いつもの撮影前
「クロー、今日の撮影って水着だっけー?」
「マイクロビキニとその後いつものヌードでしょ」
胸元をリボンで閉じた制服の少女たちが、連れ立って控え室に入っていく。
「よろしくおねがいしまーす」
「お願いしまーす」
「よろしくお願いします」
部屋には既にスタイリストさんが詰めていた。こればかりは彼女たちが遅かったのではなく、時間の融通が効く大人が待っていたというだけの話だ。
イリヤも美遊も、あとから加わったクロエでさえ肌色営業を始めてもうずいぶん経つが、はじめの頃に配慮してついてもらった女性のスタイリストとはずっと続いている。
「今回は私だけ別撮りだから」
「そうなの? じゃあどっちが先におわっても一階で集まろう」
鞄を置いて制服を脱いでいく。着たまま整えてもらってから脱いで、撮影用の衣装をまた着るとなると特に髪が崩れてしまうことがあるからだ。
「それにしても、上手く撮るものよね。この間のお風呂の撮影はぜったいアソコ載ったと思ってたわ」
「実際の雑誌だとちくチラもなかったもんね……」
可愛らしい子ども向けのショーツ一枚を残して肌まわりを整えてもらう。ときおりくすぐったそうにするたびに小ぶりな胸がささやかにふるえて、凝った先端をわずかに揺らすがそれを気に留めるひとは居ない。
「…………いっつも思うけど、こんな小さいビキニなんの意味があるんだろう?」
「イリヤ、マイクロビキニっていうのは着ることでその人を可愛くするものではなくて、可愛い子の裸を飾り立てるためのものなのよ」
上半身が済めば当然次は下半身となる。
促されるまでもなくイリヤとクロはそれぞれの肌の色に合った白と黒のショーツを下ろした。
スタイリストさんたちは慣れた手つきで手袋の上からイリヤとクロの腰周りを整えていく。
(普段よりも丁寧めね)
(これがっつりヌード行くパターン……)
脚と脚の間に小さな布面を差し込んで、そのまま股に添えて腰の両側で結い合わせれば上下共に立派なビキニの完成である。
「ありがとうございました」
「ありがとうございましたー」
最後に移動用のブランケットを羽織っててるてる坊主になれば楽屋での身支度は完了だ。
「うぅー……早めに終わるといいけど」
「期待薄よ、ちゃっちゃと行きましょ」