あくむのなか
「……そうか…。ここで倒れたか」
「こんな凍った土地まで逃げちまったんじゃ、身体が保たなかったんだろうよ」
「これで収まるんだよな?」
「悪いやつじゃなかったんだけど…でもさ」
「「お前が原因だから、仕方なかったんだ」」
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最後に聞こえた一言で目を覚ました。目を覚ました事でようやくそれが夢であると認識できた。
まだ暗い視界に時間を悟る。風が入り込む小さな洞穴では到底満足な休息は得られない。体力温存の為にも、もう一度眠っておく方がいいだろう。
でも、もしこの瞼が次こそ上がらなかったら。
猜疑心に固まった眼めがけて氷の粒が吹き込む。夜も深まり外の吹雪は容赦がない。雪と風は、心臓の底の熱まで根こそぎ奪おうとする。
このまま芯まで冷え切って、身を横たえたまま動けなくなるのだろうか。何も掴むことなく凍死して、夢で見たように「仕方ない」と捨て置かれるのだろうか。
脳裏に浮かんでくるのは、街のポケモン達の疑いと恐怖の眼差し。追っ手の張り上げた声。自分の死が、望まれたという事実。
ーー嫌だ。どうして、自分が。
死にたくない、死にたくなんかないーー。
耐えかねた心が金切り声を上げる。
目から涙が溢れ出る。
吐き出す息が震える。
それを止める方法など分からない。
故に赤子のように泣きじゃくる自分の心を押し潰すように、震える身体をいっそう丸めて無理矢理に目を閉じた。
瞼の裏を凝視しながら、顔に吹きつけられる氷の粒を数えて朝を待つ。隣で背中合わせに眠るたった一人のパートナーに悟られないように、涙は流れるままに声だけは噛み殺した。