serial experiments lain×水星の魔女:ヌーノくん回顧録2

serial experiments lain×水星の魔女:ヌーノくん回顧録2

駄文書き※容量制限あるんすね、パート2だよ!

※前書き:ヴィムがちと賢くなっちゃった…許してほしい、あとヌーノくんが結構出ないの反省したい、あと書きたいこと増やしすぎた!リハビリだもの仕方ない


サリウス「なぜガンダムを認めた?、デリングは何を隠している?完全非公開の理由はなんだ?」

ザヒ「その件につきましてはカテドラルの規定により調書閲覧及び議事録開示の一切が禁止となっております」

サリウス「ではワイヤードと関係があるのか?オックスアース遺留品私的流用の嫌疑で査問会議開催を要求する」

ザヒ「カテドラルは査問会議開催を否決しました、この件は審議不要とされます」

サリウス「デリングの犬め…」

カテドラルはデリングが完全に掌握している、正規の手続きではやはり無駄か。デリングが動かざるを得ない証拠が必要か…サリウスは思案を巡らせる


ヴィム「よぉ!サリウス!門前払いか?」

サリウス「お前も審議を要求しにきたのか」

ヴィム「デリングのヤツめ、余程探られたくない計画があるに違いない!」

サリウス「計画?」

ヴィム「アイツが強行策に出る時は大抵何かを企んでるのさ!、ペイル社がかなり大規模なネットインフラ事業を受注しただろ?あれが関係してるはずだ俺はそう踏んでいる!」

サリウス「…そうか、やはりワイヤードか!」

ヴィム「分裂したネットワークプロトコルをワイヤードで統合、まぁアレの差し金だろう…リアルワールドがバラバラな現状はアレには不都合だからな!」

サリウス「アレとは?ヴィムお前は何を知っている?」

ヴィム「企業機密だ、まぁいつかはアレをお前も知るさ!ベネリットに属する以上はな」

サリウス「…お前の事だ、また暗殺でも計画するのかと思っていた」

ヴィム「無駄だ!アレがいる限り必ずバレる!なにせアレはどこにでもいるからな!、全くデタラメな存在だ!」

やはりヴィムはワイヤードの遺産についてなにか知っている。噂は本当だったのか、デリングがヴァナディース事変を利用してオックスアースの秘密を独占したというのは。あまりに荒唐無稽で信じるに足りない与太話、秘密の正体はワイヤードに溶けた神だと。あれほど軍事利用を拒否してきたカルド博士がオックスアースの傘下に入ったのも関係している?、一体いつからこの事象は続いている?、なにもかも不明瞭だ。


ヴィム「まぁいい、今は大人しくしといてやる!デリングの尻尾を掴むまではな!」

サリウス「私は独自に調査を継続する、ガンドフォーマットを認める訳にはいかない」

━━━ワイヤードchat━━


「レインが帰って来たって」「ずっと行方不明の?」「どっかで捕まってた?」「ないない」「気まぐれだもの」「ベネリットに行ってたって!」「オックスアースじゃないの?」「潰れただろ」「ミオリネたんカワカワ」「たん、て古いなぁ」「クソダサPVお姉さんすき」「あの人なんか怖い」「そう?」「死ぬだろあんだけガンビット動かすと」「安心安全エアリアル!なんでしょ」「安全?とはいったいウゴゴゴ…」「お爺ちゃん消灯時間ですよー」


ただいま


決闘から2ヶ月、俺たちの会社は世話しなく活動している、財政難も先の決闘で融資や投資を呼び込みやすくなり余裕が出来た。ミオリネ社長はスレッタのリハビリがてらにティルも連れて出張中、本来必要がない第二秘書として側に置いている、ニカいわく今が大事な時期だから一緒にいてあげろ、と社長に強引に提案したらしい。驚いたのは温室を業者に任せたことだろうか、あのミオリネが赤の他人に任せるなんて成長したもんだ。レインはペイル社と秘密裏に取引して大規模なインフラ事業に集中させスレッタから遠ざける工作をしているそうだ、アイツらの近くに居なくて大丈夫か?って思ったがレインはどこにでもいられるから問題ないとさ。俺とオジェロそしてニカはというとガンド義足開発担当だ、力加減のフィードバック制御は中々に遣り甲斐がある。リリッケやマルタンやアリヤは事務担当、数字と格闘する毎日だ、マルタンの悲鳴が地球寮名物になる日も遠くない。チュチュはスレッタがいない間試験パイロットを担当している、試作ガンド義足操縦試験では中々の腕前を披露した。

━━ヌーノが休憩がてらテレビ画面に目をやるとミオリネCEOへのインタビューが流れている、少し近くに映るのはスレッタだ、意外と緊張していない様子なのは慣れたからだろう。高い身長のせいで秘書じゃなく護衛に見えるからいても違和感がない、…トレンチコートに何故かサングラスまで、視界が悪いのか目を細めるせいで目付きがかなり悪い、それが下手に似合うせいか様になっている

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スレッタ「みっミオリネさん…!周りの視線が怖いんですけど…私ホルダーだってバレてませんよね?、あとこれ秘書というよりこの格好は用心棒では…?」

ミオリネ「はいはい安心して、スレッタ!別にアンタに弾除けさせるわけじゃない、これは訓練よ」

スレッタ「訓練、ですか?」

ミオリネ「私の仕事上常に人の視線は避けられない、それでスレッタ緊張しっぱなしでしょ?、つまりこれからは人に見られる事に慣れてもらうの!」

スレッタ「だからこんな格好なんです…?」「あっでもサングラスは良いですね!見辛いのが逆に視線を意識しないし楽です!」

ミオリネ「無理せず徐々に慣れていけばいいからね?」

ティル「ミオリネ、スレッタそろそろ時間、スケジュール押してるよ」

ニカに押し切られる形でスレッタを同行させることになったが、プロスペラに会わせるより万倍マシだと自分を納得させた。本当は学園生活を楽しんで欲しいが、洗脳をどうにかしないと彼女の幸福は永久に失われる。スレッタをあんな風に育てた理由はわからない、わかりたくもない、だけど知る義務がある、私は愛しいスレッタの花嫁だから。

━━━プラント・クエタ━━━


レイン「へぇー…コレが例の機械…?、こんな大きなの今までよくバレなかったね」

デリング「何をしに来た?」

レイン「邪魔しに来たんじゃないよ?」「釘を指しにきた、かな?」

デリング「スレッタ・マーキュリーの事か?、なら私は関知しない、好きにするがいい」

レイン「ミオリネも、だよ」

デリング「私の娘だぞ、逃げずに決めたのなら好きにやらせるだけだ」

レイン「…ワイヤードに手を貸してくれたから黙って見守るけど、ちゃんと会話しなよ?私みたいに父親創ろうってなってからじゃ遅いからね」

デリング「父親を創る…?とはなんだ?」

レイン「人だった頃の失敗談、100年以上前にロボットの父親創りかけたの、でも途中で破壊しちゃった…」

デリング「失った者の代わりはどのような存在でもできない、当たり前の話だ」

レイン「ノートレットも?」

デリング「そうだ」

レイン「……いい?私は地球寮の子とあの二人の味方だから、それだけは安心して」「じゃあね、会話忘れずにね?」

そう忠告し消え去るレイン、ただ黙って虚空を見つめるデリング

ザヒ「デリング総裁、またレインですか?、彼女はなんと?」

デリング「会話を忘れるな、だと」

ザヒ「あぁなるほどだからですか、先程ミオリネお嬢様がフロントに到着なさいました、お会いになられます?」

デリング「ああ、業務監査も兼ねて定期的に報告させている」

ザヒ「シャトルはすぐに出発できるよう待機してあります」「あぁそれと、報告が遅れましたがスレッタ・マーキュリーも同伴している、と」

デリング「ハァ…いいだろうホルダー保持者なら資格はある」


突然花婿が実家訪問しにきた、なるほど会話を忘れるな、か。プロスペラの手駒、なにも知らされない哀れな兵、覚醒を促すためだけの部品。だが娘が選んだ婚約者だ、結婚すると決めホルダー制度を受け入れたほどの


━━━ベネリット・フロント

スレッタ「…凄い、私が暮らしてた基地より広い!大きい!」

ミオリネ「はしゃがないの!ベネリットのフロントなんだから当たり前でしょ?」

ミオリネ「それに観光しにきた訳じゃなくてクソ親父に定期報告しに来たんだから歴とした業務よ、スレッタも背筋伸ばして堂々として!」

スレッタ「査問会議の時以来…ですねミオリネさんのお義父さんに会うのは」

ミオリネ「あっ、直接話したことなかったんだった…」「なんとかなるかな?ならないかも、スレッタ絶対吃るわあのクソ親父だと…」

スレッタ「大丈夫…です、耐えます」

ミオリネ「無理しないでね」


コンコンコンコン、ドアをノックする回数で分かる、娘が定期報告で訪れたのだ。

デリング「入れ」

ミオリネ「失礼します、デリング総裁ミオリネ・レンブランです、只今到着しました」


ミオリネさんがお義父さんと経営の業務監査の難しい指南や指摘をやり取りし合っている間、私はドアの側で背筋を正してミオリネさんを見つめている。私にできることは見守るだけ、エアリアルに乗らない私は我ながら役立たずもいいとこだ。だけどミオリネさんはそれでいいと、出来ることを見つければいいと、そう言ってくれた!。自分が何者かわからない、実は誕生日すらわからない、私が夢見た願いは私でなく誰かの願いで、唯一私の本当の願いがミオリネさんと会社を守る事。私がお母さんから洗脳されている事実を知らされたとき、ずっと言い出せなかった知りたくなかった事をレインさんに話した。レインさんは母とミオリネどちらかを選択しなければならなくなると、人としてミオリネさんと生涯添い遂げたいなら母からの命令に命を掛けて逆らう必要がある、と私に告げた。皆が支えてくれなければ私は壊れる所だった。エアリアルが酷く取り乱しアイカメラを超高速点滅させヌーノさんがウィルスか!?と走り寄ってきたり、ニカさんが私の異変を察してミオリネさんを呼んできたり、ミオリネさんが怯える私を一晩中付きっきりで抱き締めてくれたり、他にも数え切れないくらいこの2か月の間皆に迷惑をかけてばかりだった。お母さんとはそれ以来連絡を取り合っていない、会えば、話せば今の私は真実に耐えられないから。自分のスマホが鳴る度今でも震えが止まらない、ミオリネさんが着信音を使い分けて分かりやすくしてくれなければメールすら見られなかった。…………考え事してようやく落ち着いてきた。


ミオリネのお義父さんがチラチラ私を見てくる、あっ、いつものホルダー仕様の制服下に着込んでて良かった、今の私は護衛みたいな服着た目付きの悪い人だもんね…。今度はそれとなく椅子に座れって催促してる、実は優しい人なのかな?。促されるまま椅子に座るスレッタ、丁度ミオリネさんの隣だ。

ミオリネ「以上、報告終わります」

デリング「分かった、…所で」

スレッタ「!はっい!?」

デリング「その格好はなんだ?ホルダーは専用制服の着用がルールだ、お前はホルダーであって護衛ではない」

しまった、いつも通り指摘してしまった。どうやら下に着込んでいたらしい…いや聞きたいことはそれではない、娘の批難の目が痛い。

デリング「…まぁいい、スレッタ・マーキュリー、お前が娘の誕生日までホルダーを維持したら結婚する気はあるか?」

スレッタ「はい!します…絶対!」

即答されてしまった、娘の顔が可愛そうなくらい赤い、私も亡き妻もそんな顔は初めて見るだろう。父親としては祝福してやるべきなのだろうが、如何せんエルノア・サマヤの出自すら不明な娘。復讐したいなら手の込んだ仕込みなどせず私を直接殺しに来ればいいのだ、逃げるつもりも反抗する気も弁解する気も無い。

デリング「分かった、二人とも下がってよい」


ミオリネ「あンのクソ親父!口下手過ぎる!もう少し言い方ってもんがあるでしょうが!」

スレッタ「でも…案外優しい人でしたね」

ミオリネ「…まぁ結婚遠回しに認めてくれたのは嬉しかったけど」

スレッタ「決闘頑張ります!」

ミオリネ「スレッタくれぐれも無理しないで!、維持するだけなら全力出す必要無いんだから、なんならヌーノやレインに力になって貰って妨害しまくるわ!ニカだってやる気満々よ!」「あと!私はスレッタ以外と結婚する気はないから!」

スレッタ「そうでしたね!私は花婿ですからミオリネさんと生涯添い遂げます」

ミオリネさんがまたトマトみたいに真っ赤になってる。…私は恋愛感情を最近まで深く理解できてなかった、エランさんの時すら思慕に近い程度だった。今なら解る、ミオリネさんが愛しい、抱き締めたい、って。


━━━

ミオリネ「レイン…ワイヤードの管理人、現在長らく行方不明、100年以上前の人物、オックスアースの前進橘総合研究所…」「…………………レイン、そこにいるの?」

レイン「ガンド医療めざしてるものね、いつかは辿り着くと思ってた」

ミオリネ「ねぇクソ親父とはいつ出会った?、ワイヤードの計画ってなに?ヴァナディース事変の虐殺って…」

レイン「デリングとは…腐れ縁かな?私の計画はあなたも知る通りワイヤードの拡張よそれ以外ないわ、虐殺は……私はあの時ヴァナディースで捕らえられてたから詳しくはわかんない、ただ二人だけはなんとか逃がしてあげたけど」「名前も知らない姿も知らない、ただレーダーの点だけよ見たのは」

ミオリネ「レインなら簡単に脱出できたりしないの?」

レイン「聞きたい?、パーメットのせいね、その影響下だと私は位置が遍在しない、一方に引寄せられちゃうの、ヴァナディースはそれで捕えた私を使ってレイヤー33をコールバックしたかったみたい。でも、無理だった、私は拒絶された。繋がれない存在には私ですらどうにもできない、私は奴らに説明した、カルド・ナボは納得はしてたけど、赤毛の女の人は焦ってたのか不満そうだったよ」「結果的に私は役に立たなかった。施設防衛AIの代わりに放り込まれて私は無理矢理働かされた、迂闊よね…そんなことしたら私は施設内なら遍在できちゃうのに」「最初は皆驚いて恐怖してたわ、まぁ今度はがっちり隔離されて遠ざけられたけど」「暫くしないうちに開発期限が迫ってきてかなり無茶な実験繰り返してた、そしてあの日だ」

ミオリネ「虐殺があった当日?」

レイン「あの日は施設で唯一の子供、確かエリクトがカルド博士と遊んでた、私は…監視カメラで見てたの、博士がルブリスへエリクトを連れて見せに行ってたのを」「カルド博士が戯れにあの子に端末触らせた、そしたらレイヤー33コールバック成功しちゃった…」

レイン「それとほぼ同時、施設が襲撃されたのは」「その後は施設がハックされるし私はとばっちり食らってストレージに格納、ギリギリ脱出出来てた数人のうち二人だけ敵の妨害間に合って逃がせたの」

レイン「その後、襲撃してきた奴らに施設を爆破されてストレージごと宇宙を漂ってた、半年くらいかな?もう永久に漂って閉じ込められたままかもって、正直怖かったわ」「その時がデリングと初めて会った日、本当に偶然だった。ザヒが艦長やってた艦にデリングが乗っててね、私のストレージが丁度デリングのいた艦橋の窓に衝突したの」「窓に突き刺さってた私のストレージにデリングが興味持って繋げてみろってザヒに命令して…私やっと出れた!さすがに感謝しなくちゃ、艦長席のモニター乗っ取ってありがとう!ってやったの、ザヒ滅茶苦茶怖がってた、デリングは固まってたよ」

ミオリネ「見たかったな、クソ親父の固まってる顔…」


━━━?


デリング「お前は何者だ?このストレージと関係があるのか?」

レイン「ちょっと待ってね今外に出るから」

デリング達の真後ろから声が響く

レイン「はじめまして、私はレイン、ワイヤードの管理者よ」

ザヒ「後ろっ!?、…わ、ワイヤード?地球の古いネットインフラのか?」

レイン「ワイヤードはただのインフラじゃないよ、リアルワールドを繋いで補完する存在よ、今はズタズタで満足に機能してないけど」「おかげで今はどこにでもいられない、繋がれない」

デリング「どこにでもとはどういう意味だ?」

レイン「私は本来どこにでも遍在するの、場所も時間も未来も過去も関係ない」「今度こそワイヤードがバラバラになったリアルワールドをもう一度繋ぐの、アーシアン?スペーシアン?あんなのテンプレファイルよ、誰かが適当に整理した括りに自分の名前を見つけて喜ぶ?悲しむ?、馬鹿じゃないの!」

デリング「お前の身の上話に興味はない」「私はお前がヴァナディース機関と関係あるか知りたいのだ」「外見を持たせたAIなど聞いたことがない」「そもそも軍用量子コンピューターを意図も容易く乗っ取るなど余剰環の性質上不可能だ」「お前はなんなのだ?ヴァナディースでないならオックスアースか?」

レイン「繋がれるなら不可能はないよ、それが私」「さっきも言ったよ?私はレイン…ヴァナディースとは拉致された関係よ。オックスアースは…なんて言ったらいいのかな、ワイヤードは橘総研の資産?だから私も一緒に接収されて…会社の人たちは多分私を知らないんじゃないかな?」

ザヒ「タチバナ総研?旧世紀の企業、あなたはそこの出身と?」

レイン「出身、ではないよ、私はリアルワールドとワイヤードを繋ぐ存在そのものなの」「リアルワールドは上位階層よ、あんた達の生きてるここがそう」「ワイヤードはその下層、仮想空間、ネットワークみたいなものよ」「昔両方を隔てる境が曖昧になった事があったの、詳しく言うとワイヤード第七世代プロトコルにシューマン共鳴をファクターに書き加えたやつのせいで、人が機械無しでワイヤードに繋がれる事態になってね…私はその時色々あって肉体ごと往っちゃったの」

デリング「かつては人だったと?「旧世紀の技術水準を越えている、あり得ん…何か証明するものは?」

レイン「なにかやってほしい事とかある?、それが一番分かりやすい方法だと思うし…」

デリング「………テロで死んだ婚約者を生き返らせる…いや、忘れてくれ無意味だ」

レイン「できるよ」


続く

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