お日様の様な君のせい
スグリから見た____という少女はお日様の様な存在だったそう。いつも優しくあたたかな笑顔を向ける彼女は、スグリから見ても心が和やかになるのを感じていた。
彼女に初めて出会った時、スグリは「おれの道を照らしてくれる唯一の存在」だと思っていた。スグリから見ればはじめての友達。バトルの実力は差はあれど、人の接し方が上手くいかなくても、いつか彼女の様に、彼女の前に立てる存在になれるかも。そう信じていた。
「……嘘つき。____はおれをのけ者にした」
大好きなオーガポンに会っていた事を秘密にされていた。何度も何度も構築も編成も考え抜いた上でバトルに挑んでも負けだらけ。寧ろどんどん差が開いていく。彼女から掛けられる申し訳なさが含んだ言葉は次第に苛立ちに変わる。
「ほんと、物語の主人公みたいだな。____は。それに引き換えおれは…主人公になれないならなんになれんだ?」
この時スグリは思ってしまった。彼女はお日様の様な心地の良い存在ではなく、空高い場所にある本物の太陽の如く、手の届かない存在であるという事。そしてスグリ自身は何者でもない、ただ地上で生きる者であると。この差は今のスグリではどう足掻いても埋める事は不可能だと気付かされる。
「…待っててな。おれ、すぐに対等な存在になるけんね。だからその時は…」
お日様の様にあたたかい誰よりも強く、優しい少女に狂わされた少年は何を目的としたのだろうか。それはスグリだけが知る事。