大好きな『あなた』へのプレゼント
無敵ロイヤルキャンディえりか「いいわねつぼみ!?バレンタインってのは戦争なのよ!しかも渡す相手はあの拓海先輩!恋敵が両手で数えられないレベルでいると思いなさい!」
つぼみ「はい!」
いつき「チョコ作りどころか買い物始める前から2人とも燃えてるね」
つぼみ「当然です!バレンタインのこの勝負、誰にも負けたくありませんから!」
えりか「後言っとくけどつぼみ、今回拓海先輩にチョコあげるのは諦めなさい」
つぼみ「えっ!?いきなりどういう事ですかえりか!?」
いつき「……つまりそれ以外のもので攻めると?」
えりか「その通り!今回チョコは友チョコ義理チョコ用にしてつぼみの本命プレゼントはマフィンでいくわよ!……どうせ拓海先輩を想うライバルはチョコにするだろうから敢えてその逆をいく作戦よ」
つぼみ「マフィン…ですか?」
いつき「いいんじゃないかな、チョコばかりだと飽きそうだしね」
えりか「決まりね!つぼみが拓海先輩のハートキャッチするのを目指してファイトー…」
つぼいつ「「オー!!」」
つぼみ「ホットケーキミックス、バターに薄力粉、ベーキングパウダー……いつき、バニラエッセンスってどこのコーナーでしたっけ?」
いつき「えっと、確かお菓子作りのコーナーに売ってると思うけど……」
えりか「あったから持ってきたわよー」
つぼみ「えりかありがとうございます!……あれ?その袋はなんですか?」
えりか「ああこれ?……これは後で自分で食べる用のお菓子よ」
つぼみ「ももかさんに怒られても知りませんよ?」
えりか「まあ後でこっそり食べるっしゅ」
つぼみ「何かアレンジとかした方がいいんですかね?」
えりか「奏やキラパティの皆なら兎も角、あたしら素人は下手にアレンジ加えると失敗するからレシピ通りにいった方がいいわ」
いつき「形無しだね。武道においても、基礎が出来てないのに変に自己流にすると後が大変だって聞くよ」
つぼみ「成程〜」
えりか「後はマフィンカップに生地を入れて、予熱しておいたオーブンで25分ね」
いつき「後はチョコ作りかな?こっちもしっかり作らないとね。つぼみ、疲れてない?」
つぼみ「まだ大丈夫です!チョコ作りも気合い入れていきますよ!」
拓海「去年もそれなりに貰ったけど、今年はチョコかなり多いな……。食い切れるか……?」
つぼみ「あの、拓海さん!」
拓海「花咲?まさかお前も……!」
つぼみ「あの!これ、受け取ってください!」
拓海「これは……マフィン?ブーケも入ってるな…」
つぼみ「造花ですけど、チューリップです。花言葉は愛の告白……!?し、失礼します〜!!」
拓海「おい、花咲!?……行っちまった」
友人A「おい品田ァ!お前また他校の女の子からチョコ貰ったのか!?」
友人B「羨ましいぞこの野郎!おまけに花まで貰いやがって!!」
拓海「やべっ、見つかった。……逃げるか」
友人AB「「逃げるな卑怯者ォ!!」」
つぼみ「恥ずかしくて思わず逃げてしまいましたけどなんとか渡せました……でも渡せたからヨシ!ですよねシプレ!」
シプレ「えりか達も言ってたけど、つぼみとしては上出来だと思うですぅ〜」
つぼみ「そうですよね!なんか安心したらお腹空いちゃいました。折角ですしえりかから頂いたチョコでも……?」
シプレ「つぼみ、どうかしたですぅ?」
つぼみ「これは……マカロン?友チョコと間違えて入れてしまったんでしょうか?えりかもうっかりさんですね」
シプレ「でも貰っちゃったものですし食べても大丈夫だと思うですぅ」
つぼみ「そうですね、では頂きます……あっ美味しい」
〜◇〜
ももか「で?つぼみちゃんにはちゃんと渡せたの?」
えりか「渡せたけど、多分気づいてないと思う……。なんならあたしのうっかりだと思っててもおかしくないっしゅ……」
ももか「全く、我が妹ながらとんだ修羅の道を選んだものね……」