shock

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バーサーカー side in

───ライダーによる爆弾投下より少し時間を遡る

(同盟相手の家かつマスターが上がっていいって言うから上がったけどよぉ…)

家に上がり込んでお茶をしばくというのはなんというか、座りが悪い。

「そういやマスターはお茶やお茶菓子の場所とかわかってるみたいだが何でそんなにこの家に詳しいのか?」

マスターが入れてくれたお茶を啜りながら尋ねる。

「…10年以上の付き合いがあるのよ、親同士も交流はあったしよくこの家にも来てたのよ」

何故だか悲しそうな表情を浮かべながら答える

「あとアイツが居るとこでその質問はしないでちょうだい、良いわね?」

どこか圧力を込めながら念押しをしてくる、触れちゃいけねぇもんに触れちまったかな…?

そんなことを思いつつお茶を啜る。中々美味い

そうこうしている内にライダーとそのマスターが戻ってくる。ライダーから自分のマスターへの視線が何処か嫉妬的な感情を感じるのは気の所為か。

───

マスター同士が今後の方針や情報のすり合わせをしているが特に方針に口を出すつもりは無いのでお茶を啜っているとライダーが此方をじっと見ていた

「どうした韋駄天ガール?なんか気になることでもあるかい?」

昨日の戦闘時のような破廉恥な格好と違い、生前見慣れたような服装をしているためまだ見れるようにはなっているためまっすぐ目を見て話す

「いえ、バーサーカー殿の獲物は斧でしたよね?」

何かを確認するかのようにライダーは尋ねてくる

「ん?おお、そうだぜ」

「…黄金の偉丈夫、斧に剛力?」

…なんか不味い気がする、なにかに気づいたように首を捻っている

「い、韋駄天ガール?どうし…」

ちょうど方針の話し合いがひと段落したマスターに質問を投げかけた

「あの、失礼ですがバーサーカー殿について聞きたいことがあるのですが」

「どうしたの、ライダー?何か気になることでも?」

「いえ、単刀直入にお聞きします。バーサーカー殿は源頼光四天王が1人、坂田金時殿ではありませんか?」

自分の真名をピンポイントで当ててきた、驚いてお茶を吹いたのはオイラのせいじゃないと思う。

バーサーカーside out


神永side in

バーサーカーの真名は坂田金時ではないか

ライダーがたたき落としてきた爆弾は和気藹々としていたこの部屋の雰囲気をピリついた冷えた雰囲気にまで変化させた。

「…一体なぜそう思ったのかしら?」

その目は冷酷な魔術師のものだった

ただその視線を向けられているライダーは何処吹く風と言ったように口を開く

「いえ、単に斧を使う偉丈夫と言えば日ノ本ひろしと言えども真っ先に金太郎、即ち坂田金時に繋がるのはおかしくないでしょう」

確かにそれは道理だ、ただそれでは考えられないことがある。

「だがライダー、バーサーカーの髪や目はどう説明をつけるんだ?明らかに日本人離れしているだろう」

感じた疑問をライダーに投げつけるその答えは…

「まぁ話に聞いていたということで…」

…話に聞いていた?そうなるとライダーは日本の英霊なのだろうか、いやそれ以上にもっとバーサーカーに近い英霊なのかもしれない…

「…」

美作は無言だ、バーサーカーはサングラスで目は見えないが瞑目しているようだった。それはそれとして吹いたお茶は拭いて欲しい。

(不味い…下手すればここで同盟が切られるぞ…)

危機感に冷や汗をかきながら二人を見る

「…はぁ、まさか生前から繋がりのある英霊がライダーだったなんて。いや、敵に回って情報が他の陣営にまでわたるよりはマシね」

頭を抱えながら美作はライダーを見る

「生前に話を聞いていたって言うなら貴女、源頼光…いえ、源氏に縁のある英霊ね?それだけは答えてちょうだい」

「ええ、確かに私は源氏に連なる英霊です」

それを聞いたバーサーカー…いや、坂田金時は

「へぇ、ってことはオレっちの後輩辺りか?縁は不思議なもんだな」

そんなことを言いながら呑気にお茶を啜る。自分の真名がバレたというのにだいぶ余裕のようだ

「バーサーカー、そんな呑気にお茶啜ってないで多少は危機感を持ちなさい。真名がバレたのよ?」

「だとしても問題ねぇ、バレようがバレまいがオレの強さは変わりねぇんだ。それに味方に知られてるってことは連携が取りやすくなるってことでもあるんだ、そこまで心配しなくていいと思うぜ?」

自分の力に一切の疑問はなく、かと言って慢心している訳では無い、自分の力をしっかりと測れていることの証左だろう。

(これが、頼光四天王にしてあの酒呑童子の首を落としたという坂田金時か…真名を知っているのと知らないのとでは捉え方が違うな)

ならばライダーはそれに連なる源氏の出、相当に有名な英雄なのだろうか…

「…そうね、心配しすぎるのは良くないわね」

切り替えたのか雰囲気が会議の時と同じものに戻り此方を見据えて口を開いた

「とりあえずバーサーカーの真名は絶対漏らさないこと、良いわね?」

念押しをされたつつ一先ずはこの話はこれで終えることにした、昼に合わせて教会に向かうようなのでそれ迄は少しのんびりできそうだ…


神永side out

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