ある日の撮影風景

ある日の撮影風景


「あ、もうこんな時間か。」


私は配信の準備をする為に画面で流してるサメ映画を一時停止して、配信用の部屋へと向かう。


「……?キスキルの奴、もしかして私より先に配信の準備始めてる?。」


周りを見てもアイツの姿はない…ってなるとあとは配信部屋しか無いんだけど。


「いっつもギリギリまでダラダラしてる癖に珍しいなぁ。」


つい思った事がそのまま口に出てしまった。……ま、いいか。

私はいつも通り配信部屋の扉を開けて……


「⁉︎」


そして閉めた。

……今、なんかキスキルの奴がトンチキな格好をしてたような気がするけど……。

いや、気のせいでしょ、うん、きっとそう。


「……よし。」


意を決して再度扉を開ける。


「いらっしゃ〜い♡」

見間違いじゃなかった…キスキルは何故かバニーガールの衣装を着ていた。

さっきと違ってポーズまで決めてるのがイラッとくる。


「……何やってんのアンタ?」

「どうどう?似合ってるっしょ?」


確かに癪だけど、整った顔立ちをしたコイツには良く似合っている。

大きい胸やお尻も、それを強調するような衣装との相性抜群だ。


「あーはいはい、似合ってる似合ってる。で、なんでそんな格好してんのよ?」

「リスナーへのサービス?アバターもバニーにして『今、私たちも同じ格好でやってまーす』みたいな感じで煽ろうかなって思って♪」

「ふぅん……で、バニーなら編みタイツやウサ耳とかは?」


一般的なバニーガールの格好と違ってキスキルの格好はその部分が異なっていた。


「この時期にタイツなんて暑くて無理っしょ。ウサ耳は……まぁ角あるし別に無くていいかなって。」


想像以上にテキトーな理由…つまりなんか面白そうだったから着ただけねコイツ。


「はぁ…じゃあ、アンタ今日の配信その格好でやりなさいよ。」

「えぇ!?マジで言ってんの!?」


冗談で言ったつもりだったのか私の言葉を聞いた瞬間、大袈裟に驚くキスキル。


「うん。マジマジ。ほら早く配信準備。」

「うわ、リィラったら本気じゃん……。分かった、分かった!」


渋々と言った様子で配信用の機材の準備に取り掛かるキスキル。

こうして私は配信中の目の保養要員を手に入れたのであった。



まぁ…言えばアイツは調子に乗るから絶対言わないけど…。

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