🎲×willソン
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🎲→ドゥラエレーデ
will→ウィルソンテソーロ
「人脈広くて良血で、それでいて皆から人気者、おまけに顔も良いお前が羨ましいよ」
ああついに言ってしまった。エレーデの前ではかっこいい先輩でいたかったのに困らせてしまった。これが酒の勢いってやつか。
エレーデは俺の発言に目を大きく開けて静かに驚いていた。居酒屋の賑やかさがその静かなリアクションを一層際立たせた。片手には飲もうとしてたであろうハイボール。
大きく開いたエレーデの目は徐々に穏やかな瞳に変わっていった。
「えへへ〜、僕って人気者なんですね!
じゃあじゃあ!ウィルソン先輩も僕のこと好きってことですか?」
「ん?好きだよ」
え、俺今なんて言った?好きって言った?いやエレーデのことは好きだけどそれはあくまで後輩としてであって…いやいや、じゃあなんで顔赤くなってんの俺。恥ずかしすぎる。とにかく、急いで発言を訂正しなければ。
「好きってのはあれだからね、後輩として!人並に!エレーデのことが好き!ソトガケがお前のこと友達として好きみたいに、俺もエレーデのことが後輩として好きなだけ!」
焦って訂正した。焦ったばかりにいつもの2倍声が大きくなった気がする。
動揺が隠しきれない。もうエレーデのこと恋愛的な意味で好きって言ってるようなもんじゃんか…
エレーデの反応が気になった。斜め下を向いて少し考え込んでいるようだった。下を向いた時に見える綺麗なまつ毛に思わず目がいってしまった。
と思ったら、エレーデは持っていたハイボールを一気に飲み干した。
「そうですか!分かりました!それならもっと僕のこと好きにさせますよ」
「いやだからもう好きだって…」
「とりあえずこの居酒屋を出ましょう!
僕のこともっと好きになれるような、おすすめの場所があるんです!」
…話を聞いてない。こうゆう無邪気なところもこいつらしくて好きだからいいんだけど、さてさてどこに連れて行かれるのやら。
‐1時間後‐
「着きました!ここが僕のことをもっと好きになれる場所です!オルフェおじいちゃんが好きな人と来たらいいよって教えてくれました」
「いや、え、ここって」
ラブホ…だよな?無邪気な顔してるけどわかってんのか、エレーデ。
うわしかも受付の人、新聞読んでて目も合わせないし怖そう。
「僕のおじいちゃんがおすすめのお部屋ってどれですか?」
「おじいちゃん…?あ、なるほどね。全くあいつは…。ほらこれ受け取れ」
そんなやり取りをしながらエレーデは受付の人から鍵を受け取った。
それを持ちながら部屋へ向かう。俺はそんなエレーデについて行くしかなかった。なんていうか、もう拒否権は無いんだろうなって。恐ろしい後輩だよ全く
「…なあエレーデ、ここどこか分かってんだよな?」
俺の2歩前を歩くエレーデの足が止まった。そして後ろを振り向いたかと思えば、綺麗なまつ毛にはまるで似合わないようなギラついた瞳を俺に向けていた。
「ウィルソン先輩こそ、ここがどこか分かったうえで着いてきたんですよね?」
悪い瞳をして口角上げながらそう言うもんだから、もう何も断れなかった。いや最初から俺にも断る気なんてなかったんだろう。今でも充分好きなのに「もっと好きにさせる」ってどうなっちまうんだ。
そんな事考えてたらいつの間にか扉の前。俺より体格の大きいエレーデが丁寧に扉を開けた。その姿だけで胸が高鳴った気がした。