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20「やっ、やだ“ペパー”! それだけはやめて! いれないで!」
アオイの最後の懇願が、耳の奥にずっと残っている。
あれからどれだけ時間が経ったのか、ペパーには見当もつかなかった。
ただ何も出来ず地面に這いつくばり、次第に甘くとろけていく大切な女の子の嬌声と、自分に似た“何か”が嬉々として彼女を犯しているおぞましい姿だけがそこにある。
「ひぁっ! そこ、あ、やだぁ……」
粘着質な音を立てながらペパーに見せつけるようにゆっくりとペニスを引き抜いた男は、緑色の目でこちらを一瞥したのち、またアオイに向き直った。ほっそりとした白い脚の間から、泡立った精液がこぼれている。
「ホントか? でもアオイのここは行かないで~ってひくひくしてるぜ」
「ちが、ちがうの、やだ、やめて、“ペパー”!」
血管の浮いたグロテスクなペニスが、また時間をかけて呑み込まれていく。
ぐちゅん、と濡れた音をさせながら小さい体に全てを収めきったアオイは、かわいそうなくらい大きく身体を震わせた。
ついさっきまではあの声が呼ぶ「ペパー」は、自分だけのものだったのに。
大切でかけがえがなくて、絶対に守らなければいけない存在だったはずなのに。
「~~~っ♡ あっ、だめ、ぺぱー、ぺぱぁっ♡」
アオイに覆いかぶさる“ペパー”が、彼女の唇を奪う。
赤い舌を絡み合わせる様子は、想いあう一組の男女の触れ合いとなんら変わりがなかった。
頭が痛い。いつの間に泣いていたのか、目尻も痛い。
縛られた手足も塞がれた口も、数度ひとりでに射精したくせに未だ張りつめている自分のペニスも、耳に残る声も、目の前の現実も、全てがペパーをひどく痛めつけた。
手の中にあったはずの宝物はもう粉々に砕け散っている。