おまけ

トイレの鏡の中にいた自分は、気が付くと消えていて。
慌てて散らばっていた制服を身に着けた優佳は学校から逃げるように帰路についた。
(うぅ……まだちょっと、足の付け根、じんじんする……)
自分の指じゃないものに好き放題そこを触られた感覚が生々しく残っている。
歩くたび、太腿が擦れ合って、敏感になった感覚が優佳を責める。
(なんか、周りからえっちな目で見られてる気がする……気のせい、気のせい!)
一度気になると、つい意識してしまう。
顔を上げることもできずに、優佳は早足で人ごみの多い通りを帰っていくのだった。

自分がどうしてか、スカートもパンツも履き忘れてるのに気づかないまま。
「わー、みてみて!あのおねーちゃんパンツ履いてない!!」
「ええっ……だめよ、見るの止めなさい!」
「ど、どうしたんだ、キミ、そのかっこ……聞こえてないのか?」
「すげー!お尻丸出しだ! 撮っちゃえ!!」
「きっとあれだよ、イジメかなにかであのカッコしてるんだよ」
「もしかして痴女ってやつじゃないの?」
好き放題に人々が指差し声をかけ笑い声をあげても、不思議と優佳の耳には届かず。
そのまま帰り道、ずっと晒しものにされてしまうのだった。

そして同時刻、トイレで自慰をする変態少女の動画がネットに拡散されていた。