お猿のましろと戦うお供、ハラハラ大激戦後半戦
モテパニ作者そして場面は移り。
ましろ(お猿)「ウッキ…」
キチキギス「チチャァ…」
なんとか猿のましろ達を撃破したプリキュア達。
プレシャス「強かったー、後は拓海がどこにいるかだけど…」
スパイシー「この様子だと聞けそうに無い…」
ダークドリーム「でも手加減できる相手じゃなかったし、下手したら私たちの方が負けてた」
ウイング「拓海さんも心配ですけどまずはムーンライトの加勢に行きませんか?いくらムーンライトでもこいつらくらい強いやつ相手に一人は危険ですよ」「その必要は無いわ」
その会話に返答する声が聞こえる。
『ムーンライト!』
その元はムーンライト、気を失ったイイネイヌを連れて戻ってきたのだ。
ヤムヤム「はにゃ〜すっご、ほんとに一人で倒しちゃうなんて」
ムーンライト「想定より強かったけれど、それでも敗れるような相手では無かったわ」
スカイ「さすがです!」
ムーンライトの無事に安心するプリキュア達、そんな中プリズムは難しい表情をしていた。
プリズム「おかしいよ」
フィナーレ「何がだ?」
プリズム「お猿のわたしはもう気絶してるのにこうやってまだいる事が、わたし達は意識が無いとわたしの中に戻るはずなのに」
ヤムヤム「そーなの!?」
プリズム「うん。わたし達は言ってしまえば強い自我が自分を形作ってる。だから意識を失って自我が発揮出来なくなると体を保てなくなっちゃうの」
バタフライ「増えてる方のましろん達が寝る前に消えちゃうのってそういうことだったんだ」
フィナーレ「つまり、このましろはやはり普通の状態というわけだな」
そう推察しているとその答え合わせをするように猿のましろから何かが現れる。
マシマシラ「マシャ…!」
スカイ「このお猿さんが、ましろさんを操っていた正体!」
出てきたのはマシマシラ。
イイネイヌ、キチキギスの仲間であった。
どういう事をしたかはわからないが、猿のましろに乗り移っていたようだ。
その証拠にマシマシラの抜けた猿のましろは消えていく。
マシマシラの姿を確認したみんなは一斉に構える。
戦いはまだ終わっていないと。
マシマシラは状況を整理する。
__なるほど勝てない。
先程の戦闘、自身の力全てを与えていた猿のましろが餅を食いパワーアップした状態で、キチキギスと組んだ上でムーンライトを欠いた時に勝てなかったのだから、パワーアップすらしていない今のマシマシラに勝てる道理などない。
"今のままでは"
マシマシラ「マッ!」
だから勝てる手を取る。
額に巻いた鎖を素速い動きで伸ばし、イイネイヌとキチキギスを引き寄せる。
構えていた分自分達への攻撃でなかったためにプリキュア達の行動もワンテンポ遅れる。
ムーンライト「ッ!」
唯一反応できたのはムーンライト、鎖に向けてフォルテウェイブを放つが、逆に弾かれてしまう。
ゆり「ッ…!」
プレシャス「ゆりさん!?」
ゆりの変身が解ける、力を使い果たしたのだ。
イイネイヌとの戦い、圧倒していたようで薄氷の勝利だった。
ダメージを通すために常に全霊の攻撃、フォルティシモに二発のフォルテウェイブ。
三発目のフォルテウェイブを十全に放つほどの力は残っていなかった。
そんなゆり達を尻目にマシマシラは謎のオーラを出してイイネイヌとキチキギスを取り込み姿を変えていく。
筋肉が膨れ上がり、翼も生える。
その強大な雰囲気だけでわかる、先程戦った相手より強いと。
それを果たしてムーンライトを欠いた状態で勝てるか…
ゆり「仕方ないわね」
ゆりは変身に用いるココロポットを取り出し、ココロポットは眩く輝く。
マシマシラ「マ…!?」
ゆり『プリキュア・オープンマイハート!』
ゆりは再びムーンライトへと変身する。
しかもそのオーラは、
スカイ「す、すごい!さっきより大きい力を感じます!」
ムーンライトは以前ダークプリキュアに敗れ、プリキュアの変身の元であるプリキュアの種を半分失い変身ができなくなっていた。
それをブロッサム達が集めた心の種を収納したココロポットの力でそれを補い変身していた。
しかし今はダークプリキュアからプリキュアの種を取り戻し、ココロポットの力を借りる事無く変身が可能だ。
ならば、"今この状態でココロポットの力を借りたら?"
先程の最強のプリキュアの話をしたが、自分は自信を持って言おう。
最強は今のこのムーンライトだと。
マシマシラ「マッ!」
マシマシラは駆ける、先程のキチキギスより速く。
それをムーンライトが迎え撃ち、拮抗し弾き合う。
バタフライ「みんな行くよ!『ミックスパレット!2つの力を一つに!レッド!ホワイト!元気の力、アゲてこ!』」
バタフライの力でみんなの力をアゲる。
ムーンライトとマシマシラの高速戦闘は続く、そしてその戦闘に加わる影が一つ。
ウイング「はぁぁぁ!」
マシマシラ「マッ!?」
マシマシラはそれを必死に避ける。
今のマシマシラならはっきり言えばウイングはそれほど脅威ではない。
しかしそれは目の前にムーンライトがいなければの話だ。
少しでもウイング手こずればその次の瞬間にムーンライトにやられる、そう確信しているからだ。
打撃戦を行っていたマシマシラだったが、ウイングを意識しながらでは分が悪いとみて距離を取る。
マシマシラは周囲に無数の闇色のエネルギー弾を放った。
ヤムヤム『プリキュア・ヤムヤムラインズ!』
フィナーレ『プリキュア・フィナーレブーケ!』
プリズム「やぁぁぁ!」
それを後方にいた遠距離攻撃組が相殺する。
そしてその隙にムーンライトが迫る!
衝撃を纏った拳でマシマシラを襲うムーンライト、それにマシマシラは正面から全力の力で挑む。
マシマシラ「マッシャァァァ!」
凄まじい威力のぶつかり合い、それを制したのは…
ムーンライト「……!」
マシマシラ「シ…!」
制したのは、マシマシラ!
パワーアップしたイイネイヌよりさらにパワーを上回ったマシマシラのパワーはパワーアップしたムーンライトをも僅かに上回った。
だが、それでいい。
スパイシー『ピリッtoヘビーサンドプレス!』
バタフライ『ひろがる!バタフライプレス!』
ムーンライトを迎え撃つために全力で迎撃した、他には目もくれずにだ。
その隙はあまりにも致命的。
プレシャス『2000キロカロリー…』
スカイ『ヒ〜ロ〜ガ〜ルスカイ…』
『『パンチ!』』
拘束されたマシマシラにお見舞いされる大技。
プリキュアきっての力自慢二人の同時攻撃、マシマシラも大ダメージを受ける。
追撃は終わらない、追いかけて来たのは、ダークドリーム!
しかしマシマシラはダメージこそ受けたものの拘束から抜けた事で少し余裕ができた。
ダークドリームの戦術は先程猿のましろを通してもう知った。
『ダークネス・アタック』程度の技なら周りに注意を向けた上で迎撃できる。
だからダークドリームもここで一つ壁を越える!
ダークドリーム「はぁぁぁ!」
ダークドリームは自分の力を周りに顕現させる。
そしてそれを硬質化させていく。
これは…!
ダークドリーム『プリキュア・クリスタル・シュート!』
マシマシラ「マ!?」
その技は彼女のコピー元キュアドリームの大技。
かつてダークドリームを含めたプリキュア5のコピー達はプリキュア5の力と姿をコピーした、しかしアイテムと心をコピーできず、その差で敗れた。
この技は本来キュアドリームがドリームトーチというアイテムを使って初めて使える技であり、当然ダークドリームもこの技は使えなかった。
ならば何故今使えたか、推測を立てるならダークドリームは元々クリスタルから産まれた存在、クリスタルを使用するこの技と相性が良かったのだろう。
そしてもう一つ、プリキュアは成長するから!
マシマシラ「マシャァァッ!」
予想外の大技を喰らい地に伏せるマシマシラ、今が好機!
ムーンライト「今よ!」
とどめの準備は整った、ならば今この場で出せる最強の技を!
コメコメ「コメコメの力をみんなに!」
『パーティキャンドルタクト!』
プレシャス「笑顔のパワー!」
スパイシー「分け合うパワー!」
ヤムヤム「情熱のパワー!」
フィナーレ「正義のパワー!」
コメコメ「プリキュア、パーティア〜ップ!」
『心を一つに!』
『プリキュア・ライト・マイ・デリシャス!』
マシマシラ『お腹、いっぱ〜い』
『ごちそうさまでした』
そして戦いは決着した…
〜〜〜
浄化後マシマシラが取り込んだイイネイヌとキチキギス表に出てくる、完全に取り込んだ訳ではないらしい。
ムーンライト「さてどうしましょう」
問題はここからだかなり想定外の実力を持っていた3匹、放っておいてまたちょっかいを出されてはたまらない。
フィナーレ「さすがに手にかけるわけにはいかないしな…」
そう悩んでいると…
???「わたしに任せて!」
プリズム「はっ…!まさか…」
そこに現れたのは。
プリズム「飼い主のわたし!」
ましろ(飼い主)「出てきちゃった♪」
ウイング「こ、このましろさんが、みんなをペットにしちゃおうとするましろさん…」
ましろ(飼い主)「そう身構えないで、今日はみんなを飼おうとはしないよ。だって別のお友達ができそうだもん。ねっ♪」
飼い主のましろが話しかけたのは。
イイネイヌ「ヌン…?」
マシマシラ「マ…?」
キチキギス「…キチ!」
ましろ(飼い主)「というわけでこの子達はわたしが連れて帰るよ。拓海くんの事はお願いね、何かあったらわたしも困るもん」
プリズム「うん、それだけは同感かな…拓を飼わせたりなんかしないからね」
ましろ(飼い主)「うん、いいよ。…今はね♪さぁーさっそくみんなでお散歩だよー!」
イイネイヌ「ヌダー!」
マシマシラ「マシャー!」
キチキギス「キチャー!」
連れて行かれる三匹、抵抗しようにもそんな力は残っていなかった。
〜〜〜
そして後日
拓海「俺が気絶してる間にそんな事になってたのか」
ゆい「うん、それ以上の事はあたしもまだ知らないんだけどね」
拓海は周辺から無事見つけ出されてその日は安静にしておき、今日みんなを代表してゆいが経緯を話す事になった。
拓海「それにしても情けないな…あっさり攫われてみんなの手を煩わせちまうなんて」
ゆい「そんな事無いよ!あのましろちゃん、いや乗り移ってたお猿さんかな?すっごく強かったんだからブラペじゃなかったなら仕方ないよ」
拓海「ああ、ありがとうゆい」
己の不甲斐なさを悔いる拓海、しかしゆいを始め皆それを責めるつもりはない。
そうこうしていると遠くからこちらに向けて話しかける声が聞こえてくる。
ましろ(まし拓)「拓ー!ゆいちゃーん!」
拓海「虹ヶ丘、どうした?」
ましろ(まし拓)「二人の時にごめんね、でも拓に会わせたい子がいるの」
拓海「会わせたい子?」
ましろ(まし拓)「うん。ほらもう出てきていいよ」
ましろがそう言うと現れたのは。
ましろ(お猿)「ウッキー!」
拓海「ッ!そいつは!?」
ましろ(まし拓)「落ち着いて拓、このわたしは拓に謝りたいんだよ」
拓海「謝る…?」
ましろ(まし拓)「うん。ゆいちゃんから聞いたと思うけどわたしは乗っ取られてたみたいだからあれは本心からの行動じゃなかったんだよ。それでも悪いことしちゃったって謝りたいって」
ましろ(お猿)「ごめんウキ、拓海くん」
ゆい「喋った!?」
ましろ(まし拓)「最初から喋ってたよ?」
拓海「いや昨日はウキーとしか言ってなかったぞ」
ましろ(まし拓)「そうなの?」
ましろは翻訳していたわけではなく、直接意味を把握していたのでどうやら言語の有無は把握できていなかったらしい。
拓海「そういやあのイイネイヌ達はどうなったんだ?」
ましろ(まし拓)「あの子達ならもう大丈夫だよ。飼い主のわたしがもうすっかり手懐けちゃったみたい」
拓海「早いな、昨日の今日なのに」
ましろ(まし拓)「意外と人懐っこかったって言ってたよ。あの子達で満足して拓達には手を出さないでいてくれるといいんだけど」
ゆい「あはは、なんだか別の心配ができちゃったみたいだけどひとまずは解決だね」
拓海「そうだな」
その後はみんなで朗らかに過ごしていく。
〜〜〜
ある一室、そこには三人の人間がいた。
一人は四葉財閥の娘にして学生の身ながらすでに事業を幾つか手がける四葉ありす。
そしてその専属執事セバスチャン。
そして最後の一人はましろの祖母虹ヶ丘ヨヨ。
そんな中厳かな雰囲気でありすとヨヨが会話していた。
ありす「それは確かなのですね」
ヨヨ「はい。あの三匹が使った技や餅を食べて巨大化したのは彼らの力でしょう。しかし例のましろさんに乗り移ったり、仲間の力を取り込んだのは彼の力ではありません。そしてその力はもう失っているようです」
セバスチャン「失っている、ですか」
ヨヨ「ええ、すでに彼らを管理しているましろさんにも確認済みです。力を得たというだけなら異世界からの来訪の際に何かしらの影響があったと考えられますが」
セバスチャン「失ったとなれば考えられるのはプリキュアの浄化の際にその影響が消え去った、あるいは…」
ありす「力を与えた者が失敗した彼らから回収した」
〜〜〜
???『…!』
その者は三匹とプリキュアの戦いを見張っていた者。
手元に何か光った物を持ちどこかへ立ち去っていく、その者は表に出るつもりはない。
"今はまだ"