part31の>>140~145は兵隊さん
ザザーン……
「前方後方、共に以上無し……と。さて、そろそろ空けるか……
……っと、栓抜き忘れてたな。取りに行くのも面倒くせェ、こうなりゃ歯で……」
キィ(ヒョイ)
「ん?
……お、栓抜き持ってきてくれたのか。気が効くな、ありがとよ」
キィキィ
キュポン
「んっ……ぷは。あー、そろそろ酒も買い足しとかねェとな。
……ん?」
ジー……
「何だ、飲んでみてェのか?」
コクコク
「はは、欲しがりな奴だな。酒を飲む人形なんて聞いたことねェ。
さてどうやって飲ませるか……ちょっと待ってろ」
「よっと。これ使ってみるか?」
キィ?
「おちょこだ。これルフィが持ってきたんじゃねェのか?ウタにも宴参加させるーっつってよ」
キキィ
「……何となく『そうだった!』って顔してそうだな。
まあいいや、どうすりゃ飲んだことになるのか分かんねェが……
取り敢えず口元に染み込ませてみりゃ、飲んだことになんのか?」
キィ……
「ちょっと待ってろ……っとと、ちょっと溢れちまった。
ほれ、飲んでみろ。口に合うかは分かんねェがな」
キィ!
くぴくぴ
…
「美味いか?」
…ギ?
「……首を傾げるってことは分かんねェってことか。残念だったな、コイツはおれのお気に入りの……」
ギ…ィ
「ん?」
フラ……フラ……
「……もしかしてお前、酔ってんのか?」
フラ………
「あっ、おい!そっちは海だ!危ねェ!!」
フラ……
ボチャン
「やべェ、ウタが落ちちまった!ウターっ!!」
ザパーン……
〜〜〜〜〜
「……何てこともあったなあ」
「……ゾロ、お前……」
「たまに朝起きたらゾロもウタもびしょびしょだった時があるのはそのせいだったのか?」
「仕方ねェだろ!あんな風に欲しがられて断るほどおれァケチじゃねェんだ!
第一酔っ払って落っこちたのはその時だけだ!あとはこいつがフラフラしてやがるから……」
「……ぷっ、あはは!」
「!」
「やー、お酒って美味しいんだね。前は今よりずっと子供だったから、流石に飲んだことはなかったけど……」
「…………」
「……何より、みんなと一緒に飲めるからもっと美味しい!」
「……ハハッ、そりゃ違いねェや」
「ねえゾロ、あの時のお酒ってまだあるかな?そのゾロのお気に入りってやつ、ちゃんと分かる様になったからまた飲んでみたいんだけど……」
「あァ……残念だったな。ありゃもう生産が終わってる」
「えーーっ!?そんなぁ!」
「ま、それを見越してどっさり買い込んでるからこの船には残ってんだけどな」
「何だそれ!」ズコー
「おいゾロ、おれにもくれよそれ!酒あんま好きじゃねーけどそれは飲んでみてェ!」
「しょーがねェな……取ってくるからちょっと待ってろ」
「…………ふふ」
「ん?どうしたウタ?」
「……んーん、何でもない!」