あり得たかもしれない未来
「何処だ?此処?」
ルフィは、気が付いたら、
暗闇に1人で立っていた。
「おーい!!誰かいねぇのか!?」
ココは、キオクのマ
コトナルせかいとコトナルけつまつ
それをツムギかんそくスルばしょ
「!?誰だ!?何処にいるんだ!?」
突然頭に響いた声に、ルフィは、暗闇を見回す。
ホンライのけつまつカラ
まったくコトナルみらいをツクッタ
コノセカイはイシツとしかイエナイ
ゆえにキミにミセヨウ
カノジョのホントウのケツマツを
「おい!質問に答えろ!!」
シンジダイのキュウセイシュとして
カツギアゲラレ、ゆめをサカセタ
キミのしらない
シルコトガなくなった
カノジョのねがいを
その声が響いた途端、ルフィの意識は、
途切れた。
夜明け前、目を開けた時、ルフィは、見慣れた船室に居たが、直ぐに何処かに駆け出した。
捜すのは、ずっと忘れてしまっていた大切な幼馴染。暗闇の中で見せられた
【幼馴染の本当の結末】
それが現実では無い。それを信じたかった。
今日から、見張に参加することになった幼馴染が居るところに行くと彼女は、海を楽しそうに見ながら、小さく昔、歌っていた歌を口ずさんでいた。それが、暗闇で見たカノジョの最後に重なった。
「ウタ!!」
「わ!え?ルフィ?どうしたの?」
突然抱きついてくる幼馴染に驚きながら、ウタは、首を傾げた。
「よかった…此処に居るよな…」
「??当たり前でしょ!今日は、私が見張りの日だし!起きるには、まだ早いんだから、もう一度寝てきたら?」
「んー…此処に居る。また、変な夢見るのも嫌だし。」
「変な夢?」
「何でもねぇ。次の島まだ見えねぇなー」
「?次の島、どんなところだろ。」
「でっかいバケモンとか沢山居ると面白いなぁ!!」
「そんな島、嫌!!もっと…」
「なんだよ!だったら…」
2人で、次の島への想像を膨らませながら、ルフィの脳裏に、カノジョを思い浮かべる。
(あの声は、【救世主に担ぎ上げられた】って、言ってたな…)
ルフィは、ウタの強さを知っていた。
人形の時から、何度も助けられ、救われてきた。兄を失った時、直ぐに会いにきてくれた。
あのジブンは、兄だけじゃなくって、目の前の笑う幼馴染さえも失ったのだと。
あのミライを自分は、忘れない。
忘れる事が出来ないとルフィは、思った。
今、目の前で笑うウタが、
【たった一つの違いだけ】
で、あのミライと同じだったと知ってしまった。