ここだけウタが七武海の世界線13
〜とある僻地〜
エースは目を覚ます。
「・・・ん、ここは、、、?」

「起きたのね。」
見知らぬ人に身構える
「あんたは、、、?というか俺は死んだはずじゃ···!?ハッ!!!オヤジは!?」
アインは首を横に振る。
「そう···か···。」
エースがうなだれる。
そこに無情の一言を告げる。
「恐らく原因は黒ひげ海賊団のせい。」

その名前を聞くとエースは飛び出そうとする。
「退いてくれ!!!」
扉の前を塞ぎながら言う。
「自分の姿を見てみなさい。」
エースは鏡を見る。
「は!?」

「あなたは死んだ事になってる。しばらくは身を潜めなさい。」
そう言ってアインは部屋を出る。
「おい!?この姿は!?」
エースの声が一人の部屋に響き渡る。
〜頂上戦争数日後〜

「なんで···ウゥ···どうして······グスッ···。」
アインが部屋越しに声をかける。
「じゃあ、追悼式に行ってくるよ。」
「······行ってらっしゃい。」
「ちゃんとご飯食べておいてね。」
〜翌日〜
「これから巡回してくるね。」
「······分かった。」
「昨日、ご飯に手を付けてなかったでしょ。ちゃんと食べてね。」
〜翌々日〜
「今日は任務行ってくる。」
「······」

「ほとんど何も食べてないじゃん。」
「あんまり食べる気に···なれない。」

(ウタ···。)
〜海軍教習艦ホワイトタイガー号〜
「お久しぶりです、ゼファー先生。」
ゼファーが喜んで迎える。

「よく来たなアイン。ゆっくりしていくといい。」
アインが訓練しているみんなを見る。前回出発したときより格段に体の動きが良くなっている。
同僚のビンズに聞こえるように言う。
「皆、頑張ってますね。もちろんビンズもね。」
ビンズが胸を張る。
「今はお前の代わりにゼファー先生を支えているからな。」
さて、と言いゼファーが立ち上がりながら言う。
「久しぶりに手合わせするか!!!」
その言葉にアインは目を輝かせる。
「はい!!!」
手合わせが終わったあと、ゼファーが話しかける。
「どうした悩みがあるのか?」
「ゼファー先生はすごいですね。なんでも気づいちゃうんですから。」
簡単そうに言う。
「何年間、お前の面倒を見たと思ってるんだ。」
アインが口を開く。
「実は―――」
〜数時間後ウタの自室〜

「シャンクス···なんで···どうして···?」
扉を叩く音がした。
「ウタ〜、入るよ。」
ウタは入って来ようとするのを止めようとする。
「え、、、?ちょっ···!!!」
扉を閉めようとしたところをアインが無理矢理入ってくる。
「ちょっと一緒に外に行かない?」
「そんな気分じゃ、、、」
出るのを拒否しようとすると、
「モドモド!」

「ちょっと!!!勝手に···!!!」
アインがウタをおぶさる。

「私のおすすめの場所に連れていってあげる!!!」
ウタを背負ったままアインが丘の上に登っていく。
ウタが聞く。
「どこ行くの!?」

「着いてからのお楽しみ!!!」
そう坂を走りながら言う。
「私そんな気分じゃないってば!!!」
だが気に介さず鼻歌を歌う
「♪〜♪〜♫♪〜♫〜♪」
「こら!!!鼻歌を歌うな!!!」
〜〜〜〜
しばらく丘を登り、頂上に辿り着くと一気に視界がクリアになる。

「着いたよ。ここが私のお気に入りの場所。」
街の景色にウタは言葉を漏らす。
「キレイ···。」
「モドモド。」
アインがウタを下ろして元の姿に戻す

「この家一つ一つに人が住んでいるんだよね···。」
アインが答える。
「そうだよ。この前の頂上戦争で半分ほど壊れてるけど···。」
ウタは落ち込んでしまう。
「街を守りきれなかったな···。」
「そう?まだ住めるのは、ウタが頑張ったからだと思うよ。」
「そんなこと······ない。」
「私がもっと強ければ、みんなを危険に晒さなかった。」
「私は弱いよ···。私はみんなを幸せになんて出来ない。」

「···っ。」
息を吸い怒鳴る。
「しっかりしなさい!!!」

「あの時、私に言ったあなたの夢は何!?嘘なの?この嘘つき!!!」
釣られてウタも叫ぶ。

「嘘なんかじゃない!私の、私の夢はみんなが平和で自由に暮らせる新時代を作る事!!!それが私の夢!!!」
その言葉を聞きアインは微笑む。
「ちゃんと言えたじゃん。」

「その夢絶対に叶えなさいね。」
ウタは下を向いてしまう。
「だけど私は弱いし、、、」
簡単そうに口を開いて言う。
「だったら強くなればいいでしょ。」
涙を堪えながら聞く。
「どうすれば良いかな、、、?」

アインはにっこりと笑う

「私を頼りなよ、親友でしょ。」

「うん、、、!!!」
「私、四皇全員ぶっ飛ばせるほど強くなるよ····!!!」
歌姫の涙が丘の上で夕日に照らされる
〜to be continue〜