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ライダー side in

主殿から伝えられたのは1分間の時間稼ぎ。

正直それだけならば簡単なのだ、ただ今は他の陣営がいるため宝具を使えず、周囲の被害を抑えながらこの敷地内に留める。いやはや相当厳しい勝負だ。

しかも私の太刀では真名解放せねば身にまとっている鱗を貫き肉を切る事ができない。

故に柔らかな目を切りつけ注意を引く。

(全く、私自身が宝具の開帳をできないと言ったばかりにここまで追い込まれるとは)

全力を出せないとはいえこうも不自由になるものか。

目を金時殿の方にやるとそこには近づいてくる頭を斧でかち上げたり首元に力任せに斧を叩きつけ鱗を砕く姿があった。

「オイラが鱗をなるべく砕く!そこを狙え!」

「感謝します!!」

此方が欲しいものを即用意してくれる、流石は頼光四天王の1人だ。遅れをとるわけには行かないだろう。

「さぁ大妖蛇よ!此方に来い!!」

残り30秒、確実に時間を稼ぎ切る───!

ライダー side out


神永 side in

ライダーとバーサーカーが時間を稼いでいる間、俺たちは何も出来なかった、いや出来る隙がなかったのだ。

何せライダーとバーサーカーは紙一重で避けているがあの大妖蛇は相当素早い。そして呪いの密度も俺達が倒したりした妖蛇なんかよりも数段階上だ。牙にかするだけで並の人間なら即死だろう。

「…何も出来ないのはもどかしいな」

「仕方ないでしょ、それよりすぐに動けるように準備しなさい」

宝石を砕き自身に倍率の高い強化の術式を施した美作は此方へ忠告をする

「…まさかあの蛇が動くってのか?」

「体育館にハマってたからああやってあの場に留められてあるけどもしアレが体育館から抜け出してみなさい」

あの巨体で暴れ回りながら此方へと向かってくるだろうな…まずいぞ!?

「…俺、強化の魔術使えねぇんだけど」

「は!?ちょっとどういう事よ!」

「俺使えんの発火と式の操作位だから…」

頭を抱えた美作はこちらへ近づき俺の事をお姫様抱っこで抱えた。

「は!?何を!」

「時間が無いの!良いから行くわよ!」

そう言ってサーヴァントよりは遅いが駆け抜ける美作。

フィリアもそれに着いてきて残り時間を伝えてきた。

「残りは15秒だ、アーチャーも一瞬動きを止めてくれれば確実に射抜いてみせると言っている」

「成程、じゃあ死に物狂いで逃げるわよ!!」

そういった瞬間、体育館の崩れる音と共に巨体が這いずり此方へ向かう音がした。

「いい!動かないでね!!!」

「動きたくても動けねぇよ!」

「中々仲良いじゃないか、妬けるぞ」

「「仲良くない!!!!」」

そんなことを言いながら後ろの巨体が吐き出した呪いの塊を避ける、ブレスをしてこないだけマシだがあんな塊に触れたら廃人コースは必至だろう。

「美作、最悪俺を捨てろ!良いな!」

「ふっざけんじゃないわよ!そんな寝覚めの悪いことなんて出来るわけないでしょ」

「…よし!!アーチャーから対象の核を見つけたそうだ!何とか動きを止めてくれ!!」

「バーサーカー!宝具解放を許可するわ!一瞬でも動きを止めてちょうだい!!!」

「任せなぁ!」

その瞬間、雷鳴が響いた

神永side out


バーサーカーside in

マスターから宝具の解放許可がおりた、ちまちま殴るのはオレのやり方じゃねぇんだ、ようやくスッキリできるぜ!

黄金食い(ゴールデンイーター)のカートリッジを使用して威力を高める、更に雷により肉体の活性を行うことでより一撃の威力を高める。

両腕が紅く染めあげ蛇の首の集まっている土手っ腹に狙いを定める。

「ゴオオォォルデン!!!イィィタアアアアアアア!!!!!」

宝具を振るい腹へと叩きつける、その瞬間カートリッジに溜められた雷により爆発が起きる。

「どうだ!!!」

大妖蛇は動きを止める、そして校舎から鋭い一矢が放たれた。

バーサーカー side out


アーチャー side in

校舎内の教室にて狙撃の体制をとる、窓は開け間に邪魔するものは無い。

「いくら神様の力とはいえ蛇は蛇、撃てん道理は無い」

さて、あのバーサーカーが蛇の動きを止めた。目標もはっきり見えているならば後は核を射抜くだけ。

「全力で行かないとな、さぁ宝具解放…!」

アーチャーのボウガンに魔力が集まる。その一矢は確実に大妖蛇を貫く。

『放たれし信力の一矢(アプフェル・シーセン)!』

──アーチャーの真名、ウィリアム・テル

戯曲の登場人物であり、その故郷スイスにおいては建国運動を象徴する英雄である。

代官の帽子に例を示さなかったことから息子の頭の上の林檎を射させられ、見事に撃ち抜いた逸話よりこの宝具は構成された。

その効果は射抜くべき目的のものを『必ず』刺し貫く因果にも干渉する必中の矢だ。

故に、目標さえ見えていれば確実に矢は対象を貫くのだ。

「これで終いかね…」

しかし蛇の動きが止まらない、一瞬動きが止まったが何故か生きている、何故だ?何かまずいことが起きている気がした。

「───まずい」

自分が矢を外すことは無い、いわんや宝具ならばだ。そして外したとしても第二宝具が発動し次点で狙わねければならないものを貫く、そうしっかり貫いているのだ。

だが、貫いたとしてそれが致命的な傷にならないとしたら?

核を貫いた、そのはずだ。外した訳では無い、第二宝具が発動していない。だが未だにあの蛇は健在だ。

ならば───核はふたつある?

急ぎマスターへと伝えなければならない。

そう思った瞬間、頭のひとつが此方を呑み込まんと大口を開けていた。

「しまっ───」

アーチャー side out

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