お風呂とうちょR18
限界だ。無理だ。
目を瞑り天井を軽く仰いだ。だって考えても見てくれ。俺とシャワーの捻り口の間にスペースがないにしろ、背中から手を伸ばして腹筋や胸筋にボディソープでぬめりを持った指が這って回り、そのうえ力の入っていない柔らかな胸筋を背中に感じてしまっている。これで反応しない18歳がいればそれはもう不能と呼んだっていいだろう。というか、これは、俗に言う。ソープとかそういうのにあたるだろうが。思考がどんどん変な方向に染め上げられていく。もはや気をそらすのは限界だった。
「…脹相…」
白い手首を掴み、その手を勃起してしまった陰茎へと触れさせた。途端に指が怯えたようにびくんと跳ねて伸びる。その反応すら興奮を煽った。
「な…なぜ」
「何故じゃねえよ…」
顔に熱が溜まるのが分かり、目の前の鏡を見れば赤くなった自分の顔とそれ以上に真っ赤に染った脹相の顔があった。ああ、だめだ、我慢の限界だ。
「…ここも、洗ってくんねえか。」
我ながらおっさん臭い発言だと思ったが、仕方ない。白い指がそっと陰茎を握り一度上下に擦られる。は、と息を吐くもそこで手が止まったために鏡越しに脹相を見た。
完全に、表情が固まっている。
「え、…ど、どうした?」
「……で、でかすぎないか?」
「あ、ありがとうな?」
「いや、待て…待て、待て…でかい…怖いんだが…え、でかすぎるだろ、いやいやいや…」
珍しくよく喋る脹相の怯えが痛いほどに伝わった。基本的な知識があるために、これを尻に入れるという事実に怯えてしまっているのだろう。
「……嫌か?」
「いや、嫌とかそう言う問題じゃないだろこれは。」
「…手でいいから…脹相…頼む、きついんだ…。」
頭を相手の肩に擦り付けて甘えてみた。こいつは案外甘えられるのに弱い、兄として生きてきたからこそそういった態度に弱いんだろう。
緊張からか冷えきった指先が、再度愚息を握り動き始めた。与えられる刺激が自分でやるものと違い頭が茹だるような感覚を覚える。首を捻って相手の濡れた顬へと口付けた。しっとりとした感触が気持ちよく、軽く歯を立てるとびくりと肩が動く。
可愛い。好きだ、愛してる、俺のもの。俺のものとなった脹相が、俺の陰茎をしごいている。
「はっ…、…っ、脹相……ッ…」
「…き、気持ちいい、か?」
「ああ…最高だ…っ…、」
脹相の視線はずっと陰茎へと向けられている。初めて触る他人のものだ、痛くないようにしようと必死になっている。その懸命さがまた愛しかった。
「あ、ぁー…イきそう、だ…っ」
「…葵…、」
ぶるりと身体が震えた。脹相が身を乗り出して唇を触れ合わせてくるので、舌をねじ込みながら強ばる感覚を逃がすように相手の腕と後頭部に手を回した。指先に自然と力がこもり、求めるように唇を貪る。動きが早まった手淫に、呆気なく精液を腹筋へと飛ばした。
「ッ〜〜…、ッ…く、……はぁ…ッ…」
「ッ……」
脹相は、目を見開いて絶頂する俺を見つめている。精液の量にも驚いている様子だった。健全な18歳の性欲を舐めてもらっては困る。
ゆっくりと落ち着きを取り戻した体から力が抜けていく。
「…葵…」
「…ん?」
「…いっぱい、出たな…気持ちよかったか?」
脹相の色っぽく低い声が耳元で響いて、また反応しそうになる陰茎から気を逸らそうと深く息を吐いた。
「あぁ…気持ちよかった。あとは自分で洗う、ありがとな。」
ちゅ、ちゅといつもより音を立てて口付けるとどこか嬉しそうに笑う顔が見えて、愛しさが胸に溢れた。
早く抱いてやりたい。そんな邪念を抱きつつ身体を洗い進めた。