ここだけウタが七武海の世界線7
「この戦争を、、、」
「お、終わらせに来た!!」
ドン!!
「············シーン」
「やっぱり変な目で見られちゃったじゃん!!」
涙目でアインは文句を言った。
「ごめんごめんって、次はもっと伝わりやすくするから。」
「そういう問題じゃないってウタ。ポカポカ」
アインがウタを弱めに叩く。
「分かった分かったから。ふふっ」
「笑わないの!!ウタ!早くみんなを止めるよ!」
「はいはい。じゃあみんな行くよ!『新時代』!」
歌声がみんなに響く。

部下が敬礼し、一気に動き始める。
クロコダイルやルフィを含め、争っていた人達全てが一瞬で眠っていった
アインは初めて近くで聞いてその声に魅了された。
(すごい、、、そういえばしっかり聴いたのは初めてだっけ。)
見惚れてしまったが、ウタのテンションに合わせられるよう精神年齢を下げる為に使った能力を解除し、
気を取り直して部下に命令した。
「目標のB.W社社員を捕らえよ!」
「「はっ!!」」
部下が敬礼し、一気に動き始める。
〜ウタワールド〜
突然別の空間に転移させられたアラバスタの民はざわついた。
「みんな安心してね〜!悪い奴らは全員捕まえたから!!」
みんなを安心を出来るようにウタはみんなに届く声で言った。
しかし、、、
「あの人ってクロコダイルと同じ七武海の、、、」ヒソヒソ
「あいつもどうせ偽善者だろ」ヒソヒソ
同じ七武海であるクロコダイルに裏切られたアラバスタの民には受け入れられてなかった。
その時だった。
「ウタ!?お前ウタだろ!!」
突然人が飛んできた。
それが誰か理解するとウタは叫んだ。
「ルフィ!?」
それを聞くとまた人々は騒ぎ始めた。
「ルフィさんの知り合いなら信用していいのか?」ヒソヒソ
「というか気が付いたら傷が治ってる。」ヒソヒソ
周囲の騒ぎは無関係のごとく、ルフィはウタに話す。
「ウタ久しぶりだな〜、あいつを倒せても俺にはみんなを止められなかったから助かったよシシシ。」
ウタは下を向く
「私は、ビビさんの邪魔をしただけだよ、、、あの声は全員に届いていたはずだし、、、。」
(あの声は私には真似出来ない、、、。)
ウタがあれと同じ程強く願ったのは「あの時」だけだ。
「ん~きっかけを作ったと思えば良いんじゃねぇか?」
その「言葉」にウタは目を見開き苦笑する。
「そうだねルフィ。じゃあ、ビビさんに話してもらおっか。」
「今笑ったな!俺の方が183連勝中なんだぞ!!」
「私の183連勝中です〜。出た〜、負け惜しみ〜。」
その時青い髪をした女性が戸惑ったように声をかける。
「あの〜、私はどうしたら?」
その声に二人は反応する。
「あっ、ビビさん!!」
「おっ、ビビ!!」
ウタは場を乱していた事を謝る
「すみません、久々に幼馴染と出会ってしまって。ルフィあっち行こう!」
サッとどっかに行ってしまった二人を見てビビは苦笑いするしかなかった。
そして民衆に向かい合って言った。
「皆さんお話があります。」
〜ウタワールドの離れ〜
「そういや、お前さ急に居なくなったよな?音楽家になるって聞いていたんだけどよ、急に居なくなって寂しかったんだぞ。」
それを聞くとウタは泣きだした。

「わ゛た゛しだってさ゛びしかったよ゛!!急に゛置いてい゛かれるし、島はシ゛ャンク゛スに滅ぼされた゛っていわれ゛るし!」
そう言いルフィに抱きついた。
「シャンクスがそんな事するはずがないだろ?」
慰めるようにルフィは言う。
「グスン、、、ありがとうルフィ。会えたらシャンクスに直接聞いてみるよ。」
ルフィは話題を変えた。
「ウタは七武海になったんだっけな、新聞で見たぞ。」
「うん!悪い海賊を捕まえるとっても良い海賊、、、のハズ。」
現実世界で連行されるクロコダイルをちらりと見て最後は少し濁した。
そしてウタはこう言った。
「ねぇ、ルフィ。海賊やめなよ、、、とは言わないけど悪い事はしないでね。」
ビビの演説を聞き、ルフィがこの国を助ける為に戦っていた事は理解した。
(すごいなルフィは、ルフィはいつも私の心の支えだ、、、。)
「分かんねぇ!!仲間が囚われていたらインペルダウンをぶっ壊しに行くかも知んねぇ!!」
ルフィらしい答えだ。
「じゃあ私も仲間の為ならルフィだって捕まえちゃうよ〜。」
ウタが笑い、それに釣られてルフィも笑う。
「はぁ〜、笑ってちょっと眠くなっちゃた。ルフィ、膝枕してくれる?」
ルフィは快諾し、ウタは膝の上に頭を乗せる。
がっしりしている男の人の足だ。
(ルフィも大人になったんだな。身長はまだ抜かされてないよね?)
膝の上が心地よくてすぐにウタは寝てしまった。
〜現実世界〜
目が覚めるとアインの顔が1番最初に目に入った。
「目が覚めたんだウタ。」
アインが膝枕をしてくれていたのだ。
ウタはすぐに起き上がって言った。
「ごめん痛くなかった?」
「ううん全然大丈夫。怪我人は全員治療終わって。B.W.社の人達は捕まえ終わったよ。」
その時声をかけられた。
「あら、ウタちゃん起きたの。」
「たしぎさん!!」
書類の整理などをアインと一緒に手伝ってくれる人だ。
「たしぎさんも来てたんですか?」
「うん、、、あんまり役に立たなかったけどね。」
一瞬悲しそうな顔をしたが振り払って
「クロコダイルを倒したあなたに勲章が渡される事になったわ。」
「クロコダイルを追い詰めたのはルフィですよ、、、?」
ウタは不思議そうにした。
「貰える物は貰ったら?ウタ。普通の海賊には流石に渡せないだろうし。」
それを聞いてウタはありがたく貰う事にした。
「パーティーもあるから準備しててね。」
たしぎはウインクして言って去って言った。
「じゃあ、私達も戻ろっか。」
「そうですね夜は冷えますし。」
船に戻ると逃げようとする人影があった。
「一人でも逃げてやるんだガネ。」
錠をつけているはずなのにどうして逃げ出せたのだろうか。
「待て!!」
「待つ訳ないんだガネ、、って速っ!?」
ウタは右手で捕まえるがその手に攻撃を食らってしまう。
「痛っ」
「ウタ!?おい貴様!モドモド!」
アインの口調が荒くなっていた気がしたが、幼児にする事で楽に捕まえる事が出来た。
「インペルダウンは観念だガネ〜。」
「うるさい!ウタ大丈夫?」
黙らせてアインは聞いた。
「うん、ちょっと切れただけ。」
右手の手のひら側からかなり血が出ていた。
「治療するから待っててね。」
包帯で巻かれすぐに止血された。
「もう逃げないから許して欲しいだガネ〜。」
おまけ
〜数ヶ月後海軍本部〜
頂上戦争などゴタゴタしてかなり舞踏会の予定がズレてしまった。
傷はほぼ治っているが隠しておいた方が良いだろう。
「ねぇアインどっちが似合うと思う?」
「どっちもカワイイと思いますよ。」
「かッ、カワイイ!?」