いつも通りの、特別な時間
…カタカタ…カタカタカタカタ…真夜中のシャーレのオフィスにタイプ音が響く
「先生は、いつもこんな時間まで…?」 あまりの仕事量に思わず口を開く
"あはは…今日は少し多めだけど、まぁ大体そうだね、慣れてるから、 心配ないよ…ヒナはいつでも休んでいいからね?"
「……ええ…」
慣れてる…私も気持ちはわかるが、慣れて良いものじゃないだろう……
そうして仕事をこなしていた時
「グゥゥゥゥ……」と、大きめの音がなった
"あ、ヒナ…おなかすいてる?"
「え…あ、その……」恥ずかしさで声が詰まる
先生がふと時計を見る、もう12時を回っていた
「こんな時間まで付き合わせちゃったし、 夜食でも食べる?簡易的なものになっちゃうけど」
「え…あ…い、いただきます…//」思わぬ提案…正直、断る選択肢はなかった
"じゃ、用意してくるよ" そういって先生はキッチンに向かう
数十分後
出てきたのは小さめのコッペパンに暖かいオニオンスープだった
「「いただきます」」
そういってまずはオニオンスープを飲む、
あたたかい…熱すぎず、ちょうどいい温度だ……玉ねぎがしっかり溶けていて
内から身体が温まるのを感じる…シンプルな味のコッペパンとの相性もいい……
「美味しいわ、先生」
"そう?良かった、私は猫舌だからさ、これぐらいじゃないと 飲めなくて……ぬるいかなと思ったんだけど"
「そんなことない…とても優しくて…あたたかい…」 思わず笑みがこぼれる
「あ、今の顔かわいい、写真取ればよかった」
「〜〜//先生…そういうとこ……」
"ははは…まぁヒナのかわいい顔が見れたし残業も悪くないかな"
「…本当にわかってる?あと残業については連邦生徒会に意見を出しておくわ、 このままだといつ倒れてもおかしくないもの……」
"ありがとう…正直助かるよ……オニオンスープのおかわりは?"
「…いただきます……」
───真夜中のシャーレでは、少し特別な、幸せな時間があった