ある意味ではラブレター

ある意味ではラブレター

Ehara Moeko

こんにちは。

江原萌子です。

メインの職業は革作家、複業として

ワークテラス佐久のスタッフをさせてもらっています。



前向きなブログが並ぶ中、大変恐縮ではありますが

今年中にどうしても整理しておきたい気持ちがあり

それを書かせてもらおうかと思います。


とても個人的な内容ではあるのですが、

きっとみなさんにも、どこか繋がる気持ちがあるのではと…



私のおじちゃんが8月に亡くなりました。

老衰、年齢は89歳でした。


「おじちゃん」といっても、両親の兄弟ではなく、祖母の弟です。

とても変わった人でした。


祖母は、8人(たしか)兄弟の第一子で長女。

おじちゃんは第二子で長男です。

(普通に考えたら、私とはあまり接点の生まれない関係だと思います。)


祖母の嫁ぎ先が、現在の私の実家なのですが、

私が物心ついた時から

おじちゃんはよく家に遊びに来ていました。


大体週に一回、午後の3時くらい、古い車に乗ってやって来て、

話をしたりテレビをみて、そのまま夕飯を一緒に食べました。

おじちゃんは独り身なので、普段の自炊は適当らしく、

母の料理を「レストランのようだ。〇〇(実家の地名が入ります)レストランだ。」と言って喜んでいました。

当時は、大げさだな~と思って聞いていましたが、

大人になった今、母の料理や家事のすごさが身にしみます。


来るたびに、私はよく絡まれて(可愛がってもらった、とも言う)、

「もえちゃん、いいもの持って来たよ(ニヤリ)。」と言って、

畑で見つけた得体の知れない虫とか(大抵気持ちワルイ)、

蛇の抜け殻とか(或いは生きてる蛇とか)、

蝶々やカブトムシの幼虫とか、をジャムなどの空き瓶に入れて持ってきて

私が嫌がるのをみて楽しんでいたようでした。


また会うたびに、

「将来は先生かお医者さんになりなさい」と

呪文のように言ってくるのですが、

私は「絶対いや!!」と言って

1ミリも揺らがない姿勢で反発し、

その歯に衣着せぬ言い方や頑固な性格がむしろおじちゃんのツボをつくらしく、

このなんの前進もしないコミュニケーションを愉快に思っていたようでした。

(2歳上の兄は大人な対応をするので、イジメ甲斐がなかったのでしょうw)


近くで見ていた両親は私の物言いにヒヤヒヤし、

いつかおじちゃんがキレるのではと恐れていたそうですが

その時はついにきませんでした。(よかったw)


おじちゃんは定年まで学校の先生をしていて、

国語と社会を教えていたそうです。


退職後は地元の歴史を調べたり、

県内各地で開催されるウォーキングに参加して、

その様子を色々と話してくれました。

家に来る際、ウォーキングの参加賞としてもらった品物を持って来るので

てっきり私たちへのお土産かと思いきや、

いつもただ自慢したいだけで、

「どうせくれないんでしょ」と思いながらも

おじちゃんの話に耳を傾けていた小学生の私、偉いなと思います。


高校生になると帰宅時間が遅くなったので

それほど頻繁には会わなかった記憶がありますが、

その以降も、精神的には

「親戚以上家族未満の関係」が続いていました。


多分最後にちゃんと言葉を交わしたのは

私の結婚式だったように思います。

ありきたりな表現ではあるけど、

スーツを着たおじちゃんは本当に小さく見えました。


8月のお葬式。参列しておじちゃんの遺影を見ました。

寂しかったけれど、私とおじちゃんのリアルな記憶は

もう10年ぐらい前に止まっていたので、

胸を締め付けられるような悲しさは湧いてきませんでした。

ただそこから、ぼんやりと悲しい、という気持ちが続いています。


…もう一度ちゃんと会っておけば良かった。

…別に改まって「ありがとう」と言うほど特別に感謝している訳ではないけど、

くだらない思い出話でもすればよかった。

…「おじちゃんが頑固だからみんな大変みたいだよ」と、昔みたいにはっきり言ってやればよかった。(説教ではなく私たちのコミュニケーションです)



結婚していなくて子どももいなくて、

一般的に見たら”寂しい最後”として括られる部類の人になるのでしょうか。

でも、やりたい事をやり、やりたくない事はせず

(その代わり、周りは振り回されていたけど笑)

自分勝手に生きられた人生でよかったね、と思います。


私にとっては唯一の人。おじちゃん。

色々楽しかったよ、ありがとう。



長文をお読みいただきありがとうございました。

思い出を紡いで、ここでシェアする事で

現実では叶わなかった思いを伝えられるのではないか、

また、同じような悲しさを持った人がいるなら

その気持ちを包むことができるのでは、と書かせていただきました。


そしてもし今、ふと頭によぎる人がいたら、会っておいてほしいなと思います。


今年も本当にお世話になりました。

来年はトラ年。なんとなく苦手な干支ですが(笑)、

楽しい一年にしましょう!

本当にありがとうございました。


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