ」

亜久里「逆にまなつは見事でしたわ」

みなみ「空気抵抗の少ない突きで的確なカウンター。経験の差が出たわね」

まさしく完敗、それにダークドリームが取った行動は…

ダークドリーム「もう一回お願いします」

『ええ…』

頭を下げて再挑戦を求めた。

まなつ「うーん、わかったいいよ」

ダークドリーム「ありがとう」

のどか「いいんだ」

拓海「まあ初見殺しみたいなもんだったしな」

亜久里「相手のミスで勝ちを拾うのではなく、しっかり決着をつける。立派な心がけですわ」

みなみ「それじゃあダークドリームは改めて刀を作り直しね」

それから改めて刀を作り直すダークドリーム。

しっかり作るが、それでもやはり強度は大差無い。

戦い方を改めねば。

亜久里「はじめ!」

再び開戦する。

仕掛けたのは今度もダークドリーム。

先程の反省を活かして突きで攻める。

しかし突きは空気抵抗が弱いのに比例して攻撃面積も狭い。

しかも今回は狙うのは兜のみ。

見え見えと言っていい攻撃、捌くのは難しく無かった。

しかしそれはまなつも同じこと。

先程の綺麗なカウンターは通用しないと悟り、防戦に徹する。

だが無策では無い。

確かに突きは空気抵抗が振り払いに比べて弱いが、ピストンマシンでは無いのだから常に一定間隔で突き続けられるわけではないのだ。

激しく突いていけばやはり負担がのしかかっていく…

まなつ「そこだー!」

まなつが自身の刀でダークドリームの刀を払う。

強度を失っていたダークドリームの刀が再び折れ、返す刀で兜も一緒に切り払われた。

まなつ「ヴィクトリー!」

勝敗は、まなつの完全勝利で終わった。

〜〜〜

まなつ「おいし〜い」

のどか「まなつちゃんすごかったね」

そしてまなつは最後の柏餅を頬張る。

勝利というスパイスも合わさり最高の味だ。

拓海「ま、元気出せよ」

ダークドリーム「…いいもん、不利なのは最初からわかってたし」

そしてその場にいる者はまなつを褒めるもの、ダークドリームを慰める者に分かれていた。

そんな風に何気なく日常は過ぎていった…


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