あっちもこっちもみんな御破算、願いましては!

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大地補強肉塊ヨダナ時空の真実を知って心がパキッたドゥフシャラーちゃん(part6スレ153)のやつです

例のごとくエグ表現があります



「あ………………」


ドゥフシャラーが見下ろした先。

平和な世界。

広がる地。

兄たちが失踪して程なくして、大きくなったこの大地。


「そういう、ことだったの?」


顔を、覆う。

知らなかった、知らなかったのだ、そんなことは。


「ずっと、そこにいたの?」


言葉は返ってこない。

その機能はもはや不要と捨てられた。


「居なくなって、みんな居なくなって、探して、探して、探して…………ずっと、埋められていたの?」


瞳が揺らぐ。

あまりの衝撃に風すらもう感じない。


「うそ、いや、どうして」

「兄貴たち、みんな、決して良い人間じゃなかった。みんな、きっと悪いやつだった。でも、」


開いた瞳孔が閉じない。


「でも、ここまでされるようなことだったの?」

「怪物にされて、生きたまま埋められて、閉じ込められて、踏みにじられて、踏みつけられて」

「忘れられて、壊されて」

「そうまでされなきゃいけないほどだったの?」


ドゥリーヨダナを見つけた。その言葉を追ってずっと彷徨い歩いた。

自分の前にだけ現れなかったのはきっと、どうしようもなく変わってしまったことを知られたくなかったから。


「身体も、心も、なにもかも全部、使い終わった道具みたいに壊されなきゃいけなかったの?」


ぱきり、ヒビの入った人の心に侵入するようにオーダーが入力される。

殺戮機構。データ更新。起動せよ、起動せよ、起動せよ。


「神様に、そういうものとして作られて」


人類殺戮機構、再起動。


「でも、人として生きて」


データ更新。アップデート完了。オーダー入力。


「戦争して。人を減らして。でも、減らし足りなかったからって怪物にして」


人類削減。大地補強。拡大。更新。


「でもそれだとやりすぎるからって生きたまま埋めて、大地にして、踏みにじって、そんなの」


速やかに実行せせせせせせせせsssss───────


「そんなの、ひどい、おかしい、嫌だ、嫌だ、嫌だ!」


ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR

人格削除が完了しません。

機構。書き換え。機能しません。書き換え。


機構が、壊れた心を侵食できない。

ひび割れた心から生まれた花が、与えられた機能を侵食していく。


「それが運命だっていうなら、それだけが私たちの役目だったっていうなら」


深刻なエラーが発生しました。

OSが破損────────────


「こんな世界、壊れてしまえばいい」


魔へと、変生していく。

神の手からすら離れて、与えられた機能も使命も何もかも全て壊して、新しい肉塊へと、変わっていく。



大きな足音。開けられた扉。


「やめろ!止まれ!ドゥフシャラー!!!!!」


アシュヴァッターマンの声は届かない。

伸ばされた指先は、ほんの関節ひとつ分、間に合わなかった。



女だった肉塊が、地面へと向けて落ちていった。





ごめん、ごめんねみんな、気づかなくってごめん。

こんなにたくさんの荷物を載せられて。

重かったよね、辛かったよね。

踏みつけられて、踏み潰されて、踏みにじられて。

痛かったよね、苦しかったよね。

だから、もうやめちゃおう。

こんなのもうやめちゃおう。

我慢なんて、兄貴たちらしくないよ。

いつもいつも、わがまま言って、嫌なものは跳ね除けて欲しいものを手に入れてきたでしょ。

ならそうしよう?こんな苦しくって痛くて辛いこと、全部、全部。

全部壊しちゃおうよ、馬鹿兄貴。

待ってて、今、私が、全部





土に血と肉で出来た花が咲く。

それはゆっくりと飲み込まれていき、そして。

大地は脈動し、咆哮した。

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