うぉるたーと猟犬達のえっちなSS4
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Ⅳ:617&620――――の、筈でしたが!!
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621が帰ってきたのは夕方だった。
619からの通信で何が起きたのか、何が起こっているのかは把握している。
続く617と620が挟撃を仕掛けた事も知っている。
『619まけた、わたしと620でごす消耗さsrから あとおnがい』
このメッセージを最後に連絡が途絶えたままである事も。
更衣室でシャワーを浴びる。
以前にウォルターから贈られたプレゼントを開封して使用した。
服装は少し迷いながらも、あえて自然体の部屋着を選んだ。
もとより可愛いだのセクシーだのと言った『凝った服装』は621の自室に置いてあり、
ガレージと居住スペース間の更衣室に置いてある衣服は本当に単なる着替えであり、基本的に簡素な物ばかりだった。
どのみち、すぐ脱ぎ捨てる事になると彼女は判断して、着替えを済ませ、奥へと足を進める。
果たして。
リビング内、ウォルターの寝室前のドア。
圧倒的なオスの精気を立ち昇らせながらウォルターはやはり仁王立ちしていた。
「よく帰ってきた、621」
「ただいま」
「怪我は」
「ないよ、だいじょぶ」
「体調は」
「いいよ」
「ミッションは」
「せいこう」
「うがいと手洗いは」
「シャワーでやってきた」
「よし。ごはんは」
「まだいい」
意外なほどに静かで穏やかな始まりとなった両者の対峙は、しかし。
張り詰める空気と共に変調していく。
「すごい、においだよ」
「換気システムはフルで回しているんだがな」
立ち込める濃密な性臭。
先に相対した4人がどれほどの凄まじい攻撃を受けて健闘しながらも倒れたのかが、伺えるほどに濃く匂い立つ。
621はきっ、と眼光を迸らせる。
「みんなは」
「体を拭いて楽な格好に着替えさせ、それぞれの部屋に寝かせている」
「どうだった?」
「618は存外早く落ちた。あいつは色々と抱え込み溜め込む所がある……それだけに発散を求めて感度が高まっていたのかもしれん。
619は健闘したぞ。数回気を失っても尚、俺を引き止め続けた。
617と620は状況判断が速かった。互いを庇って快楽を分散させて俺を責めるのは上手い判断だった、2人で……」
ちら、と壁掛けのレトロな時計を見やって、ウォルターは続ける。
「恐らく2人で2時間近くは粘った。俺の体力と残弾を相当に削っていったな」
「さすが、せんぱいだね」
「621、お前はどうす……聞くまでもないな」
するすると、恥じらいも躊躇いもなく621は衣服を脱ぎ捨てた。
所々に痛々しい手術跡が存在する体。
他の猟犬達も同様だ。
それでも。彼女たちの敬愛する主はそれを蔑みも嫌悪もせず、さりとて目を反らす事もない。
閨においてはそこが痛まないか気遣いながらも、優しく愛撫してくれる。
そんな愛おしく誇らしい主に、何を恥じらう事などあろうか、という堂々たる脱ぎっぷり。
「今の俺がどれほどの脅威か、それを体験しておきながら尚も挑むか、見事だ、621」
だが、と区切ってウォルターは続ける。
「621、言っておくことがある」
「なに」
俄に二人の声音に緊張が混じっていた。
性なる戦の前に、告げておくことがある、それは何だと。
「4人は体を拭いて着替えさせたが、流石に入浴介助までは無理だった。起きたらみんなで風呂に入れ。
それと、618が明日の分まで家事を済ませてくれている。食事もだ……冷蔵庫と冷凍庫に入っている。
清掃は拭ける所は拭いたが……まあ洗濯は明日、全員でやろう。
あとは知っているだろうが、俺を含めて明日は全員オフだ。たっぷりと寝ても問題ないぞ、621」
「そっか……!」
「あとは決着をつけるだけというわけだな、クックックッ」
「……んふっ、そ、そうだね……!」
珍しいおふざけを挟むウォルターに、とうとう621が笑いを堪えきれなくなった。
これはつまり、以前読んだ古いコミックのセリフをなぞった口プロレスという事だ。
なまじ悪役声の似合うウォルターがやるのは621の腹筋へ相当に効いたらしい。
「ふふ、じゃあ、私もひとついっておく事があるよ……!」
「言ってみるがいい、クックックッ」
と、621はとてとてと歩み寄っていき、ウォルターの手を取って口づけする。
「だいすき、うぉるたー。今日は寝かせないから、ね」